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Mercedes-Benz Automatic Lane Change
新車搭載に加えてWi-Fiによるアップデートに対応
「オートマチック・レーン・チェンジ(ALC)」は、メルセデス・ベンツが提供する40種類以上の運転支援システムに追加。ALCは「アクティブ・ディスタンス・アシストDISTRONIC(アダプティブ・クルーズコントロール)」の作動中、高速道路で自動的に車線変更を開始し、遅い車両を追い越したり、出口までのルートをたどったりすることが可能になる。
メルセデス・ベンツは2023年から北米においてALCを導入しており、中国においてもメルセデス・ベンツ中国が独自開発した現地顧客向けALCが展開されている。米国・欧州におけるシステムと中国のシステムでは、地域の交通事情とそれぞれの法的要件に適合させるため、システムの細部が異なるという。
メルセデス・ベンツは、ALCの新車設定と並行して、欧州ですでに納車された約20万台に対して、OTAを介して提供。この新しいアシスタンス機能は、2024年9月以降に車両搭載の携帯電話接続を介して、段階的にサービスが導入される。
まずサービスが導入されるのは、新型「Eクラス」「CLE クーペ」「CLE カブリオレ」。2023年1月以降に販売された「Cクラス」「Sクラス」「GLC」「EQE」「EQS」「EQS SUV」についても、順次対応が行われる予定だ。それぞれの居住地域においてOTAによるアップデートが可能か、メルセデス・ベンツからオーナーに連絡が行われるという。システムのアップデートは、「MBUX」インフォテインメントシステムのディスプレイに表示されるアップデートアシスタント、または「Mercedes me」アプリから行うことができる。
メルセデス・ベンツ・グループAGの取締役兼チーフテクニカル・オフィサーのマーカス・シェーファーは、ALCの欧州導入について次のようにコメントした。
「オートマチック・レーン・チェンジ機能により、メルセデス・ベンツは、運転支援システムの開発において、ライバルに対する優位性を示すことができたと考えています。ALCは、北米、欧州、中国で同時に開発がスタートし、現在北米と中国でお客様に提供が行われています。さらに、メルセデス・ベンツとしては初めてドライビング機能を、OTAアップデートを介して提供します」
高速道路において自動的に車線を変更
メルセデス・ベンツが提供する「オートマチック・レーン・チェンジ(ALC)」は、簡単かつ直感的に操作が可能となっている。 ドライバーは、アクティブ・ディスタンス・アシストDISTRONICで希望の速度を設定。標準装備のアクティブ・ステアリング・アシストも自動的にオンとなり、高速道路において自動車線変更を行う。これはレベル2の自動運転システムに相当するため、ドライバーは常にクルマの運転に責任を持たなければならない。
システム起動中はレーダーセンサーとカメラがクルマの周囲を常時監視し、高速道路において遅いクルマを追い越し、元の車線へと戻る。さらにルートガイダンスが作動している場合は、関連する高速道路の分岐点、または出口までナビゲートするため、自動で車線変更を行うこともできる。
ヨーロッパでは、ALC機能は80~140km/hの速度範囲で使用することが可能。ナビゲーションシステムが、適切な(少なくとも2車線の)高速道路を走行していると認識していることに加え、車線標示が車載カメラで検出され、十分な空きスペースが確保されている必要がある。
今回、ALCが展開されるのは、アルバニア、オーストリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、モンテネグロ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国の33ヵ国。導入時期やOTAアップデートの可否は各国により異なる。