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洗い作業は傷めず優しく適切に
元々しかるべき教本がない洗車のやり方は、用品の進化に応じて都度変わる。では、2024年春におけるその最新手法とはどんなものか? 洗車のやり方が変わってきてるといっても、その基本は変わらない。シャンプー掛けして汚れを落とし、頑固な汚れは専用処方でスポット処理を行って、仕上げにコーティング処理し、ツヤを出すというものだ。
けれど、用品そのものの進化により、各プロセスでより適切な手法がとれるようになった。作業数を省略できるものもあれば、手順こそ増えるものの、より高いレベルの仕上がりを期待できるものもある。
最近ではプロコーティング施工が一般的になっており、洗車も最小限で済む場合もある。いったん水を使うとなると、それなりの下準備が必要になることもあり、表面のホコリだけが問題であれば、毛ばたきによるホコリ取りだけで十分な場合も。しっかりと保護被膜が定着していれば、汚れも付着しづらいのでなおさらだ。
ただ、花粉や黄砂に樹液など、春時期の飛散汚れは時間経過とともに頑固汚れになっていく。こうした場合はやはり水を使った洗車がどうしても必要になる。
こうした頑固汚れに向き合う際、落としづらさも加味してつい力を掛けがちになる。これが洗車キズの温床にもなり、洗車したつもりが自らキズを付ける悲劇にもつながる。
その点、高い洗浄効果を持つのはもちろん、クッション性が高くて塗装面に優しいカーシャンプーが最近の流行りにもなっている。泡立てやすいバケツとの組み合わせでそのクッション性はさらに高められるし、スポット的に泡噴射を足せるスプレーを使えば、時間経過に応じて泡立ちが減る現象にも対抗できる。
いずれもに共通するのは、愛車へ掛ける負担を減らすという点。「愛車に優しく」という言葉こそ、まさに今時流のキーワードだ。
美観の決め手は下地作り!保護被膜は美観継続に貢献
仕上がりアップのためには、コーティング以上に下地作りが大事。これは今に始まった話ではないものの、現代用品を使うとより楽に、しかも作業スキルをあまり問わずに実行することができるようになっている。
塗装表面に刺さるように定着してしまった鉄粉なども、シャンプー掛けのあとに専用ツールを使えばラクに除去することができる。しかも今ではミトンやスポンジタイプなども用意され、かつてのような独特のスキルもそこではあまり必要ない。
異物というよりシミや小キズなどの症状には専用のケミカルもあり、これも基本はスプレーして拭くだけの簡易作業で済む。シャンプー掛けからコーティングに至るまでの手間こそ増すものの、掛ける手間に対してのフィードバックは大きい。
タイヤホイールと窓、そしてミラーが、ボディとは別処理の洗浄作業が必要なのはこれまでと同様ながら、スプレーして流す/拭くだけの処理で済む点にも注目。タイヤとホイール両面に作用するアイテムも手軽ながらに効果は高く、内窓外窓両面に使えるクリーナーもさっぱりクリア感が顕著だ。
より専用化が進む点で、より注視すべき点がクロスの使い分けだろう。外装と内装用では性格が異なって当然。拭きムラや跡残りなどは、作業スキルに負うところが大きいものの、ツールを使い分けることでカバーすることもできる。
そして、ここに来て最後の仕上げ。ボディ・ホイールともに、コーティングによる美観の向上は今に始まった話ではないものの、現代でより注視すべきは防汚能力と言えるだろう。施工直後こそ満足はするものの、日も経たずにくすんだ見た目にガッカリするひとは、この部分にこそ注目すべき。髙いツヤを生む美観に優れたコーティング被膜も、次なる汚れを呼び寄せてしまっては瞬間的なパフォーマンス用にしかならない。
施工後の防汚能力まで優れていれば、美観の持続効果を望めるほか、次回のメンテを軽重にできる利点もある。先々を考えた洗車のやり方も、まさに今風と言えそうだ。