新型「BMW 5シリーズ セダン」は2023年10月から販売スタート

新型「BMW 5シリーズ セダン」が豊富なパワートレイン展開でデビュー「初のフル電動モデルも」「ツーリングは2024年春」

新型「BMW 5シリーズ セダン」の走行シーン。
BMWのミドルサイズセダン「5シリーズ」が、8代目に進化。新たにフル電動モデルの「i5」がラインナップに加わった。
BMWは新型ミドルサイズセダン/ステーションワゴン「5シリーズ」をワールドプレミアした。今回5シリーズとしては初めて内燃機関やプラグインハイブリッドに加えて、フル電動モデル「i5」をラインナップ。5シリーズ セダンの販売は2023年10月からスタート。ステーションワゴンの「ツーリング」は2024年春に投入される予定だ。

BMW 5 Series Sedan

「5シリーズ ツーリング」は2024年春に追加

新型「BMW 5シリーズ セダン」のエクステリア。
新型5シリーズ セダンはドイツ・ディンゴルフィング工場と、中国・瀋陽工場で製造。5シリーズ ツーリングは、2024年春に追加される。

1972年の初代デビュー以来、2023年春にはシリーズ総生産1000万台を記録したミドルサイズサルーン「5シリーズ セダン」が、第8世代へと進化した。新型5シリーズは最新世代の「iDrive」などデジタルコンポーネントを積極的に搭載。さらに、持続可能なプレミアムモビリティとして、5シリーズとしては初めてフル電動パワートレインを搭載するBEV専用モデル「i5」も投入する。

フル電動モデルだけでなく、プラグインハイブリッド、48Vマイルドハイブリッド・システムを搭載する高効率ガソリン/ディーゼルエンジンなど、各市場に合わせて柔軟なドライブトレインを展開。2024年春に発売を予定している「5シリーズ ツーリング」にも、フル電動モデルがラインナップされる予定だ。

5シリーズ セダンは、これまでの全世代と同様に、ドイツ・ディンゴルフィングのBMWグループ工場で生産される。現在、欧州におけるBMWグループ最大の生産拠点であるディンゴルフィング工場で50周年記念式典を開催する予定だ。ディンゴルフィング工場では新型5シリーズ セダンだけでなく、7シリーズ、8シリーズ、フル電動モデルのiXを製造中。また、5シリーズ セダンは中国の瀋陽工場でも生産されている。

クラシカルな3ボックスを現代的に解釈

新型「BMW 5シリーズ セダン」のエクステリア。
新型5シリーズ セダンは、FRらしいロングノーズ、緩やかなルーフ、わずかにヒップラインが傾斜したトランクと、典型的な3ボックスデザインを採用した。

新型5シリーズ セダンのエクステリアは、筋肉質なプロポーションと、先代モデルから拡大したボディサイズにより、セグメントをリードする存在感を獲得した。全長5060mm(先代比+97mm)、全幅1900mm(先代比+32mm)、全高1515mm(先代比+36mm)、ホイールベース2995mm(先代比+20mm)という堂々たるディメンション。これにより特にリヤシートの居住性が大幅に向上した。

フロントセクションのLEDヘッドライトは特徴的な4眼式。縦方向に入れられたデイタイム・ドライビングライトに、イルミネーション付き「BMWキドニーグリル」を組み合わせた。オプションの「アダプティブLEDヘッドライト」は、グレアフリー・ハイビームアシスト機能付き「BMWセレクティブビーム」が含まれる。ヘッドライトハウジングの内側にブラック・トリムを施した「Mシャドー・ライン・ライト」もオプションとして選ぶことが可能だ。

シャークノーズからインスパイアされ、大型化された「BMWキドニーグリル」は、グリルを大きく前方へと突き出した最新BMWデザインを採り入れた。セダンらしい典型的な3ボックスデザインは、ロングノーズと切り立ったAピラーからリヤへと緩やかに流れるルーフラインを経て、わずかにヒップラインが傾斜したトランクへとつながる。フラットなテールライトは、BMWの特徴であるL字型を、細い4つのLEDストリップで表現した。

「ビーガン・インテリア」を標準採用

新型「BMW 5シリーズ セダン」のインテリア。
インテリアは動物由来の素材を排した「ビーガン・インテリア」を標準採用。オプションでリアルレザーの「メリノ・レザー・シート」を選ぶこともできる。

新型5シリーズ セダンは、ロングホイールベースによるゆったりとしたスペース、高品質かつ持続可能性を持ったマテリアル、最新のデジタルデバイスなどにより、ビジネスユースにも対応する上質な室内を実現した。

インストゥルメントパネルとドアエリアには、7シリーズから導入された「BMWインタラクションバー」をオプションとして新たに採用。センターコンソールのコントロールパネルには、新形状のギヤセレクタースイッチが配置された。先代モデルから大幅に拡充された標準装備と、新たに設定されたオプションにより、快適性と個性をより高い次元で両立している。

12.3インチ・コクピット・ディスプレイは、新グラフィックと最適化されたタッチ操作を備え、最新の「iDrive 8.5」へとアップデート。14.9インチ・センタースクリーンと組み合わせて、ひとつの「BMWカーブドディスプレイ」を構成する。分かりやすいスタート画面とシンプルで直感的なタッチ操作を備えており、ドライバーフレンドリーなコクピットを実現した。

BMWとしては初めて動物由来の素材を排した「ビーガン・インテリア」を標準採用。シートだけでなく、ダッシュボード、ドアパネル、ステアリングホイールなどに、レザーに似た特性を持つ「ヴェガンザ(Veganza)」仕上げが導入された。また、オプションとして豊富なカラーバリエーションを展開する「BMWインディビジュアル メリノ・レザーシート」を選ぶこともできる。

ラゲッジ容量はプラグインハイブリッドを含む内燃機関モデルが520リットル。電動ドライブユニットがリヤアクスルに搭載された「i5 セダン」も490リットルと十分な容量が確保されている。

BEVを含む豊富なパワートレインを導入

新型「BMW 5シリーズ セダン」の走行シーン。
5シリーズ初のフル電動モデル「i5」を筆頭に、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドと豊富なパワートレインは健在。PHEVモデルは2024年春から導入される予定だ。

搭載されるパワートレインは、フル電動モデル「i5 eDrive40」は、第5世代「BMW eDrive」をリヤアクスルに搭載し、最高出力344PSと最大トルク430Nmを発揮。0-100km/h加速は6.0秒、最高速度は電子リミッターにより193km/hに制限される。最大航続距離は582km(WLTP、以下同)が確保された。

ハイパフォーマンス・フル電動モデルの「i5 M60 xDrive」は、第5世代「BMW eDrive」を前後アクスルに搭載する全輪駆動で、最高出力609PS・最大トルク820Nmを発揮。0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は230km/hと、スポーツカーにも互するパフォーマンスが与えられた。最大航続距離は516kmとなる。

81.2kWhの容量を持つ高効率バッテリーセルは、居住スペースに干渉することなくi5のアンダーボディにフラットに搭載。コンバインド・チャージング・ユニット(CCU)を導入し、様々な充電システムに対応する。急速充電ステーションを使用することで、バッテリー充電レベル10%の状態から、10分以内で最大156kmまで航続距離を伸ばすことができる。

2.0リッター直列4気筒ガソリンエンジンに、48Vマイルドハイブリッドが組み合わせられた「520i」は、最高出力192 PS、最大トルク310Nmを発揮。2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドの「520d」は、最高出力199 PS、最大トルク400Nmというスペックが与えられた。

高効率プラグインハイブリッド・システムが搭載される「530e(2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ)」と「550e(3.0リッター直列6気筒ガソリンターボ)」は2023年春に導入される予定だ。

新型メルセデス・ベンツEクラスとBMW5シリーズ。比較対象はディーゼルエンジン搭載モデルのAWD仕様をピックアップした。※写真のEクラスはディーゼルグレードではありません。

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ゲンロクWeb編集部

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