ホンダの最新SUVは運転の愉しさが最大の魅力!「ホンダZR-V」【最新国産新型車 車種別解説 HONDA ZR-V】

22年11月に発表された「ホンダZR-V」。視界が広く、車両感覚の把握も容易で、ドライブフィールはダイレクトで正確。他車とは一線を画す個性的なスタイリングも魅力だ。スマートフォンがデジタルキーとなって、ドアロック解錠、システム起動やエアコン作動なども行なえるなど、便利性も強化されている。
REPORT:安藤 眞(本文)/工藤貴宏(写真解説) PHOTO:宮門秀行/中野幸次 MODEL:花乃衣美優

新たな市場を開拓する 上質なSUVモデル

「アメリカではヴェゼルの後継機種として投入され、〝HR-V〞という名前で売っているけれど、中身はむしろCR-Vの後継に近い国産新型車って、な〜んだ?」そんなナゾナゾができてしまいそうなニューカマーがZR-Vだ。ヴェゼルはフィットのプラットフォームをベースとしていたが、ZR-Vはフロントセクションが’21シビック、フロントフロアから後ろが’22CR-V、両者をつなぐダッシュパネルが専用設計というプラットフォームの上に成り立っている。北米では立場上はヴェゼルの後継機種でありながら、血統的には連続性のない〝まったく別のクルマ〞なのだ。

エクステリア

水平基調の安定したスタイルながら、前傾するリヤゲートによって軽快感を表現。前後ともしっかりと扱いやすい高さにあるドアハンドルやリヤドアの大きなウインドウが、デザインで後席を犠牲にしていないことを物語る。最小回転半径は5.5m。

日本市場ではヴェゼルとCR-Vの中間機種として投入されたのかと思ったら、ボディの平面視寸法は、CR-Vより全長が35㎜短く、全幅が15㎜狭いだけ。全高が70㎜低いため、視覚的にはCR-Vより小さく見えるが、平面的には薄皮一枚程度しか違いはない。CR-Vは大きすぎることを理由に2022年8月で日本市場から撤退したことを考えると、二の轍を踏まないかと心配になるが、ひとたび試乗すれば、それが杞憂であることがすぐにわかる。ひとことで言えば、ZR-Vは「ものすごく運転しやすいクルマ」なのだ。

乗降性

理由のひとつは、視界が良いこと。Aピラーが細いのに加え、ドアミラーもドアパネル付けになって、Aピラーの根本と重なる死角がなくなり、小さく左折する際にも見たい場所がきちんと見える。また、フロントグリルが小さいため、ボンネットがスラントしているように錯覚しがちだが、実際には結構前まで高さが維持されており、運転姿勢のままでもプレスラインの位置で6分の5ぐらいまで見える。ボンネットが見切れる長さは従来のホンダ製SUVより約20%長く、可視面積は約10%広いそうだ。

インストルメントパネル

シビックなどと同様に、水平基調の安定したインパネであるのと同時に、圧迫感も少ない印象だ。シンプルなのに咄嗟に必要なスイッチはすぐに触れられるので安心感も高い。

しかもベルトラインがほぼ水平で、車線と並行に見えるように設計されているから、車両感覚の把握も容易。後方への切り上がりもほとんどないのに加え、リヤクォーターウインドウが付いているから、車線変更時や駐車時の直接視界も十分に広い。ドアミラーも底辺が長く、後退駐車時に後輪近くの白線も見やすい。

居住性

パワーユニットはシビックと同じで、1.5ℓターボと2.0ℓハイブリッドの〝e:HEV〞を揃える。前者はハイオク仕様のシビックとは異なり、レギュラーガソリンに対応している。ターボエンジンは低速から力強く、加速時もエンジン回転を上げるより過給圧の上昇を使ってトルクで押し出してくるチューニングなので、大排気量エンジンのような力感がある。e:HEVもエンジンが直噴化され、低回転高負荷域での効率が高まったため、エンジン回転を先走らせることがなく、全開加速時にはステップ変速的にエンジン回転を変化させるなどの演出も行なわれる。

うれしい装備

後席座面が格納時にダイブダウンする構造で、荷室面がほぼフラットにるのは、国産C-Dセグメントとしては唯一の存在。シートポジションが低いからといって、侮れない扱いやすさも魅力なのだ。
センターコンソールは、なんと真ん中が細くなっている。そのために下に置いたものがわかりやすく、取りやすい。
電動テールゲートは全車標準化されているが、キックセンサーによるハンズフリー操作ができるのは「Z」系のみ。
新規デビュー          2022年11月17日
月間登録台数          NO DATA
WLTCモード燃費         22.1km/ℓ ※e:HEV X (FF車)

ラゲッジルーム

ドライブフィールはダイレクトで正確性のある操舵感が持ち味。乗り心地は高ダンピング系でありながら、首に負担がかかるようなピッチやロールが出ることはなく、日常の買い物からロングドライブまでリラックスして乗れる。操舵力は少々大きめだが、慣れればしっかり感が好ましく思えるだろう。ホンダ車を指名買する層がステアリングを握れば、笑みがこぼれるに違いない。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.147「2023年 国産新型車のすべて」の再構成です。

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