目次
厳しい経営状況を踏まえた「ピットストップ」
KTMは、シュテファン・ピーラーCEOとゴットフリート・ノイマイスター共同CEOによる声明を発表。5000名を超える従業員を前に、現在の財務上の課題を克服し、KTMの堅実な将来を確保するための包括的なリストラ計画を実施すると発表した。ふたりの公式声明は、同社の公式YouTubeチャンネルにおいて公開されている。
1992年の段階で従業員160名、生産台数6000台だったKTMは、現在1日あたり最大1000台のモーターサイクル生産能力を持つまでに成長した。しかし欧州における高級バイクの販売不振により、経営危機に直面していることが明らかになった。これらに対処するため、KTMは自主管理による法的再建手続きを開始。申請書は11月29日にオーストリアの裁判所に提出され、90日以内の手続き完了を目指している。
シュテファン・ピーラーCEOは、現在の状況を踏まえ「ピットストップ」が必要だと説明した。
「過去30年間、私たちはヨーロッパ最大のモーターサイクルメーカーに成長しました。私たちの製品を、世界中の何百万人ものライダーが愛用してくれています。しかし、私たちは未来に向けて、ピットインをする必要が生じました。KTMブランドは私のライフワークであり、私はそのために戦います」
2024年9月、ゴットフリート・ノイマイスターが共同CEOとして執行委員会に加入。ピーラーCEOと共に再生事業に取り組むノイマスター共同CEOは、次のようにコメントしている。
「従業員の熱意は、KTMが誇る最も重要なアドバンテージだと言えるでしょう。彼らの情熱こそが、KTMが持つ世界最高のパフォーマンスの代名詞となっています。これからも、私たちはあらゆるレース、あらゆる地形に対応できる信頼性と堅牢性を備えたモーターサイクルを製造しています」
「そして今、KTMを堅牢な会社にすることが求められています。これは、未来のために、世界で最もクールなモーターサイクルの製造という、私たちが最も得意とすることに再び集中できるようにするための作業なのです」