2025年10月軽自動車販売台数トップ10
2025年10月の軽自動車販売台数のトップ10は以下のとおりだ。
| 順位 | メーカー・モデル | 販売台数 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ダイハツ・ムーヴ | 16,015台 | 308.3% |
| 2位 | スズキ・スペーシア | 14,420台 | 101.3% |
| 3位 | ダイハツ・タント | 14,244台 | 134.3% |
| 4位 | ホンダ・N-BOX | 12,784台 | 76% |
| 5位 | スズキ・ハスラー | 7,103台 | 91.5% |
| 6位 | スズキ・ワゴンR | 6,139台 | 101.1% |
| 7位 | ダイハツ・ミラ | 5,536台 | 129.8% |
| 8位 | 日産・ルークス | 5,413台 | 110.1% |
| 9位 | ダイハツ・タフト | 4,914台 | 72% |
| 10位 | スズキ・アルト | 4,527台 | 84.6% |
ムーヴが1位を獲得したことは、軽市場における大きな変化を示している。前年同月比300%超という伸びは、フルモデルチェンジ直後のモデル投入や仕様刷新が功を奏したことを如実に物語っている。
従来、軽自動車市場では ホンダ・N‑BOX が長年トップに君臨してきたが、今回4位へと後退。ムーヴは新世代の軽トレンドを象徴するモデルとして、市場の“変化の波”を捉えた形だ。
スペーシア(2位)は前年比100%超と安定しており、継続的な人気維持が功を奏している。一方、タント(3位)は134%という高い伸び率を示しており、仕様変更または販売強化の効果が数字に反映されている。
軽自動車市場では、モデルごとの刷新タイミング・販促施策・仕様差異が台数の増減に直結しており、ムーヴ・タント両モデルのような「変化を伴う投入」が結果を出していることが読み取れる。
5位以下をみると、ハスラー(5位)やワゴンR(6位)は前年比ほぼ90〜100%台と堅調ながら伸び悩み。一方でミラ(7位)は129.8%と大きく伸びており、ニッチモデルの需要回復と仕様投入の成果がうかがえる。
また、9位のタフト(4,914台)や10位のアルト(4,527台)といったモデルは前年比70〜80%台にとどまっており、“モデルアップデートのタイミング”もしくは“競争力維持”が問われる局面にある。
N-BOXの後退と市場シフトの兆し

N-BOXは12,784台を販売し、前年同月比76.0%と大きく減少した。この数字は、軽自動車のトップモデルであっても、継続的な革新やリニューアルを伴わなければ地位を維持することが難しい時代に入ったことを示している。
長年首位を守ってきた人気モデルであっても、競合が新型車を投入すれば、順位は瞬く間に入れ替わる。つまり、ユーザーの関心は“定番”よりも“新しさ”へと移りつつあるのだ。
かつて軽自動車は「低価格」「維持費の安さ」といった経済性が最大の魅力とされていた。しかし現在ではそれに加えて、デザイン性・居住性・安全性・先進機能といった要素も重視されている。
すなわち、軽市場でも「ただ人気だから売れる」という時代は終わり、「個性」「装備」「価値訴求」の差が販売を左右するフェーズへと移行している。
