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Audi Q5
3代目へと進化したベストセラーSUV
2008年に初代モデルがデビュー、2017年には2代目へと進化を果たした「アウディ Q5」は、15年にわたりヨーロッパのミドルサイズSUVセグメントで高い人気を集めてきた。今回、アウディは実に7年ぶりとなる、Q5のフルモデルチェンジを実施。A5から導入された内燃機関用アーキテクチャー「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」を導入した、初のSUVとしてデビューを飾った。
48Vマイルドハイブリッドシステム「MHEVプラス」を導入し、高効率化を果たしたガソリンエンジンとディーゼルエンジンを搭載。最新世代のインフォテインメントシステムと操作コンセプト、カスタマイズ可能なデジタルライトシグネチャー、最新のドライバーアシスタンスシステムを標準搭載する。将来的には、プラグインハイブリッドも追加される予定だ。
Q5とSQ5は、2025年第1四半期に、ドイツをはじめとする欧州各国でデリバリーが行われる予定。ドイツにおいて、Q5ファミリーは2024年9月から受注が開始された。アウディAGのゲルノート・デルナーCEOは、新型Q5ファミリーについて、次のようにコメントした。
「アウディ Q5は15年以上もの期間、ミドルクラスにおいて最も成功し、最も重要なSUVモデルに君臨してきました。新型Q5ファミリーは、その定評あるキャラクターをさらに進化させています。 高効率内燃機関を搭載した新世代モデル第2弾として、私たちのラインナップの若返りにおける次の重要なステップとなるでしょう」
よりメリハリの効かさたエクステリア
エクステリアは、アウディ最新デザインランゲージが採り入れられ、スポーティで筋肉質なフォルムを実現。張りが効いた高いショルダーラインが力強いシルエットを生み出し、より伸びやかなアピアランスを手にした。フロントセクションは、全てのデザイン要素を先代モデルよりも一段高い位置に配置。スポーティでワイドなシングルフレームの両サイドには、縦長の機能的なエアカーテンがレイアウトされている。
彫刻的な形状のヘッドライトがシャープな表情を生み出し、俊敏で自信に満ちたキャラクターをアピール。エアカーテンチューブは、Q5がマットアンスラサイトクローム、SQ5はマットシルバークロームで仕上げられる。
リヤセクションは、構成するラインを極限まで減らすことで、極めてクリアなデザインとなった。立体的形状のライトストリップが、スポーティなエレガンスを表現。テールパイプのサイズとレイアウトは搭載するエンジンによって異なり、2.0ディーゼル仕様は左サイドに角型ダブルテールパイプ、2.0ガソリン仕様は左右に角型テールパイプ、SQ5は4基の丸型ツインテールパイプが配置される。
エクステリアカラーは、新色の「アルコナホワイト」を含む全11色を展開。メタリックカラーは「グレイシャー・ホワイト」「ミトス・ブラック」「フローレット・シルバー」「ナバーラ・ブルー」「グレナディン・レッド」「ディストリクト・グリーン」に、新色として「タンボラ・グレー」が追加された。「ウルトラブルーメタリック」「デイトナグレー・パールエフェクト」、新色の「サヒールゴールド・メタリック」は、SQ5専用カラーとなる。
最新の「MMI パノラミック・ディスプレイ」
インテリアには、最新の「アウディ MMI パノラミック・ディスプレイ」を標準搭載。アウディ MMI パノラミックディスプレイは曲面デザインと有機ELテクノロジーを採用し、11.9インチアウディバーチャルコクピットと、14.5インチMMIタッチディスプレイで構成される。
オプションとして助手席前方に、10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイを搭載することも可能。シャッターテクノロジーを採用した「アクティブプライバシーモード」により、助手席側からしかディスプレイの映像は見えなくできる。運転中のドライバーの注意を逸らすことなく、パッセンジャーはインフォテインメントシステムを楽しめるという。
新型Q5には「マテリアルドリブンデザイン」を採用し、広々とした空間と高い快適性を実現。デジタルエリアとテクニカルエリアのバランスを取ることを目的に、ソフトラップエレメントがダッシュボードの全幅にわたってドアからドアへと配置された。これにより、ドアやアームレストのファブリックパネルとともに、まるで自宅のリビングルームにいるようなくつろぎのスペースを実現した。
ダイヤモンドキルティングのシート、ソフトラップ、アームレストなどは、持続可能素材のカスケード・ファブリックとディナミカをチョイス。カスケードはウールなどの天然素材を彷彿とさせ、追加染色を必要としない。また、セルビッチや再生ポリエステルなどのリサイクル素材も積極的に採用されており、カバーの一部には再生プラスチックから生成されるインプレッサムが導入されている。
インテリアの使い勝手が大幅に向上
新型Q5は、新たなインテリアコンセプトを導入したことで、ヘッドルームとレッグルームが拡大。先代モデルから、各シートの居住性が大幅に向上した。
新たに採用された「フルアジャスタブルリヤシート」は、大人3名がリラックスできる座面を持ち、前後スライドや折りたたみに対応。必要に応じてトランク容積を拡大したり、リヤパッセンジャーの快適性を高めることができる。リヤシートを倒すと、ラゲッジルームは最大1473Lにまで拡大。ラゲッジコンパートメントカバーは、ラゲッジフロア下の専用コンパートメントに収納する。
センターアームレスト下部の収納スペースが先代モデルよりも拡大されたほか、インテリアの各部に様々な小型収納スペースが用意された。フロントセンターコンソールに15Wの充電能力を持つ誘導冷却式充電トレイ、フロントに2基、リヤに2基のUSB-Cポートを標準装備する。オプションでフロントのUSB-Cポートは最大60Wの充電にも対応、リヤのUSB-Cポートは100W充電に対応し、ノートパソコンのような大型デバイスを走行中に充電することが可能だ。
3種類のパワーユニットをラインナップ
新型Q5は、縦置きエンジンを搭載した内燃機関用アーキテクチャー「プレミアム・プラットフォーム・コンバッション(PPC)」をベースに開発。すべてのモデルに48Vマイルドハイブリッド・システム「MHEVプラス」と、容量1.7KWのリチウムイオンバッテリーを搭載し、トランスミッションは7速Sトロニック(DCT)が組み合わせられる。
MHEVプラスのパワートレインジェネレーター(PTG)は、最大230Nmのトルクと最大18kW(24PS)の追加パワーを発揮。48Vシステムは、エアコン用コンプレッサーとしても機能するため、コースト走行時やアイドリングストップ時にも、エアコンをフルパワーで使用することができる。
欧州における発売時点では、3種類のパワーユニットをラインナップ。今後、プラグインハイブリッドを含め、様々なパワートレインが追加される予定だ。2.0リッター直列4気筒TFSIガソリンターボは、最高出力150kW(204PS)、最大トルク340Nmを発揮し、標準仕様は前輪駆動。オプションで「quattro」4輪駆動システムを選ぶこともできる。
2.0リッター直列4気筒TDIディーゼルターボは、最高出力150kW(204PS)、最大トルク400Nmを発揮し、標準で「quattro」4輪駆動システムを搭載。3.0リッターV型6気筒TFSIガソリンターボを搭載する「SQ5」は、最高出力270kW(367PS)、最大トルク550Nmを発揮し、こちらも「quattro」4輪駆動のみの設定となる。