2023年クルマ好きのモータージャーナリストは何を買ったか?「大谷達也編」

【2023年に買った逸品】サーキットの練習用に「マツダ ロードスター」を選んだ理由

知人から譲ってもらったマツダ ロードスター NR-A。7年落ちの中古だ。
知人から譲ってもらったマツダ ロードスター NR-A。7年落ちの中古だ。
まもなく終わりをつげる2023年。コロナ禍を経て、ライフスタイルが変わった人もいれば、すっかり元に戻った人もいる。コロナ禍で目覚めたサーキット趣味が到達した地平はどこか? 大谷達也がゆく年2023年を振り返る。

7年落ちのマツダ ロードスターを購入

純粋にサーキットでの練習用として購入。当然通うのは聖地・筑波サーキットだ。

読者の皆さんにクルマの魅力をお伝えする役割の自動車ライターを生業としていながら、物欲は決して強いほうではない私。昨年、普段の足として1年落ちの「アウディ A4アヴァント」を購入しましたが、それまで乗っていた「フォルクスワーゲン アップ!」はほぼ10年10万kmにわたって乗り続けたという、物持ちの良さが自慢のひとつでもあります。

そんな私が今年買ったのは「マツダ ロードスター」。いわゆる現行型のNDですが、またしても7年落ちの中古を知人から譲っていただきました。グレードはNR-Aです。

このクルマを購入した理由は明快で、純粋にサーキットでの練習用です。「え、オオタニさんって、たしか同じ目的で3年前にAE86を買ったんじゃなかったですか?」と言ってくださる方が、私の業界以外に何人いらっしゃるかは想像もつきませんが、まさにそのとおりで、私はコロナ禍が始まったばかりの頃に、サーキット練習用としてAE86を手に入れました。そして、そのクルマはいまも所有していて、年に何度かこれで筑波を走っております。

では、なぜこれに追加する形で、ロードスターを手に入れたのでしょうか? わー、これ、ここに書くのはかなり恥ずかしいなあ。でも、ここまで書いちゃったから、しょうがない。正直にご説明します。

メディア対抗4時間耐久レースにエントリーしたが……

毎年9月にマツダがメディア対抗4時間耐久レースを筑波サーキットで開催していることをご存知の方もいらっしゃるでしょう。もう30年以上も続いているイベントですが、私は2022年までに合計4回、出場させていただきました。つまり、7年に一度くらい。七夕様よりもかなり低い確率(?)ですが、実際にも、それくらいのインターバルで出場してきたように記憶しています。

この間、ロードスターはNA、NB、NC、NDとモデルチェンジ。つまり、私は平均すると1世代に1回くらいのペースで出場してきたことになります。そして、こんなことではクルマのキャラクターなんか身につくはずもありません。

ましてマツダのメディア対抗レースは燃費規制が次第に厳しくなっていて、改正されゆくレギュレーションにあわせた燃費走行が求められるのですが、7年に1度ではそれを身体に染み込ませることもままなりません。

……というのは、いずれも言い訳に過ぎませんが、それでも久しぶりに出場した2022年は、ペースは大して速くなくても燃費が驚くほどよかったそうで、チームの7位入賞に貢献できました。そして、この点をご評価いただいて、2023年も同じチームからエントリーさせていただくことになりました。

リベンジを果たすべく筑波サーキットで練習を

レース本番のクルマに近い環境で練習を重ねるのが理想だ。
レース本番のクルマに近い環境で練習を重ねるのが理想だ。

2年連続の参戦は私にとっても初めて。おまけに、AE86で練習していたから、それまでに比べれば自分のドライビングに多少の自信を持っていたのも事実です。いっぽうで「2年目なんだから、いいところを見せなきゃ」という欲目が出てきたのも確か。そんなこんなのいろいろな事情が絡み合って、私は自分の担当スティント中にスピン。結果的にはオフィシャルにレスキューしていただいてレースは完走できたものの、チームには多大な迷惑をかけてしまったのです。

もう、ここまで書けば、私がロードスターを手に入れた理由を説明するまでもありませんね。自分のロードスターに乗って、筑波サーキットで練習を積み、リベンジを果たそうとしているのです。それだけのためにクルマを1台買うなんてなんとも贅沢な話ですが、2024年も私を誘うと言ってくれているチームのためにも、自分ができることはすべてやっておこうという覚悟なのです。

……という原稿を書いている途中で、明後日に筑波サーキットで初走行を予定していたことを思いだし、あわてて今、ネット経由で走行枠を予約しました(笑)。果たして、こうした私の努力(悪あがき?)がどんな成果を生み出すのか、もしかしたら1年後のこのコラムでご報告できるかもしれませんので、それまでどうかお楽しみに!

マツダのアイコン的存在と言える2シーターオープン「ロードスター(ソフトトップモデル)」「ロードスターRF(リトラクタブルハードトップモデル)」の2024年新型改良モデルが発表された。

世界的ベストセラー「マツダ ロードスター」の4代目の改良新型デビュー「ついにACC搭載だが付かないグレードも」

2シーターオープン「マツダ ロードスター(ソフトトップモデル)」「マツダ ロードスターRF(リトラクタブルハードトップモデル)」の2024年新型改良モデルが発表された。「人馬一体の走り」を標榜する世界的ベストセラーの4代目モデルを、さらに進化させた。

キーワードで検索する

著者プロフィール

大谷達也 近影

大谷達也

大学卒業後、電機メーカーの研究所にエンジニアとして勤務。1990年に自動車雑誌「CAR GRAPHIC」の編集部員…