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Alpine A110 E-ternite
カーボンファイバーの代わりにリネンを使用
このプロトタイプには、ボンネット、ルーフ、リヤウインドウ、シートシェルなどにリネンが使用されている。自然素材であると同時に、製造工程におけるエネルギーの使用量がカーボンファイバーなどの素材に比べて少ないため、脱炭素化に貢献できるという。アルピーヌ・ブランド発祥の地で、A110の生産拠点でもあるノルマンディー地方ディエップ近郊で調達されるリネンを使用している。
自動車部品となる亜麻
3月から4月に種まきが行われる亜麻は、夏の初めに収穫される。9月中旬までの乾燥工程を経て、繊維の取り出し作業が行われる。糸に加工された後、紡績工場で織物となりアルピーヌの工場に送られる。
パリの南西レ・ジュリス(Les Ulis)のアルピーヌ・ラボで綿糸と組み合わせ、リネン95%・コットン5%の生地に作り替えられる。その後、エポキシ樹脂に浸すことでリネン80%・樹脂20%の素材となる。型に入れ真空処理が加えられた後は、一つひとつが手作業でパーツに仕上げられる。将来的には、エポキシ樹脂も自然由来のものに切り替えて、完全な脱酸素を目指しているとアルピーヌは言う。
今後の課題は軽量化
A110 エテルニテには重さ392kgのバッテリーが搭載されている。このプロトタイプは1.8リッター直4エンジン搭載モデルよりも258kg重い1378kgとなる。一般的なA110に使用されているアルミ製のボンネットは6.9kgだが、A110 Rのカーボン製ボンネットは軽量な3.98kg。今のところ、リネンで作られたパーツの重量は、カーボン製の同等品よりも20%ほど重いという。
アルピーヌでは、コンポジットに関するノウハウを活用して多くの機能を統合し、部品点数を減らすことで重量の問題を解消できるとしている。将来、リネン製のパーツがハイパフォーマンスモデルのアイコンになる日がやって来るかもしれない。