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カール・ベンツと同時期ににガソリン自動車を発明
1834(天保5)年3月17日にドイツで生まれたゴットリープ・ダイムラーは、1886年にカール・ベンツと同時期にガソリン自動車を発明。その後ふたりはそれぞれベンツ社とダイムラー社を創業し、1926年に両社は合併してダイムラー・ベンツ社が誕生した。その後、紆余曲折を経て現在はメルセデス・ベンツ・グループAGがその流れを引き継いでいる。
ガソリン2輪車と4輪自動車を発明したゴットリープ・ダイムラー
ゴットリープ・ダイムラーは1834年3月17日、ドイツの田舎町ショルンドルフでパン屋を営む家庭で誕生。幼いころから機械に興味を持ち、工業専門学校に進み、卒業後は4サイクルエンジンを発明したニコラウス・オットーの会社に勤めながら、エンジンの研究に没頭した。
その後独立して、1885年にガソリンエンジンを搭載した2輪車の特許を取得、翌年1986年の冬には馬車にエンジンを搭載した4輪自動車を発明した。一方で、ダイムラーから100km程度しか離れていない場所で、カール・ベンツが1886年1月に3輪のガソリン自動車の特許を取得したため、ガソリン自動車の発明は一般的にはカール・ベンツとされることが多い。
正確に言えば、自動2輪車と4輪自動車の発明はゴットリープ・ダイムラーで、3輪自動車の発明はダイムラー・ベンツということになる。
ダイムラー・ベンツ社の誕生と成長
カール・ベンツが創業したベンツ社とゴットリープ・ダイムラーが創業したダイムラー社は、それぞれ自動車メーカーとして成長し、1926年に合併してダイムラー・ベンツ社が誕生した。
そして合併後すぐに、ポルシェが設計したニューモデルを投入。その後は、高級車とスポーツカーを中心に生産を続け、超高級車の770K「グロッサーメルセデス」は、日本の皇室など世界中のVIPから愛用された。しかし、第二次世界大戦中は、戦闘機のエンジンや軍事用車両などの生産を行い、乗用車生産は中断することになった。
大戦後、ダイムラー・ベンツ社は4気筒の「170シリーズ」で乗用車の生産を再開し、1951年に得意とする6気筒モデル「220/300シリーズ」を復活。これらのモデルの登場によって、ダイムラー・ベンツ社は高品質で高性能なクルマ、高級車を作るメーカーというイメージが出来上がったのだ。
一方で、1954年にはガルウィングドアで有名なスポーツカー「300SL」のクーペ、1957年に300SLのロードスターなどの人気のスポーツカーも手がけ、この分野でもブランド力を発揮した。
高級車メーカーと確固たる地位を築き上げたメルセデス・ベンツ
1970年代に入ると、3代目「メルセデス・ベンツSL(1971年~)」、翌年には「Sクラス(1972年~)」、1980年代にも「W201(1982年~)」、世界一安全なオープンカー「R129型SL(1989年~)」、190シリーズに代わって「Cクラス(1993年~)」、電動ハードトップの「SLK(1996年~)」など、名車と呼ばれるモデルを続々と投入した。
1998年に米国クライスラー社と提携して、ダイムラー・クライスラーに社名を変更したが、2007年には経営不振になったクライスラーを手放し、ダイムラーAGに改称。2000年以降も、Bクラス、Rクラス、CLSクラスなど次々と新型モデルを投入し、最近は電気自動車「EQC」やPHEV、マイルドHEVを投入して“CASE(コネクティッド技術、自動運転、シェア/サービス、電動化)”に注力している。
また2022年には、車名をメルセデス・ベンツ・グループAGに改称した。
現在も続く安全性に対する意識の高さは、ダイムラー・ベンツ社の創業時から受け継がれ、すでに1950年代には、品質の高さと安全性に優れた高級車としての確固たる地位を確立していた。ゴットリープ・ダイムラーが築き上げたメルセデス・ベンツブランドを揺るがすメーカーは、今も存在していない、今後現れるのだろうか。
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