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直列6気筒と直列4気筒をラインナップ
17年ぶりに復活となったスープラは、先代と同じく直列6気筒エンジンを搭載するために、パートナーにBMWを選択し、結果的にZ4と兄弟車になる道を選択。2シーターでの登場となり、ホイールベースは86より100mmも短い2470mmとした。ボディ剛性は の2倍、カーボンが使われたLFAをも上回るというから驚きだ。
エクステリア
ショートホイールベースだと直進安定性の確保が難しくなってくるが、そこに対してはアクティブディファレンシャルで対処する考えで、0-100%まで任意にロック率を変化させることが可能なそれによって安定性も旋回性も確保しているところがポイントだ。
インテリア
エンジンは直列6気筒ターボ以外にも直列4気筒ターボをラインナップ。直6モデルは登場からわずか9ヵ月後の2020年2月に一部改良を行なうことをアナウンスし、同年秋からそれを発売。エキマニ、ピストンなどを変更し、 47psアップの387psを達成した。それと同時にフロントまわりにはブレースが追加され剛性を向上させたほか、サスペンションセッティングも見直しを行なった。また、アクティブディファレンシャルのセッティングも大幅に変更している。さらに 22年になり、当初から開発に着手していたというMTモデルもついにラインナップ。価格帯的に真っ向ライバルとなる日産フェアレディZ対策も万全となった。
2020モデルで飛躍的にドライバビリティをアップ
スープラの走りは、良くも悪くもインパクトが絶大だったことを思い出す。低回転からビッグトルクを生み出して加速を開始。けれども高回転へ向けた滑らかさ際立つ直6エンジンのフィーリングは心地良く、これを求めてBMWに行き着いたというのも頷けるところ。豪快かつ爽快だったのだ。シャシーの仕立てはとにかくシャープであり、初期モデルはコーナーのターンインでとにかく切れのいい応答を示した印象が強烈だった。対して立ち上がり方向にアクセルを入れると、一気に蹴り出していくイメージがあり、、その境目に連続した動きが皆無だったことが扱いにくさにつながった。ターンインではLSDをフリー状態に、アクセルを踏んだらデフロックに近い状態にと、かなり極端な制御だったのだ。
うれしい装備
だが、2020モデルの登場で事態は一転。リニアリティが高くコントローラブルな仕上がりになったところに進化を感じた。BMW Z4的に改められたそれは、パワフルさを増したエンジンを余すことなく使い切ることに成功しており、手の内に収めやすい仕上がりとなったことが好感触に。
ショックの減衰力特性やバンプラバーの形状変更も行ない、有効ストロークをさらに確保したことから、ストリートでも乗り心地が向上したこともポイントのひとつ。最大トルクの発生ポイントも200rpm引き上がったが、乗りやすさは増した。
Country Japan Debut 2019年5月(一部改良:22年7月) 車両本体価格 499万5000円~731万3000円
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.143「2022-2023 スポーツカーのすべて」の再構成です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/143/