2025年の年間普通自動車販売台数トップ10

【2025年】普通自動車販売台数で1位に輝いた、トヨタ・ヤリス
順位メーカー・モデル年間販売台数前年比
1位トヨタ・ヤリス166,533台100.2%
2位トヨタ・カローラ138,829台83.2%
3位トヨタ・シエンタ106,558台95.9%
4位トヨタ・ライズ100,851台196.9%
5位トヨタ・ルーミー95,221台140.7%
6位ホンダ・フリード90,437台105.9%
7位トヨタ・アルファード86,959台109.6%
8位トヨタ・ノア80,065台113.4%
9位トヨタ・ヴォクシー78,760台111.5%
10位日産・ノート78,123台76.8%

首位ヤリスが示した「コンパクトカーの完成形」

首位となったトヨタ・ヤリスは、2025年も前年とほぼ同じ水準の販売台数を維持し、年間を通じて安定した強さを見せた。

コンパクトな車体サイズに加え、優れた燃費性能、充実した安全装備、そして手の届きやすい価格帯。これらの要素がバランスよくまとまっており、通勤や買い物といった日常使いから家族での利用まで幅広く対応できる。特定の用途に偏らない「使いやすさ」が、多くのユーザーに選ばれ続けた理由だろう。

ヤリスの強さは一時的なブームによるものではない。「迷ったらヤリスを選んでおけば大きな失敗はない」という安心感が市場に定着し、その信頼の積み重ねが年間首位という結果につながった。

カローラ、シエンタが支えるトヨタの盤石な中核

2位のトヨタ・カローラは、年間販売台数138,829台と引き続き高い水準を維持した。前年と比べると83.2%とやや落ち着いたものの、依然としてトップクラスの販売台数を確保している。

セダン、ツーリング、スポーツといった複数のボディタイプを展開し、用途や年齢層に応じた選択肢を用意していることがカローラの強みだ。

3位のトヨタ・シエンタは年間106,558台を販売し、コンパクトミニバンとして確固たる地位を築いた。取り回しの良いサイズ感とスライドドアを備えた実用的な室内空間を両立しており、子育て世代を中心に高い支持を集めている。

大型ミニバンほどの大きさは必要ないが、軽自動車では物足りない。そうしたニーズを的確に捉えたパッケージが、年間を通じた安定販売につながった。カローラと並び、シエンタはトヨタの販売を下支えする中核モデルのひとつと言える。

ライズ・ルーミーが示す「実用重視」へのシフト

4位のトヨタ・ライズは年間100,851台を販売し、前年比196.9%と大きく伸長した。コンパクトな車体にSUVらしいデザインを組み合わせ、価格も比較的抑えられている点が幅広い層に受け入れられた。

都市部での使いやすさと、ちょっとしたレジャーにも対応できる汎用性が好調な販売を支えた。

5位のトヨタ・ルーミーも年間95,221台と高い実績を残し、前年比で大幅なプラスとなった。スライドドアを備えたコンパクトトールワゴンとして、日常の使い勝手を重視する層から根強い支持を集めている。

ライズとルーミーに共通しているのは、「大きすぎないサイズ感」「手の届きやすい価格」「毎日の生活で扱いやすい」という明確な価値軸だ。高級感や過剰な装備よりも、実用性を重視する選択が広がっている。

フリードが唯一割り込んだホンダ勢

トップ10の中でトヨタ車が大半を占めるなか、他メーカーから6位に入ったのがホンダ・フリードである。年間販売台数は90,437台、前年比105.9%と堅調に推移した。

フリードはコンパクトなボディサイズでありながら、ミニバンとして必要十分な室内空間と使い勝手を備えている。狭い道路や駐車場でも扱いやすく、家族利用にも対応できるバランスの良さが評価された。

トヨタ勢が強い市場環境の中でも、「ちょうどいいミニバン」という独自の立ち位置を確立したモデルと言える。

高級ミニバンと定番ミドルクラスも安定推移

7位のアルファード、8位のノア、9位のヴォクシーはいずれも前年を上回る販売実績となり、ミニバン市場の底堅さを示した。

とくにアルファードは高価格帯ながら年間で8万台を超え、日本市場において「高くても満足度の高いミニバン」を求める層が一定数存在することを示した。送迎や家族利用に加え、上質さや快適性を重視するニーズが継続的な支持につながっている。

一方、ノアとヴォクシーは価格・サイズ・使い勝手のバランスが取れたミドルクラスミニバンとして定番の地位を維持した。

日産・ノートは10位に踏みとどまる

10位の日産・ノートは年間78,123台でトップ10を維持したものの、前年比76.8%と大きく落ち込み、厳しい一年だった。

ハイブリッド技術「e-POWER」という強みはあるものの、コンパクトカー市場の競争激化により存在感の維持が難しくなっている。それでもトップ10圏内を守った点は評価でき、一定の固定ファンに支えられていることも事実だ。

2025年に選ばれたモデルは「無理のない一台」

2025年の年間販売データから浮かび上がるのは、「大きさ」や「派手さ」よりも「無理なく使えること」が重視される市場へ成熟が進んだという事実である。

上位にはコンパクトカー、小型SUV、取り回しの良いミニバンが並び、日本の道路環境や駐車事情に適した車選びがより明確な基準として定着した。

トヨタが圧倒的なシェアを維持する一方で、ホンダ・フリードや日産・ノートのように用途が明確なモデルもトップ10に残った。「何に使う車なのか」が伝わるモデルが選ばれる構図が、数字として表れた一年だった。

2026年以降は電動化や安全技術の進化が進む一方で、「大きすぎず、小さすぎない」「日常にちょうどいい」という価値をめぐる競争がいっそう激しくなるだろう。普通自動車市場は、性能や価格だけでなく、生活との相性がより厳しく問われる段階へ入っていく。