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FIA World Endurance Championship 6 Hours of Fuji
3年ぶりに帰ってきたWEC
富士スピードウェイでWEC(FIA世界耐久選手権)が開催されるのは、3年ぶりのことだ。言うまでもなくコロナ禍による影響だが、2022年シーズンのWEC第5戦日本ラウンドは4万人以上の観客が入り、大いに盛り上がった。
走行車両が多彩なのが、耐久レースの醍醐味だ。WECでも昨年から最高峰クラスとなったハイパーカー(LMH)クラスやLMP2クラスなどのプロトタイプカー、フェラーリやポルシェ、シボレー・コルベット、アストンマーティンなどのスポーツカーがしのぎを削るGTカークラスが設定され、見所たっぷりのレースを展開する。
今回LMGTEプロクラスで目下ランキングトップを走るAFコルセ51号車のドライバー、アレッサンドロ・ピエール・グイディ選手に予選前にインタビューをする機会を得た。グイディ選手は2017年からオフィシャルGTドライバーを務めるベテランだ。オフィシャルドライバーになる前も、GTレースのキャリアがあり、10年以上フェラーリでレースに参戦している。
「決勝に向けて細かい調整を行っています。(プラクティスで)前を走る92号車ポルシェGTチームとの差はわずかなので、決勝までにさらに調子を上げます。われわれは毎回勝利を狙っています。だってわれわれはフェラーリなんですから」
そう微笑みながらポジティブに語ってくれた。それにしてもイタリア人でフェラーリのオフィシャルドライバーを務める気持ちとはどのようなものだろうか?
来年はLMHで参戦?
「とても幸運に恵まれました。イタリア人として誇りだし、これからもフェラーリドライバーとして勝利を目指していきたいです。レースキャリアが始まってからWECなどの選手権を追っていると、ほとんどすべての週末がレースになってしまうのですが、今年はWEC以外のレースにはあまり参戦していません。来年から参戦するLMH車両の開発テストが忙しいんです」
そう、じつはグイディ選手は来年から参戦するハイパーカーの開発も担っているのである。
「LMHの車両開発ドライバーを務めるのはとても光栄なことです。まったく新しいクルマを造るのは本当に大変ですけど。毎日細かい調整をしながら開発を進めている状況を楽しみながら仕事をしています。現時点で詳細を明らかにはできませんが、このマシンのポテンシャルは高いと確信していますよ。まだ公式には発表されていませんが、来年このマシンでレースに出られることを期待しています」
この翌日、決勝でグイディ選手は見事LMGTEプロクラスで優勝を飾った。来年の富士はぜひLMHクラスで優勝を!
REPORT/GENROQ
PHOTO/Ferrari、GENROQ
MAGAZINE/GENROQ 2022年11月号