現在も続く「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」ストーリー

マクラーレンとメルセデス・ベンツの関係は不滅!?「SLR マクラーレン」デビュー20周年イベント実施

マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
2023年9月、メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンが、2003年のフランクフルト・モーターショーでのワールドプレミアから20周年を迎えることを受け、マクラーレン・オートモーティブは、英国・ウォーキングにあるマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で記念イベントを開催した。

Mercedes-Benz SLR McLaren

4台の貴重な SLR マクラーレンが集結

マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
マクラーレン・テクノロジー・センターで行われた記念イベントには、4台のメルセデス・ベンツ SLR マクラーレンが集結。また、国際的オーナーズグループ「SLRクラブ」も会場に訪れた。

F1参戦によって結ばれた、メルセデス・ベンツとマクラーレンのコラボレーションから生まれたスーパーGT「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」は、ある意味で現在のマクラーレン・オートモーティブの第1章にあたる1台だ。今回、マクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)で行われた記念イベントでは、メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンの実車だけでなく、開発に携わった人々の功績も称えている。

今回、MTCには「SLR スターリング・モス」「SLR by MSO」「SLR HDK」「SLR 722 GT プロトタイプ」という貴重な4台を展示。メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンの国際的オーナーズグループ「SLRクラブ」もMTCを訪れ、プロジェクトに携わったマクラーレンのメンバーと邂逅を果たしている。

F1でのタッグから生まれた市販プロジェクト

マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
1995年から2009年まで、マクラーレンにエンジンを供給していたメルセデス・ベンツ。このコラボレーションから生まれた市販プロジェクトが「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」だった。

メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンのプロジェクトは、シルバーストーンで開催された1999年のイギリスGPで発表。マクラーレンがメルセデス・ベンツと提携し、その年のデトロイト・オートショーで披露されたメルセデス・ベンツ SLR ビジョンのコンセプトを、本格的な市販モデルとして発売することが明らかにされた。

マクラーレンとメルセデス・ベンツは1995年から2009年までF1のパートナーであり、その間にマクラーレンは4度のF1世界選手権タイトルを獲得(1998年にコンストラクターズチャンピオン、1998年、1999年、2008年にドライバーズチャンピオン)。マクラーレンが持つシャシー開発とカーボンファイバー技術に、メルセデスAMG製エンジンという強力な組み合わせが、市販モデルとして現実化することになったのである。

最初のプロトタイプは、F1で活躍したマクラーレンのメカニックたちによって製作。彼らはその後、自動車エンジニアたちとともに中核となるチームを結成し、当時オープンしたばかりのMTCにおいてハンドメイドで生産を開始した。メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンは2004年夏にカスタマーへのデリバリーが開始され、全バージョン合わせて2000台以上が生産されたという。

最高出力626PSを発揮する5.5リッターV8エンジンを搭載

パワーユニットは、最高出力626PSを発揮するメルセデスAMGが開発した5.5リッターV型8気筒スーパーチャージャーが、フロントミッドに搭載された。
パワーユニットは、最高出力626PSを発揮するメルセデスAMGが開発した5.5リッターV型8気筒スーパーチャージャーが、フロントミッドに搭載された。

スタイリングは、メルセデスからのリクエストを受け、ビジョン SLR コンセプトで表現されたデザインに可能な限り近づけられることになった。F1マシンやマクラーレン F1 ロードカーで培われたカーボンファイバー・コンポジットに関する専門知識を活用し、コンセプトカーと変わらないエクステリアが完成した。

メルセデスAMGが開発した5.5リッターV型8気筒スーパーチャージャーがフロントミッドに搭載され、最高出力626PS、最大トルク780Nmを発揮。5速ATを介して後輪を駆動し、0-100km/h加速3.8秒、最高速度334km/hという、当時のライバルを圧倒する性能を実現している。

生産終了後10年目に発表された「SLR by MSO」

マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンの生産終了後も、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)はアップデートプログラムの開発を続けており、2019年には「SLR by MSO(写真手前)」を投入した。

生産は2009年12月に終了したが、マクラーレンとメルセデス・ベンツ SLR マクラーレンの関係はこれで終わったわけではなかった。2010年、新たに設立されたマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)は、SLRオーナーから寄せられた貴重なフィードバックを活かし、メルセデス・ベンツ SLR マクラーレンの改良パッケージ「マクラーレン エディション SLR」を発表する。

「マクラーレン エディション SLR」は、わずか25台を限定製造。大型フロントスプリッター、新形状のサイドインテーク、大型リヤウイング、リヤディフューザーなどが導入されている。

MSOはその後もさらに改良を加え、2019年にMSOは「SLR by MSO」を発表。生産終了後10年間にオーナーから寄せられた要望に基づき、新たなアップグレード・プログラムをリリースした。「SLR by MSO」では新形状のエアロダイナミクスパッケージに、軽量化対策、特別なキルティングレザーを採用したインテリアなど、様々なアップグレードが実施された。

12台が限定製造された「SLR HDK」

マクラーレン・オートモーティブは、「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」のデビュー20周年を記念し、4台の貴重な車両がMTCに集結した。
MSOは、サーキット走行仕様の722GTをモチーフに、ボディワークを大幅に変更を施した「SLR ハイダウンフォースキット(HDK)」を導入した。

2023年5月、MSOは「SLR ハイ・ダウンフォース・キット(HDK)」のデリバリーを完了した。この車両は、サーキット走行仕様の722GTをモチーフに、ボディワークを大幅に変更を施した仕様となる。

フロントとリヤのトレッドを60mm拡大し、フレアタイプのホイールアーチを持つワイドボディキット、マクラーレン F1 GTRからインスパイアされた大型リヤウイングを採用したことで、さらに迫力のあるスタイルを手にした。

重量はさらに軽量化され、車体両サイドの大きなシングルエグジットを特徴とするエキゾーストシステムからサイレンサーが取り除かれ、排気量が増加。MSOは12台のSLR HDKを生産し、既にすべてがソールドアウトしている。

マクラーレン・スーパーシリーズの特徴でもあるディヘドラルウイングドア。MP4-12Cも採用している。

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クルマの流行廃りにあわせて大きく動く中古車市場。もしも中古車ライフを送るなら、その波を正確に捉えてお得な買い物をしたいものだ。そんな時代の羅針盤たるべく、西川淳が「今」買いのクルマを紹介する。第12回はマクラーレン・オートモーティブのデビュー作「MP4-12C」だ。

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