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NGKブースでアクセルペダル踏み間違い事故を防止する「アイアクセル」を体験
「東京オートサロン2023」に出展されていた日本特殊陶業「NGKスパークプラグ」ブースでは、NGKスパークプラグの紹介や、スーパーGT GT500クラスに参戦の「リアライズコーポレーション ADVAN Z」の車両展示など、東京オートサロンならではのブース展示で多くの来場者を集めていた。なかでも注目なのは、アクセルペダル踏み間違い事故を防止する「アイアクセル」を体験できる試乗デモ機がブースである。さっそく、体験してみた。
なぜ、「アイアクセル」に注目が集まっているのか?
アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故は、年間約7,000件発生していて、その多くは特に75歳以上の高齢者や、運転経験が未熟な24歳以下に偏りがあるという調査結果も出ている。そのような背景もあり国産の新型車に関しては、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の義務化が進められていて、現在発売中の新型車には自動ブレーキの搭載が必須となっている。
だが、街を走る古い年式の車両には先進運転支援システムが未搭載のモデルも多い。そこで、「アイアクセル」は、古い年式の車両への後付けが可能なアクセルペダル踏み間違い時加速抑制装置として注目を浴びているという訳だ。
国土交通省認定品の後付安全運転支援装置である「アイアクセル」は、運転手がブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えた場合、アクセルをキャンセルすると共に自動的にブレーキを緩やかに作動させる。アクセル解除と同時にブレーキも緩やかに作動させることで、他の製品に比べて、安全に車両を減速することができるという特徴をもっている。
アイアクセルは電子制御式、ケーブル式どちらのアクセルにも対応していて、現在乗っている愛車に後付けで取付けが可能だ。また、アイアクセルは機械式の為、雨などの天候や周辺環境に左右されない信頼性をもっている。しかもワンタッチで装置のON/OFFを切り替えることができる。取り付け作業は、アクセルペダルを強く踏み込んでも耐えられるよう認定整備事業者にて行うためトラブルが少ないことも安心だ。
NGKの営業車にはアイアクセルを搭載済み
試乗デモ機に座り、急アクセルのように思いっきりアクセルペダルを踏んでみると、ペダルが一番奥に当たったあたりでアイアクセルが作動し、既存のアクセルペダルにリンクしている部分がリリースされ、アクセル解除の動作に。それと同時にブレーキペダルに添えられた銀色のパーツがブレーキペダルを押し込んでブレーキを掛けるという一連の動作が行われた。特に大きな振動や違和感もなく安全にアクセルが解除された印象だ。
次に、徐々にアクセルペダルを深く踏み込んでみると、かなり踏み込んだ状態でメーターの上に装着された「アイアクセル状態表示機」が、アイアクセルが作動する直前のフルスロットル状態であることをブザーとランプで警告してくれるので、「これ以上アクセルを強く踏んだらアイアクセルが作動する」という状態を目と耳で認識することができる。通常の運転であれば、警告が鳴った段階で自発的にアクセルを緩めるだろうから、かなり効果的な装置といえるだろう。
実際に、アイアクセルの機能を説明してくれたNGKブースのスタッフの話では、いつも業務で使用している営業車にアイアクセルが搭載されていて、1年以上、一般道から高速道路まで走行しているが、通常の運転でアイアクセルが作動したことは無いと体験談を語ったってくれた。
ご家族や身のまわりに高齢のドライバーがいる方は、もしもの時に備えて高齢者が運転する車両に「アイアクセル」の取り付けを検討してみてはいかがだろうか。
新型車への乗り換えという選択もあるが、現在の納車遅れ問題や新車価格が高額なこともあり、新車買い替えは簡単に選択できないということは事実だろう。その点、アイアクセルであれば、現在所有している乗り慣れた愛車に低コストで安全性をプラスすることができるので、コスパの良い選択肢の一つといえるのではないだろうか。
アイアクセルの詳しい情報はNGKスパークプラグ/NTKテクニカルセラミックス製品サイトをチェックしてみよう。