清水和夫がスズキ新型スイフトのCVTと5MTに試乗「軽いは正義! Bセグホットハッチ日本代表、間違いなし!」

新型スイフト×清水和夫
新型スイフトを清水和夫が試乗
ジャパンモビリティショー2023にコンセプトモデルが登場し、5代目新型にスイッチされたスズキ・スイフト。新開発1.2L 3気筒エンジンとCVTを採用したのが目玉で、安全装備の充実や機能性向上も見逃せない。一部グレードには5速MTも設定され、走りに妥協しない幅広い層を満足させる。さて、清水和夫は新型スイフトをどう評価するのか。
IMPRESSION:清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/MOVIE:StartYourEnginesX/ASSIST:永光やすの(Yasuno NAGAMITSU))

新型スイフト“ハイブリッドMX+5MT”、このコの車重は920kg、軽い!

今回、スズキはかなり根性入れてこのクルマを開発した。1.2L 3気筒のNAエンジンに12Vのハイブリッドと組み合わせている。5MTとCVTのATがあるが、エンジンをノンターボの1.2L 3気筒にしたことによって、パワートレーンが軽くなったのか。
今乗っているハイブリッドMZ/FF/CVTは車重950kg。ベースモデルのXG、ハイブリッド無し/FF/CVTだと、これよりも40kg軽い910kg。

新型スイフト×清水和夫
ハイブリッドMXには5MTも設定された

私は「2022–2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」でアルトに10点(最高点)入れた。車両価格が100万円を切って車重が600kg台というのは、やっぱ正義!“小さく、軽く、安く作る”というところにスズキの良さがあるので、そういう意味ではこの新型スイフト、車体はちょっと大きくなったかも?だが(※1)、車重が軽くなったっていうのはさすがだなって感じがする。
※1 ボディサイズ比較
先代ハイブリッドRS(FF/CVT)=全長3855×全幅1695×全高1500 mm/車重910kg
試乗車ハイブリッドMZ(FF/CVT)=全長3860×全幅1695×全高1500mm/車重950kg

LKASは車線内でクルマが泳がずにビシッ!

今までのADASだと、あまり高度運転支援とスズキのクルマはなんかあんまりご縁がなかったのかなって気がするけど。
今80km/hで高速道路の規制速度が80km/hなので、ACCの設定も80km/hに設定。右手の親指でクルマの絵が書いてあるスイッチを押すと、メインスイッチがオン。あとはプラス/マイナスのスイッチの右手の親指でマイナスを押すと、その時走っているスピードでセットされる。大体この辺の使い勝手は各社同じになってきたね。
今、前のトラックをロックオンして走っている。速度はちょうど80km/h。規制速度と設定速度と実走速度が全部“8”並び。ミリ波レーダー、もしくはカメラで前のクルマを捉えている。

新型スイフト×清水和夫
LKAS具合もイイ

問題は、この電動パワステによる車線維持装置。車線の真ん中を綺麗にトレースして走れるかどうか。その時にシステムが動くので、ハンドルに手を添えているドライバーが違和感や不安なくLKAS(車線維持支援システム)が動くかどうか。
今、緩い右カーブだが、手を添えているだけ。システムがゆっくり、微妙に右にハンドルを切っている。この辺が結構、カーブの中で“クルマが泳いでいない”から、結構ビシっとしている。
そういう意味で、このステアリングっていうのは結構命なのだ。ステアリングそのもののセンターフィールが、人間が乗っても良しということで、それでシステムが動かしても車線の中で泳がないでビシッといってるっていうところは十分、合格かな。

欧州Bセグっぽいダンピングが好感触

今度は一般道。このクルマ、足まわりはちょい固めだなと思っていた。旧型RSが硬かったから今回、RSはなくしたと言っている。いやらしい不快になるような硬さではない。どちらかと言えば、ちょっとヨーロッパ車的な、硬いけどダンピングがいいっていうようなタイプなので、ブルンルンルン!っていうのはない。1発、2発くらいでプシュンプシュンとダンピングがいい。

新型スイフト×清水和夫
ダンピングもいいねぇ

でも、このドラポジはちょっと変えて欲しい。最近トヨタ(進化版GRヤリス)はヒールヒップを24cmくらいにしている。スイフトはなんかベンチに腰かけてるような感じなので、もうちょっとシートのヒップポジションを下げて、ヒールヒップの差を少なくするともっといいんじゃないかなと思う。

1.2LのNA直列3気筒、このエンジンが結構がよくできていて、3気筒の変なブルブルっていう振動もないし、レスポンスとかエンジン音もいいね。

パーキングがEPB(電動パーキングブレーキ/ハイブリッドMZのみ)になったのでブレーキホールドもできる。アイドルストップしていてもEPBでクルマを止められるから、坂道でも容赦なくアイドルストップができる。

ハイブリッドMZはFF、4WDともサイドブレーキは電気式EPBとなる

なんか、思っていた以上に完成度高いなこのクルマ!
ハイブリッドMZのFF、CVT、価格は216万7000円(税込)、オプション付けて250万円くらいか。今は軽自動車のN-BOX(ホンダ)でもフル装備250万円!って聞いてビックリしたけど、も~みんなどんどん値段が上がっている。
スズキはそういった意味で、1番のベースモデル(XG/FF/CVT 172万7000円[税込])だったらオプション付けても200万円ちょっとくらいだと思うからスズキ、頑張ってるね。

ついにスズキもMTにADASを付けた! しかも性能良し!!

さぁ、スイフトの1.2L 3気筒のマニュアル。車重がCVTより30kg軽い(ハイブリッドMX 5MT=920kg/ハイブリッドMZ CVT=950kg)、凄いな。Bセグで920kg! 頑張れば800kg台が見えてきた!って感じ。

しかも、5MTだけどLKASが付いている。そして、サイドブレーキはEPBではなく、機械式のスティック、サイドターンができるタイプだ!
今、マニュアルのADASはスバルとかマツダもやっているが、スズキはついにATのCVTとこのマニュアルの両方に、しっかりしたADASを付けている。しかも、使いやすい。

シフトフィールもいいけど…う~ん、2速から3速に入れるときがちょっと、3速に入ったか5速に入っちゃったかわからない感じがある。2速から3速に上げる時の接続感が欲しいかな。シフトしたときにちょっとフニュって感じ。ギヤに入った瞬間はカチン!っていう感じがいいんだけど、ゲトラグとかのね。
最近はマニュアルミッションを設計する人が世界的にいないんだろうな。絶滅危惧種だね。“設計者が絶滅危惧種”かな?

新型スイフト×清水和夫
新型スイフトのコクピット

エンジンは6000rpmでレッド。もうちょっと、あと500rpm回って欲しいな。
MTはMTで楽しいっていうか、操っている感がある。が、意外にCVTのデキがいい。5MTに比べて重量が30kg重いけど、ロングツーリングだったらCVT、おすすめじゃないかな。

Bセグのホットハッチで日本を代表するのは、紛れもなくスイフト

今のスズキのなかでこのスイフトは、やっぱサラブレッドなのかなと思う。もしかしたら、ちっちゃいからポニーちゃんかも。

新型スイフト×清水和夫
直3+ハイブリッドZ12E型エンジンを搭載

今回、スズキはフルモデルチェンジでエンジンが1.4L 4気筒ターボ(※スイフトスポーツ)から1.2L 3気筒のNAになった。それはどうなのか?って気がするんだけど、実際乗ってみるとエンジンが軽くなり、このCVTで950kg、MTで920kg。
ハイブリッドと言っても、12Vのベルトスタータージェネレーター。だけど、なんかいいな!という感じがする。実際乗ってみるとADASが良くなっているのと、全体的にちょっと固めだけど、スイフトのCVTはかなり欧州車テイストでダンピングがいい。ばね上の動きがすごく抑えられていて、タイヤからの入力は両車ともちょっと硬いけど。

CVTはばね上が動かないようにしっとりした感じで抑えられるが、5MTはちょっとヒョコヒョコしちゃう。あれ? 乗り味が違うな…と思っていろいろと取材してみると、5MTをベースに開発していた。重量が30kg重いCVTだと重量合わせでスプリングの長さなんかも変えなければいけない。しかし、重量が重い分、ばねの動きが下がった分、CVTのほうは上質な感じ。5MTはちょっと“原石っぽい”感じ。5MTをベースに作ったということで納得した。

マニュアルミッションの5速は、シフトフィールの接続感がもうちょっとカチッとしたのが欲しいかなと思うけど、でも5MT、CVT両方とも1.2L 3気筒エンジンでうまく作ったなという感じがしている。ADASが良くなったのは、長距離ドライブではもう打ってつけ。

新型スイフト×清水和夫
スポーツハッチとして気になるのはヒールヒップポイント。もうちょっとお尻(シート座面位置)を下げたいね

ひとつ気になっているのは、こういうクルマを買う人は、後でカスタマイズしたりすると思うけど、最近ヒールヒップ=お尻の位置とカカトの位置の差がプリウス(トヨタ)くらいから240mm、かなり縮めてきている。
最近乗ったメルセデス・ベンツのEクラスやCクラスは、スポーツカーみたいなヒールヒップの距離。まだちょっとヒップの位置が高く、公園のベンチに座ってるような感じのドライビングポジションなので、そういったシート位置をもうちょっと下げていくといいかなと思う。

それは多分、この5MTの方が今920kgなので、スズキにはちょっと頑張ってもらいたい。900kg切って899kg! 800kg台のBセグを作ったら凄いなと思う。あと20kgだから、頑張ればできるんじゃないかな?と思うんだけどね。
その時はシートの位置を下げて、カカトとヒップの位置が縮まると、もっとスポーツカーみたいなドライビングポジションになっていく。そういうところがホットハッチ的には大事だと思う。

いずれにしてもこの2台は、ワクワクする。CVTだからこれでラリーもいいし、マニュアルでガンガンにジムカーナやダートラ、ラリーもいいし。
モータースポーツのエントリーモデルとして、この2台はいいと思う。決してMTだけがスポーツなのではなく、乗った感じの上質さはCVTの方がいい。
エンジンの動きみたいなものも、トランスミッションがMTとCVTでは、CVTはトルクコンバーターも持っているので、全体的にエンジンのブレがうまく振動吸収してるので、あらゆる意味でこっちのCVTの方が上質な感じがした。

新型スイフト×清水和夫
新型スイフト、コスパの良さはスズキの企業努力だな

ということで、MTとCVT、2台のスイフトを乗り比べたけど、一見花がないように見えて、実は地味…と言ってはスズキに失礼なんだけど、重量を考えよく作られているなと思う。

【SPECIFICATIONS】
車名:スイフトHYBRID MZ(FF・CVT)/ HYBRID MX(FF・5MT)
全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm
ホイールベース:2450mm
トレッド(前/後):1480/1490mm
車両重量:950/920kg
最小回転半径:4.8m
乗車定員:5名
エンジン型式/種類:Z12E/直列3気筒DOHC
内径×行程:74.9×92.8mm
総排気量:1197cc
エンジン最高出力:60kW(82ps)/5700rpm
エンジン最大トルク:108Nm(11.kgm)/4500rpm
燃料タンク容量:37L(無鉛レギュラー)
モーター形式/種類:WA06D/交流同期電動機
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1100rpm
モーター最大トルク:60Nm(6.1kgm)/100rpm
燃費 WLTCモード:24.5/25.4km/L
駆動方式:前輪駆動
トランスミッション:CVT/5速MT
サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ディスク/リーディングトレーリング
タイヤサイズ:185/55R16
車両本体価格(税込):2,167,000円/1,922,800円
【新型スイフト 全グレード価格(全て税込)
・HYBRID MZ (マイルドハイブリッド)
2WD/CVT 2,167,000円
4WD/CVT 2,332,000円
・HYBRID MX(マイルドハイブリッド)
2WD/5MT 1,922,800円
2WD/CVT 1,922,800円
4WD/CVT 2,087,800円
・XG
2WD/CVT 1,727,000円
4WD/CVT 1,892,000円

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著者プロフィール

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、N1耐久や全日本ツ…