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Bugatti Bolide
あらゆるコンポーネンツをアップデート
![ブガッティ シロンを大きく上回る走行性能を持つサーキット専用のトラックカーとして開発が続けられている「ボリード」。W16型パワーユニットをはじめ、あらゆるコンポーネントに手が入れられている。](https://motor-fan.jp/genroq/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/20230421-BUGATTI_Bolide-Prototype_02-1024x576.jpg)
ザ・クエイルでの発表会場において、ブガッティはボリードがわずか40台の限定生産となることを発表。以降、究極のサーキット専用ブガッティを生み出すという目標を掲げ、フランス・モルスハイムのアトリエにおいて開発が続けられてきた。ボリードの車両本体価格は400万ユーロからで最初のデリバリーは2024年に開始される予定だ。
シロンを凌ぐ加速力をターゲットに、ボリード専用カーボンモノコックシャシーを開発。乾燥重量はわずか1450kgに対して、搭載されるのは専用チューニングが施され最高出力1600PSを発揮する8.0リッターW型16気筒エンジンだ。4基のターボチャージャー、トランスミッション、 ディファレンシャル、クーリングシステムは、ほぼ再設計された。ブガッティ・オトモビルのクリストフ・ピション会長は、ボリード開発の進捗状況について次のように説明した。
「ボリードはブガッティにとって新たな地平を切り開く1台です。これほどにパワフルなエンジンと超軽量設計を組み合わせ、モータースポーツレベルのパフォーマンスを発揮するトラックカーは、これまで存在しませんでした」
「私たちの厳しい目標に見合うだけの軽さ、性能、信頼性を確保するため、ほとんどすべてのパーツが分析され、再設計されています。ブガッティの『フォルムは性能に従う(Form follows performance)』という哲学を新たなレベルに引き上げるべく、さらに開発を進めていきます」
WEC用レーシングタイヤを装着
![40台が限定生産されるボリードは、トラックカーでありながらも、レーシングカーと変わらない性能を目標に開発。リヤタイヤはWECのLMDhマシン用、ミシュラン製18インチ・スリックタイヤを装着する。](https://motor-fan.jp/genroq/wp-content/uploads/sites/2/2023/04/20230421-BUGATTI_Bolide-Prototype_05-1024x724.jpg)
ボリード専用に開発されたエンジンマウントやサスペンションは、シロンと比較して3倍もの剛性レベルを確保。これによりサーキット走行時、ドライバーへと正確なフィードバックを与えることが可能になった。
ブガッティを象徴する8.0リッターW型16気筒エンジンは、ボリードのキャラクターに合わせて絶妙なチューニングが実施された。レーシングトラックにおけるタイムアタックに最適化された、高回転型セッティングを採用。高回転型エンジンに合わせて7速DCTにも改良が施されている。
ブレーキシステムは、シロンに搭載されていた耐久性に優れるカーボンセラミック・ブレーキから、さらに耐熱性の高いカーボン・カーボン・ブレーキに変更。このブレーキシステムは充分に温めないと効果が発揮されないことから、より効率的に熱を発生・吸収する新しいキャリパーを導入している。
ボリードはトップレベルのレーシングカーと変わらない走行性能を備えており、リヤにはFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦するLMDh用ミシュラン製18インチ・スリックタイヤを装着。ブレーキから発生する高熱からリムを保護すべく、各ホイールには専用のカーボン製カバーが装着された。