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日本で五指に入るクルマ好きが買ったのは?
(前回のあらすじ=E46型3シリーズカブリオレを購入した西川淳。その背景にはある秘密クラブの存在が……)
ある日、東京のクルマ仲間Kちゃんが京都へクルマを買いに行くので晩飯でも食おうと言ってきた。夜に合流してみれば「気に入ったので買っちゃいました。しかもこれから乗って帰ります」、というではないか! 現金渡して書類もらって乗って帰るだなんて、まるでアメリカだ。剛気だ。
Kちゃんは新旧スーパーカーをこよなく愛する、筆者が知る中でも日本で五指に入るクルマ好き。そんな彼がその日、意気揚々と見せてくれたのが金色のE46カブリオレ(後期)だった。
なんだかとてもカッコいい。もともとE46 M3に乗っていたこともあって、大好きな3シリーズのひとつ。この頃まではソフトトップでオープン状態もスッキリ、しかもフル4シーターで潔い。現行モデルでソフトトップ(と言ってもとても硬い)に戻したとはいえ、E93から2世代はちょっと不格好なリトラクブルハードルーフ仕様になってしまったから、余計にオープン時のスッキリスタイルが新鮮に見えた。
とりあえず手に入れたのがマイ初代
「で、46カブリだけのチームを作ろうと思うんです」とKちゃん。「自分が希望ナンバーで46-01を取って、みんなにはそれに続いてもらうみたいな」。なるほど。そしたら会が盛り上がって29台目(西川淳のラッキーナンバー)になったらボクも買うから入会させて!と、“きっとそんなに数は集まらないだろう”と、高を括って軽く返事をしたのだった。
しばらくのち。「西川さん、そろそろ29台目が近づいてきましたよ!」。まじか! 番号の確保はできないルール。大急ぎで中古を探すも、そんな時に限って欲しい色や程度の良い個体が見つからない。仕方なく白だったか銀だったか、とりあえず手に入れたのがマイ初代だった。色をよく覚えていないのは、すぐに塗り替えてもらったから。
無事に46-29(現在は46-41まで登録されている。46-46まで、あともう少しだ)をゲットしたものの、そもそもボディ&内装カラーフェチなタチである。だからリペイントしたとはいえ、程度もイマイチで乗っていて気分がノってこない。
これを逃すときっともう出てこない
ある日、Kちゃんが最初に買った店にシルバーの出物があるという情報が舞い込んだ。その店の販売車両はメンバーから特に“京都物”として崇められている(笑)。シルバーに内装もグレー。残念ながら好みのタレ目前期ではなくツリ目後期だけれど、程度もよかったので購入を決断した。これが2代目。
ところが銀29が納車されて数ヵ月後、京都と大分で高級ガイシャを扱う友人の会社のサイトを見ていると、なんと探し求めていたゴールドの前期、非Mスポーツが走行距離3万kmの価格応談で掲載されているじゃないか! これを逃すときっともう出てこない。すぐさま友人に相談した。銀と金を交換して!(もちろん追金しております、キンだけに)。
こうして我が家にやってきた3代目46カブリ、金29号。気になる銀29号はというと、46-39となって金29号を譲ってくれた友人の愛車として収まっている。
セダンかツーリングも欲しくなってきた
最後にスタイリング以外に46カブリの良いところをひとつ。それはエンジン。3.0リッターの直6が積まれているのだけれど、これが5速ATと相まって、とにかくカラダの隅々まで染み込むような心地よいまわり方をしてくれる。シルキー6では決してない。ちょっと違う。3ペダルマニュアルならそう言えるかもしれないけれど、オートマの場合はもっと粘り気があって、ちょっとした引っ掛かりというか抵抗感もあって、それがかえって気持ちいい。今となっては速くない(というか遅い)けれど、“エンジンと確かにつながっている”という感覚は他のモデルでは決して味わえないものだ。
46、ええわ〜。セダンかツーリングも欲しくなってきた昨今、カーセンサーを検索していたら、また出てきたよ、極上46カブリ。今度は珍しいジャパンレッドの左ハンドル、でも後期……。うーん、赤い46カブリも良いんだよなぁ。赤29かぁ〜ゴロ的にもアリだな〜。
誰が物欲もなくなった、だと? いやいや煩悩はまだまだ尽きない、来年いよいよカンレキちゃんちゃんこ。赤いクルマを買わなきゃ、じゃないか!