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Ferrari 499P
50年代から南米で活躍したフェラーリ
サンパウロ郊外にあるグランプリサーキット、インテルラゴスの正式名称は「アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(Autodromo Jose Carlos Pace)」。1970年代に活躍したサンパウロ出身のF1ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェに由来する。
コースは1938年に建設が始まり、2年後に本格的オープンを果たしたが、当初インテルラゴスは高速バンクを備えたオーバルコースだった。数十年の間に当初は約8kmに及んでいたグランプリコースは何度か改良が加えられ、現在の形になっている。現在のコース長は15のコーナーを含む全長4.309km。強烈なアップダウン、そして1393mにも及ぶメインストレートがその特徴だ。
20世紀半ばから、フェラーリ製レーシングカーはインテルラゴスで大きな成功を収めてきた。1957年、I.フェレイラがフェラーリ 750 モンツァをドライブし、第2回プレミオ・チンクエンテナリオ ACB(Premio Cinqüentenário ACB)で勝利。同年、セルソ・ララ・バルベリスは、170PSを発揮する1984cc直列4気筒エンジンを搭載する「500 モンディアル」で、多くの国内レースで勝利を手にした。
458 イタリア GT2が2勝を獲得
インテルラゴスでは2012年から2014年にかけてWECの一戦として「サンパウロ6時間」を開催。フェラーリはLMGTEプロクラスにおいて、AFコルセの458 イタリア GT2で参戦したジャンカルロ・フィジケラとジャンマリア・ブルーニが、2012年と2013年に勝利を飾っている。
10年ぶりのWEC開催を実現したサンパウロ6時間に、フェラーリは3台の499Pをエントリー。フェラーリAFコルセから50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)と51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)、AFコルセの83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イェ・イーフェイ)が南米初登場を果たす。
F1 ブラジルGPをはじめ、様々な国際レースの舞台となってきたインテルラゴスでWECが開催されるのは、2014年シーズン以来10年ぶり。フェラーリ 499Pがインテルラゴスでレースを走るのは今回が初、ル・マン24時間レースを制した499Pにとっても新たな挑戦となる。
499Pは、前戦ル・マン24時間レースにおいて、待望のシーズン初勝利を持ち帰った。このレースで50ポイントを獲得したフェラーリは、マニュファクチャラーズランキングにおいて、首位のポルシェから9ポイント差の2番手。また、フォコ、モリーナ、ニールセンがドライバーズランキングにおいて2番手につけている。