【2025年度】お盆期間と渋滞傾向の全体像
2025年のお盆期間は、一般的に「8月7日(木)〜8月17日(日)」とされている。この期間は企業や学校の夏季休暇と重なり、全国的に高速道路の交通量が大幅に増加する傾向にある。
東日本高速道路(NEXCO東日本)および中日本高速道路(NEXCO中日本)の発表によれば、2025年のお盆期間中、10km以上の渋滞が上下線合わせて約479回発生する見込みだ。これは、台風や大雨の影響で交通量がやや抑えられた2024年と比較して、明らかに渋滞の回数が増加する結果となっている。
とりわけ注意が必要なのは、帰省ラッシュやUターンラッシュが集中する日程である。次章では、具体的な混雑ピーク日について詳しく見ていく。
渋滞のピーク予測

2025年のお盆期間中、高速道路で特に渋滞が激しくなるのは「下り線では8月9日(土)・10日(日)」「上り線では8月11日(月・祝)、15日(金)、16日(土)」と予測されている。
下り線の混雑ピーク
- 8月9日(土)
- 8月10日(日)
この2日間は、東京方面から地方へ帰省する車や観光目的の行楽客が集中するため、各地で朝から夕方にかけて長時間の渋滞が発生する可能性が高い。
特に午前6時〜正午頃は混雑のピークとなることが多く、出発時刻の調整が渋滞回避の鍵となる。
上り線の混雑ピーク
- 8月11日(月・祝)
- 8月15日(金)
- 8月16日(土)
Uターンラッシュが本格化するのがこの期間だ。祝日を含む8月11日と、お盆休み終盤の15日・16日は、都市部へ戻る車両が一斉に移動するタイミングであり、午後から夜にかけて断続的な渋滞が予想される。
地域別の渋滞予測と注意点
関東圏では、上下線合計で182回の10km以上の渋滞が予測されている。特に影響が大きいとされるのは、以下の主要路線だ。
- 東北自動車道
- 関越自動車道
- 中央自動車道
- 東名高速道路
これらの路線は、地方への帰省ルートや人気の観光地を結ぶ幹線であるため、渋滞の頻度・長さともに例年通り高い傾向にある。また、圏央道や東関東自動車道など、バイパス的に利用される路線も一時的に混雑する可能性があるため注意が必要だ。
加えて、首都高速道路についても、お盆休み後半に向けて交通量の増加を見込んでいる。湾岸線や中央環状線など、都心部の主要路線では断続的な渋滞が生じやすく、ナビやVICSによる最新情報の取得が欠かせない。
渋滞を避けるためのポイント

お盆期間中の渋滞を完全に回避することは難しいが、工夫を取り入れることで、移動時のストレスを大きく軽減できる。
渋滞のピークとなる時間帯を避けて、早朝または深夜に出発することが有効だ。多くの車両が動き出す前に移動を開始すれば、比較的スムーズな走行が期待できる。
高速道路各社が提供している交通情報サービス(ドラぷら、JARTICなど)を活用すれば、混雑状況を事前に把握できる。渋滞の長さや発生箇所を把握したうえでルートを選択することが望ましい。
渋滞中の不要なブレーキや急な車線変更は、さらなる混雑を招く要因となる。前方との車間を十分に取り、加減速の少ない安定した運転を心がけたい。
渋滞時の小刻みな車線変更は、周囲のドライバーにも影響を与え、結果として流れの悪化を引き起こす。周囲との協調が、渋滞緩和の第一歩となる。
安全運転と快適なドライブのために

お盆時期の長距離移動では、ドライバーと同乗者の安全を確保することが何よりも重要である。長時間の運転は集中力の低下を招く。2時間に一度を目安にサービスエリアやパーキングエリアで休憩をとり、身体をほぐすことが推奨される。
高速道路走行中の事故は重大な結果を招きやすい。後部座席を含め、全員がシートベルトを着用することが義務であり、安全確保の基本である。
高速道路では、渋滞の最後尾での追突事故が多発している。前方に渋滞の気配がある場合は早めに減速し、ハザードランプで後続車に注意を促すことが重要だ。
お盆期間中の高速道路利用に関する注意事項
お盆期間中は、通常とは異なる運用がなされるため、事前の確認が必要不可欠だ。とくに料金制度や割引サービスについて注意しておきたい。
2025年の8月10日(日)から8月17日(日)までの期間は、ETCの休日割引制度が適用されない。この制度は、通常であれば土日祝日に高速料金が約30%割引になるが、お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどの特定期間は対象外となっている。料金を見誤ると、想定外の出費につながるため、出発前に料金シミュレーションを行っておくことが望ましい。
また、観光地を周遊するドライバーに人気の「高速道路周遊パス」も、8月7日(木)〜17日(日)の期間は販売が一時停止される。これは交通集中を抑える目的による措置であり、パスの利用を前提に旅程を組んでいる場合は、別途ルートの見直しや予算調整が必要となる。
このような一時的な制限は、渋滞緩和と交通の安全確保を目的とした措置であるため、ルールを理解したうえで計画を立てたい。
渋滞情報を確認できるおすすめサイト
高速道路を利用するうえで、リアルタイムの交通情報を把握することは欠かせない。以下のサイトでは、混雑状況、通行止め、事故情報などが随時更新されており、出発前・走行中ともに有益である。
- ドラぷら(NEXCO東日本)
NEXCO東日本が提供する公式ポータルサイト。渋滞予測や通行止め、サービスエリアの混雑情報も確認可能。 - NEXCO中日本
中部地方から関西方面にかけての交通情報に強みがある。地図表示も直感的で使いやすい。 - NEXCO西日本
西日本エリアの高速道路情報を提供。災害時の対応情報なども詳しい。 - JARTIC(日本道路交通情報センター)
全国の主要道路情報を網羅的に掲載しており、出発前の渋滞傾向確認に適している。
これらのサービスをスマートフォンにブックマークしておけば、移動中の経路変更にも柔軟に対応できるだろう。ただし、これらの情報はあくまでも提供時点での状況を反映したものであり、すべての道路に関する情報が網羅されているわけではない。実際の走行に際しては、現地の道路標識や係員の指示に必ず従うことが必要である。
お盆渋滞を回避して快適な移動を
2025年のお盆期間は、例年以上に交通量が増加し、全国の高速道路で大規模な渋滞が発生する見込みである。とくに下り線の混雑は8月9日・10日、上り線は11日・15日・16日がピークとなる。これらのタイミングを避けるだけでも、移動の負担を大きく軽減することができるだろう。
渋滞に巻き込まれた場合でも、落ち着いて行動することが重要だ。リアルタイムの交通情報を活用し、無理のないルート選択とこまめな休憩を心がけることで、安全かつ快適なドライブが可能となる。
また、お盆期間中はETC休日割引の適用除外や周遊パスの販売制限など、通常とは異なる運用がある点にも注意したい。事前の情報収集と計画的な行動が、移動中のトラブルを防ぐ最大の対策である。
大切な家族や仲間と過ごす夏のひとときが、移動の疲れによって台無しになってしまわないよう、少しの工夫と準備で、旅路をより良いものにしてほしい。