電磁波測定機でクルマ周りの電磁波を測ってみた。単位はボルト/メートル(V/m)とマイクロテスラ(μT)

睡眠を取るときに、スマホは頭から50cmから1m以上離した方が良いとされている。
電磁波が脳へ影響を及ぼし、エネルギーの消費を増大させてしまうと言うことだそうだ。クルマにも電磁波を発生させるパーツがいろいろ装備されている。で、それ、どのくらい発生しているの?また、比較対象として日常の身近な物も測定してみることにする。
TEXT & PHOTO:伊倉道男(IKURA Michio)

V/mとμTってなに?

ヘッドレスト周辺はV/m、μTともにゼロ。

大手通販サイトで入手した電磁波測定機、計測出来る単位はV/m とμTとある。精度はわからないが、危険状態になると画面全体が赤く表示され、安全と判断された数値の場合は青く表示される。精度は不明。だが、もちろん数字で比較するだけなら充分に利用できると思う。電磁波は距離に非常に影響され、少し離れただけでも数値はあっという間に下がる。永久磁石の引きつける力が及ぶ範囲、あれである。

計測する場所であるが、スマホと頭部は距離がゼロ。それなら発生している場所になるべく近くに測定機を置くことにする。

さて、電磁波って?電界と磁界が組み合わさったもの。電界は電気的な力(プラスとマイナスがくっつく力) が働く空間のこと。単位はボルト/メートル(V/m)。磁界は磁気の力 (N極とS極がくっつく力)が働く空間のこと。単位はマイクロテスラ(μT)。 電磁波は、『電界』と『磁界』が交互に発生しながら波のように伝わっていきます。電磁波は、送電線等の電力設備や家電製品のまわりといった電流の流れるところに発生します。(東京電力パワーグリッド参照)

 

オルタネーターは磁界1024μT、電界は0V/m。

身体でもっとも影響を受けたくない場所は頭部だろう。そこでヘッドレスト周辺から測定してみよう。結果はV/m、μTともにゼロ。一安心。次はエンジンルームに移動。もっとも発生していると思われる場所はオルタネーター。結果は磁界1024μT、電界は0V/m。イグニッションコイル周辺は72.16μT、692V/mと予想通りかなり高い。外付けにしたイグナイター周辺。結果は3.12μT、0V/m。ただし、全体に言えることだが、パーツ単独で測定することはできないので、他の器具からの影響もあると考えられる。

インテリアはまずはスピーカー。かなり小さなスピーカーである。結果は磁界0.82μTで電界は0V/m。ナビも磁界は0.66μTで電界は0V/m。オーディオのメインユニツトは0.76μTで電界は0V/mである。ほとんど発生していないに近い結果である。

イグニッションコイル周辺。数値は磁界72.16μT電界692V/m。
外付けにしたイグナイター周辺。結果は磁界3.12μT電界0V/m。
ダッシュボードに装着した小さなスピーカー。結果は磁界0.82μTで電界は0V/m。
ナビは磁界0.66μTで電界は0V/m。
オーディオのメインユニツトは磁界は0.76μTで電界は0V/m。

オルタネーター:磁界1024μT 電界0V/m
イグニッションコイル周辺:磁界72.16μT 電界692V/m
イグナイター周辺:磁界3.12μT 電界0V/m
スピーカー:磁界0.82μT 電界0V/m
ナビ:磁界0.66μT 電界0V/m
オーディオメインユニット:磁界0.76μT 電界0V/m

さて次は比較対象として家庭電気製品。じつは我が家には一般的な物があまりない。4種類ほど結果を載せておく。スマホ(磁界0.08μT、電界は0V/m)。ポータブルDVDプレーヤー(磁界0.30μT、電界は46V/m)。一眼レフ(磁界0.00μT、電界は0V/m)。ストロボ(磁界2.43μT、電界は0V/m)。エレキギター(磁界1.12μT、電界は0V/m)。

結論として、電磁波って、クルマに乗っている時はそれほど気にしなくて良いということのようだ。

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著者プロフィール

伊倉 道男 近影

伊倉 道男

フォトグラファー。国学院大学法学部法律学科卒。アパレル会社にて総務人事、営業を経験。その後、但馬 治…