メルセデスが提案する両側スライドドアの3列シートEV、EQTとは?

メルセデス・ベンツ、電気で走る高級ミニバン「コンセプト EQT」を発表。2022年に発売へ【IAAモビリティ レポート】

メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのフロントビュー
メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのフロントビュー。
メルセデス・ベンツは2021年9月7〜12日に開催した「IAAモビリティ 2021」で、EVミニバンのスタディモデル「コンセプト EQT」を公開した。メルセデスはロングセラーモデル、Vクラスの弟分的存在となる「Tクラス」の投入を予定しているが、EQTはそのフルEVバージョンとなる。電気で走る3列シート7人乗り高級ミニバンという、ありそうでなかったモデルが誕生する。

Mercedes-Benz Concept EQT

Vクラスの弟分、「Tクラス」が登場!

メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのリヤビュー
メルセデス・ベンツが2021年9月7〜12日に開催された「IAAモビリティ 2021」に出展したコンセプト EQT。Vクラスの弟分、「Tクラス」のピュアEVバージョンを想定したコンセプトモデルだ。

メルセデス・ベンツは2021年の「IAA ビリティ」で、電気自動車のEQファミリーを前面に押し出してアピールした。GLB、Eクラス、Sクラス、Gクラス、そしてマイバッハSUVといった主要モデルを、それぞれEQB、EQE、EQS、EQG、マイバッハEQSとしてピュアEV化。小型SUVからセダン、本格派オフローダーまで、全方位を電気でカバーしていく姿勢を明らかにした。

なかでも注目したいのが、スタディモデルの「コンセプト EQT」。メルセデス・ベンツが投入を予告しているVクラスの弟分、TクラスのピュアEVバージョンだ。SUV隆盛の昨今だが、ボクシーでルーミーなミニバンというスタイルの需要は法人・個人ともに依然として根強い。しかもEQTは都心部でメルセデスらしいプレミアム性も手伝って、ハイヤーなどショーファーとしての利用もおおいに見込むことができそうだ。

3列目シートもフルサイズの独立式

メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのコクピット
メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのコクピット。今回出展したのはあくまでコンセプトカーながら、量産に近い姿となっているという。

コンセプト EQTは、3列シートを備えた7人乗りコンパクトミニバン。ボディサイズは全長4945×全幅1863×全高1826mmとVクラスに近く、大開口の両側スライドドアを装備する。Vクラス同様、3列目シートにもフルサイズの独立式シートを搭載(フォールディングはもちろん、脱着も可能)。2列目にはチャイルドシートを3つ並べて設置することもできる。

前後、横ともにグラスエリアが広大で、かつルーフにもパノラミックグラスを設置するなど、キャビンは明るくとても開放的。「ハイ、メルセデス」でお馴染みのAIアシスタントを搭載した最新の車載インフォテインメントMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)ももちろん採用。音声をはじめ、ステアリングホイールのタッチコントロール、タッチパネルなど様々な入力オーダーに対応する。専用アプリと連携すれば、充電ステーション検索や充電レベルに応じた最適ルート探索といった、EV専用ナビゲーション機能をフル活用することができる。

電動スケートボードを“標準装備”

メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのラゲージルーム
メルセデス・ベンツ コンセプト EQTのラゲッジルーム。荷室フロアには専用の電動スケートボードを格納している。

また、コンセプトモデルならではの遊び心といえるのが、荷室に“標準装備”した電動スケートボード。アルミニウム製のスケートボードは、プレキシガラス(アクリル樹脂製の透明な板材)とアルミニウムを組み合わせたフレームにより、荷室フロア部分にぴたりと格納できるようになっている。

メルセデス・ベンツは、2022年にTクラスの市場導入を予定している。

PHOTO/山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…