1974年のコンセプトカーをオマージュした「ヒョンデ N ビジョン 74」

ヒョンデのハイパフォーマンス部門「N」、2台の電動スポーツコンセプトを公開 【動画】

ヒョンデが展開するハイパフォーマヒョンデのコンセプトカー「N ビジョン 74」と「RN22e」を発表した
ヒョンデが展開するハイパフォーマンス部門の「N」は、電動パワートレインを搭載した2台のコンセプトカー「N ビジョン 74」と「RN22e」を発表した。
ヒョンデが展開するパフォーマンスブランド「ヒョンデ N」は、将来を見据えたゼロエミッション技術を搭載する2台のコンセプトモデル「N ビジョン 74」と「RN22e」を公開した。この2台は先進的な電動パワートレインを搭載しながら、同時に「ヒョンデ N」が掲げるスポーツイメージを強烈にアピールする。

Hyundai N Vision 74 / RN22e 

将来的な「N」の電動化を示唆するモデル

水素ハイブリッド「ヒョンデ N ビジョン 74」の走行シーン。
ヒョンデのハイパフォーマンス部門として2016年に立ち上げられた「ヒョンデ N」。将来の電動化を睨み、走る実験室「ローリングラボ」として2台のコンセプトモデルを開発した。

「RN22e」は、新型アイオニック 6とE-GMP(エレクトリック-グローバル・モジュラー・プラットフォーム)を融合させ、ハイパフォーマンスEVの新たな基準を打ち立てるべく開発。一方、「N ビジョン 74」は、電動技術と水素燃料電池システムを融合させたパワートレインを搭載し、電動化時代の“走る楽しさ“を追求した、ヒョンデN初の水素ハイブリッドモデルとなる。

ヒョンデのカスタマー・エクスペリエンス・ディビジョン・トップ兼上級副社長を務めるトーマス・シェメラは、2台のコンセプトモデルについて次のようにコメントした。

「RN22eとN ビジョン 74は、ヒョンデの全ラインナップ、特に電動化された高性能モデルの開発において重要な役割を担うモデルとなります。 この2台は走る実験室として、最先端技術の継続的な開発を象徴しています。このユニークなアプローチは、私たちに限界を超える力を与え、将来に向けた挑戦への準備を整える役割もあります」

RN22eとN ビジョン 74は、今後もエンジニアによるテストと検証が続けられ、将来的にヒョンデ Nが展開するロードカーに活かされることになる。

アイオニック 6をベースにハイパフォーマンス化

電動スポーツ「ヒョンデ RN22e」のエクステリア。
「RN22e」は先日発表されたアイオニック 6をベースに、特にサーキットにおけるコーナリング性能の向上を目指し、様々なコンポーネントに手が入れられた。

将来登場するとみられる「EV N」を切り拓くのが「RN22e」だ。ヒョンデが誇る最新電動アーキテクチャー「E-GMP」を洗練・最適化し、先日デビューしたばかりのアイオニック 6のストリームライナーデザインに組み合わせることで、サーキット走行に特化した性能を提供する。E-GMPをベースにしたヒョンデ N初のモデルとして、将来的に電動化されたNブランドのビジョンと方向性を示しながら、ハイパフォーマンスEVの可能性を示唆する存在となる。

ヒョンデ Nはブランド立ち上げ当初からコーナリング性能の進化に取り組んでおり、これまで発売してきたNモデルの多くに「e-LSD(コーナーカービング・ディファレンシャル)」を搭載してきた。RN22eは、ツインクラッチによるトルクベクタリングを追求することで、コーナリング時のステアフィールを大幅に向上させた。

また、3Dプリンター製パーツの採用により、軽量化と高剛性を両立。RN22eは前後アクスルにモーターを搭載するAWDであり、前後のトルク配分を最適化したドライバーモードを選ぶことで、自分の好みに合わせたドライブフィールも楽しむことができる。

サーキットにおけるRN22eの性能向上を目指し、Nは冷却性能とブレーキ性能にも手を入れた。ピストン・モノブロックキャリパーと400mmハイブリッド・ディスクにより、電動パワートレインの重量にも耐えうる制動力を確保。また、ヒョンデ NはRN22eを使用して、ヨーやコーナーアタックを正確に制御する回生ブレーキによるテストも行う予定だ。

次世代電動高性能モデルの開発ベースに

電動スポーツ「ヒョンデ RN22e」の走行シーン。
RN22eには、「Nサウンド+」や「N eシャフト」など、ヒョンデ Nが電動パフォーマンスモデルへの搭載を目指す新たな技術のテストベットとなる。

RN22eは、生産モデルに移行するための最先端技術の開発・検証を行うべく、次期電動Nモデルの走る実験室としての役割も担っている。ヒョンデNはエンスージアストを刺激すべく、電動化モデルにおけるエモーショナルなドライビング体験をもたらす様々な新機能を開発した。

前後アクスルに電動モーターを搭載し、最高システム出力は430kW、最大トルクは740Nmを発揮。77.4kWhのバッテリーを搭載し、800Vの急速充電にも対応する。最高速度は電子リミッターで250km/hに抑えられた。

RN22eでは、ダイナミックなドライビングフィールを実現するため、コクピットのスピーカーからサウンドを発生させる「Nサウンド+」を搭載した。また、振動や変速フィーリングを「Nサウンド+」と統合した「N eシャフト」により、さらに没入感のあるサーキットアタックを楽しむことができる。

RN22eは独自のストリームライナーデザインを持つアイオニック 6をベースに、その空力性能を最大限に引き出すため、モータースポーツからインスパイアされたディテールを追加。低い地上高と強調されたショルダーセクションにより、ワイドかつパワフルなスタンスを実現した。さらにバンパー下部にも新たな空力パーツを追加し、冷却性能と空力性能を向上させている。

ジウジアーロのデザインを現代的に解釈

水素ハイブリッド「ヒョンデ N ビジョン 74」とポニークーペ コンセプト。
N ビジョン 74は、1974年にジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされた「ポニークーペ コンセプト」をオマージュ。象徴的なBピラーなどがポニークーペ コンセプトから引き継がれた。

N ビジョン 74は、ヒョンデ・モータースが1974年に発表した「ポニークーペ コンセプト」をオマージュ。ジョルジェット・ジウジアーロが手がけたソリッドなクーペデザインを現代的に解釈し、これにヒョンデが研究・開発を進める高性能水素燃料電池ハイブリッド・パワートレインが組み合わせられる。

ポニークーペ コンセプトは、生産を目指したデザインプロトタイプとして製作。多くのインパクトを残したものの、結局生産には至らなかった。しかし、先進的なデザインが、その後のヒョンデ・デザインの方向性を決めることになったという。

N ビジョン 74は、ポニークーペ コンセプトから、シンプルなライン、ダイナミックなプロポーション、そしてユニークなBピラーを継承。さらにアイオニック 5でも導入された、パラメトリック・ピクセルライトを採用。過去のデザインヘリテージと、高性能電動化時代が見事に邂逅を果たしている。

水素燃料電池とバッテリーのハイブリッド

水素ハイブリッド「ヒョンデ N ビジョン 74」のエクステリア。
「N ビジョン 74」には、ヒョンデが開発を進める水素燃料電池に、従来のバッテリー技術を組み合わせたハイブリッドパワートレインが搭載された。

ヒョンデは、N ビジョン 74のためにバッテリー駆動と水素燃料電池システムを組み合わせた、ハイブリッドパワートレインを開発。水素燃料電池とバッテリーを併用することで、冷却効率を高めつつ走行状況に応じて2種類の電源を使い分けることが可能になった。

モーターはリヤアクスルに2基搭載され、最高出力は500kW・最大トルク900Nmを発揮。最高速度は250km/h以上、最大後続距離は600kmが確保された。また、リヤアクスルのモーターをインテリジェントにコントロールすることで、正確かつ高い応答性を持つコーナリング性能を実現している。

ヒョンデ  N ビジョン 74とRN22eを動画でチェック!

ヒョンデ アイオニック 6の俯瞰

非公開: 流線型を纏ったヒョンデの最新EV、「アイオニック 6」をデジタルワールドプレミア 【動画】

ヒョンデ・モーターカンパニーは、7月14日、最新フル電動サルーン「アイオニック 6」のデジタルワールドプレミアを行った。ヒョンデの電動ブランド「アイオニック(IONIQ)」の最新モデルとしてデビューしたアイオニック 6は、最新技術の採用により航続距離が大幅に伸び、パーソナライズされた室内空間と最新のデジタル機能を備えている。

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…