ガソリン/軽油価格はどうなる? 過去最高値と最低値は?ハイブリッド、ディーゼル、BEVで1km走るのにもっとも安いのは?

現在のガソリン価格は175円/L。高い価格にも慣れてきたが、その中身はどうなっているのだろう? 現在の補助金はいくらでいつまで続くのか? いろいろ計算してみた。

補助金がなかったら216円/L!

資源エネルギー庁が2023年12月25日に発表した「石油製品価格調査」によると、レギュラーガソリン価格は175.0円/L、軽油は154.5円/円だ。現在は、「燃料油価格激変緩和事業」でレギュラーガソリン価格は全国平均「175円/L程度」になるように石油元売りに対して補助金が支給されている。

資源エネルギー庁のHPより

現在の補助金は13.8円/Lである。
補助がなかったら、現在のレギュラーガソリン価格は188.6円/Lだったわけだ。

補助金は基準価格168円/Lに対して、185円以上は100%、185ー168=17円に対しては60%となっている。

現在のリアルなレギュラーガソリン価格は188.6円だから、185円超の3.6円+(185-168)×0.6=13.8円が補助金額となる。

資源エネルギー庁のHPより

この措置は「緊迫化する国際情勢及び原油価格の動向など経済やエネルギーをめるぐ情勢等を見極め、城南勝つ機動的に運用しつつ、措置を2024年4月末まで講じる」としている。
過去2年のレギュラーガソリン価格(全国平均)を見てみよう。

補助金支給後の最高値は
186.5円/L(2023年9月4日)だ。
もし補助金がなかったら、
215.8円/L(2022年6月27日)だったわけだ。

過去最高はいくら?

レギュラーガソリン価格の推移

1990年から現在までのレギュラーガソリン価格の推移を見てみると1990年8月27日:121円/Lからスタート
最安値は
1998年8-11月:88円/L
となっている。この33年間でもっとも安かったレギュラーガソリン価格が88円/Lだ。
2000年代に入ると2008年8月4日に185.1円/Lと高騰したが、2009年1月に106円/Lまで下がった。

2010年代は、2010年1月の125.8円/Lでスタート。2016年3月に112.0円/Lまで下がった。

2020年代は、2020年1月の150.1円でスタート。2023年9月の186.5円/Lが最高値となっている。そしてこの186.5円/Lがこれまでの最高値なわけだ。

しかし、これも前述の通り「補助金あり」での価格。本来は2022年6月の215.8円/Lが最高値だったわけだ。

2024年、この先はどうなるか?

資源エネルギー庁のHPより

原油価格は、80ドル/バレル前後で不安定な動きだし、円安ドル高、地政学上のリスク増大で供給にも不安がある。となると、あまり下がる要因はない。

補助金の打ち切りが先延ばしになる可能性はあるにしても、175円/Lから大きく下がることはなさそうだ(下がってほしいけれど)。

軽油価格は?

軽油価格の推移

現在の軽油価格は154.5円/円だ。軽油にも補助金が出ている。現在は13.0円/Lだ。

軽油の過去最高値は

2008年8月4日の167.4円/Lだったのだが、補助金なしだった場合は、2022年6月27日の195.7円/Lだった。

最安値は1990年8-9月の72円/Lだった。じつに2.7倍にも高騰したわけだ。レギュラーガソリン価格が過去最安値から2.45倍の最高値だから、ここ1990年以来、軽油の方が割高になったということになる。

1km走るのにいくらかかるか?

トヨタ・ヤリスHybrid

現在、WLTCモード燃費でもっとも優れた数字を持つのは、トヨタ・ヤリス(ハイブリッドX)である。WLTCモード燃費36.0km/Lだ。

モード燃費通り走ると仮定すると
175.0円/L÷36=4.86円/km
ということになる。1km走行するのに4.86円かかるという意味だ。

これを軽油(つまりディーゼル)で達成するには
154.5円/L÷4.86=31.79km/L

これを電気自動車(BEV)で達成するには
8.17km/kWhのモード燃費(電費)でなければならない。

ちなみに、電気料金は現在39.7円/kWh(東京電力のプレミアムプランの場合)。ここにも3.5円/kWhの補助金が支給されている。
現在、もっともモード燃費の良いディーゼル車は

マツダMAZDA2 XDスポルト+のWLTCモード燃費は25.2km/L

MAZDA2 XDスポルト+のWLTCモード燃費は25.2km/Lだから6.13円/km

BEVではトップクラスの日産サクラ(三菱eKクロスEV)のモード電費が8.06km/kWhだから、(トヨタC+podの方がモード燃費は優れているのだが)4.93円/kmということになる。

ハイブリッドのヤリスが4.86円/km
ディーゼルのMAZDA2が6.13円/km
BEVのサクラが4.93円/km
となる。

日産サクラ 124Wh/km(=8.06km/kWh)

車両価格、維持費、補助金、燃料価格・電気料金が刻々と変わっていくから、この数字も動いていく。が、2024年1月の時点では、走行にかかる費用はハイブリッド≒BEV<ディーゼルということになる。

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