ワイヤレスでApple CarPlayが使える! ルックスも拡張性も魅力のスマートオーディオ・アルパイン『フローティングビッグDA』を付けてみた!【カー電の現在地 2023・夏 CarGoodsMagazine】

純正品でさえディスプレイ付きがデフォルトともなっている昨今のカーオーディオながら、市販品はさらに旨みが足されている。特に市場のなかでも一歩抜け出た感があるのが本機、アルパインの『フローティングビッグDA』。後付けならではの強みと旨みはどこにあるか? 実装着レポートをいざ!

立体構造を前提の上で流行ディスプレイオーディオの一歩先を行く

スマホ接続が当たり前になって、カーオーディオの形は随分と変わった。内蔵機能だけに頼らず、Apple CarPlayやandroid autoによってグラフィックを伴う機能拡張が容易になったためだ。

その黎明期こそ、2DIN機によるベーシックな形が一般的だったものの、カーナビゲーションシステムと同様に、本体をDINスペースに収めつつ、フローティング構造としてディスプレイを立体配置することで大画面化も可能になっている。
スマホ連携を優先させる分、ディスクプレーヤーやナビ機能を省く割り切りを取ることで本体サイズを1DINに留められるようになったのも、市販ディスプレイオーディオ拡充の理由だろう。DINスペースに余裕のないクルマにとってこれは大きい。

ALPINE『フローティングビッグDA・DAF9Z(実勢価格:9万円前後/税込)』
WXGA液晶にフルデジタルAMPを搭載。1DINのコンパクトな本体ながらも、ハイレゾの高音質を堪能できるハード設計が施されるほか、インターフェイスも充実。一般的なスタンダード画面のほか、音への注力がうかがえるこちらの「サウンドホーム」にも容易に切り替えできる。

今現在、その先端を行くのがアルパインのフローティングビッグDAだ。カスタム色が強いオーディオイメージはもちろん、スタイリッシュなあつらえなど、アルパインが持つ既存イメージが人気の一端を担うものの、ハイライトはApple CaPlayのワイヤレス接続を採用した点にあるだろう。この点を中心に、装着レポートをお届けしよう。

立体構造のディスプレイは、本体を起点に前後20mm、上下には5段階45mmの調整幅が持たされる。位置決めはネジ止めを伴うために取り付け後の変更はできなものの、前後のアングルは垂直位置を起点に、奥に20度、手間に45度の、都合65度の範囲で手動調整が可能となる。

濃厚なカスタム機ぶりで使いこなす楽しみに溢れる

通常、Apple CarPlayは本体とスマホを有線接続することによって起動する。これまでも、市販の後付けアダプターが用意されたりと、優先接続するひと手間を減らすワイヤレス化は決してできないことではなかった。それを、よりスマートな形で成し得たのが本機と言える。

最初の設定さえ済ませておけば、あとは車両始動時に自動でつながり、iPhoneをしまいっぱなしでもいい。またホルダーを使ってiPhoneの画面をサブディスプレイとして使うケースでも、わざわざケーブルを引く必要もないので設置の自由度も高まり、レイアウトもスマートだ。付け加えれば、別途有線接続を利用することでiPhoneを2機併用できる利点もある。

Apple CarPlay・Android Autoの両方に対応するほか、iPhoneではワイヤレス接続にも対応。初期設定さえ済ませておけば、次回からは車内にiPhoneを持ち込むだけで自動的にCarPlayにアクセスできる。

もう一つのハイライトは、通常のホーム画面とは別に設けられるサウンドホーム画面だ。ディスプレイオーディオは、ナビ案内等有用な場面が多い一方で、日常使用時には折角の大画面を持てあますことも多い。こんな時、ワンタッチで切り替え可能なホーム画面が有用になる。

グラフィカルな表示はカスタムオーディオ色の強いアルパインのイメージそのもので、中央に添えられるバッテリー電圧表示は常時表示のメーター代わりにもなる。
最初こそ、色々触って楽しむものの、一度セッティングし終えたあとはなかなかイジる機会がないサウンド設定もこの画面ではアクセスしやすく、音源によって気軽に調整できる点も嬉しい。

車種専用を掲げる味付けもアルパインならではといえる点。オープニング画面やサウンドチューニングも、専用データをダウンロードをして使うことができる。反面、ハンドルリモコンの連携も車種ごとのイニシャルデータが前提となっており、輸入車を始めとするニッチなクルマでは操作スイッチの割り当てに苦労することもある。

それでも、ここもカスタム前提とすればクリアする道は残されている。ディスプレイ配置のアジャスト機能は設置幅も大きく、輸入車でも望みの位置にセッティングしやすい。ハイレゾ対応を前提とする高音質設計も手に入り、たとえひと昔前のクルマでも、AV環境をコレ一つで一気に最新にできる後付けのロマンにも満ちている。

USB入力端子はデータ通信用と充電専用の2系統が設けられ、それとは別にHDMI入力端子も用意される。HDMIとUSB充電ケーブルでFire TVスティックをつなぎ、もう一つのUSB接続ケーブルでスマートフォンをつなぐようなマルチ接続も可能だ。

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1999年に季刊誌として創刊後、好評を元に月刊化。当時より続…