カーボンニュートラル技術の共同研究および同志社大学京田辺キャンパスのカーボンニュートラル化に加え、オンデマンド交通および将来的な自動運転の実装を含めた地域のモビリティ課題解決に向けた地域交通の在り方の共同検討などを進める
京田辺市は、令和2年度に「緑に包まれた美しいまち」京田辺市を次世代につなぐため、2050年までに市内のCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」への挑戦を宣言。令和5年度に、脱炭素に向けた取り組みの基本方針や数値目標などを盛り込んだ京田辺市ゼロカーボンオフィス実行プラン(第2次京田辺市地球温暖化対策実行計画(事務事業編))を進めている。また、多様な交通施策を活用し、個人や組織・地域のモビリティ(移動状況)が社会にも個人にも望ましい方向へ自発的に変化することを促すモビリティ・マネージメントの取り組みを強化し、地域公共交通の維持に努めている。
同志社大学は、温室効果ガスCO2リサイクル社会の実現に向けて、産官学の組織連携をベースとした教育研究活動を全学的に推進するスキームとして「同志社大学カーボンリサイクル教育研究プラットフォーム」を2021年に設置。先端技術を持つ企業等との連携により、CO2の資源化とエネルギー活用の最適化を進め、「カーボンリサイクル」に取り組んでいる。さらに、将来に向けたモビリティ変革を実現するため、「モビリティ研究センター」ではダイナミックマップを基盤に各モビリティの移動状況をリアルタイムに共有し、複数間の協調走行や域内交通の最適化を実現する情報通信基盤の研究開発および社会への普及検討を行なっている。
日産自動車は、これまで培ってきたEVに関するノウハウやネットワークを活かし、エネルギーマネージメント、サーキュラーエコノミーを通じた脱炭素化の実現、および少子高齢化に伴うドライバー不足や地域社会が抱えるモビリティ課題を解決し、誰もが自由に移動できる新しいモビリティサービスの提供による社会変革を産官学で推進している。EV普及と次世代教育を通じてゼロ・エミッション社会構築を目指し、SDGsの達成や地域社会の発展に貢献するため、全国の自治体や企業と連携している。
このたび締結した同協定の具体的な活動内容は以下のとおり。
●同志社大学カーボンリサイクル技術と日産VGI(Vehicle Grid Integration)技術の連携によるカーボンニュートラル技術の共同研究および京田辺キャンパスのカーボンニュートラル化に関する共同検討
●オンデマンド交通および将来的な自動運転の実装を含め、地域のモビリティ課題解決に向けた地域交通の在り方を共同検討
●京田辺キャンパスをコア研究施設とし、学生・住民・行政連携型の持続的な活動を目指す
京田辺市、同志社大学および日産自動車は、EVの積極的な活用により脱炭素社会を推進し、地域・社会へのモビリティサービス貢献を目的とし、同協定締結に基づく新たなプログラムの創出と様々な取り組みを行なう。今後も3者協定を通じ、京田辺市が目指す「ゼロカーボンシティ」の実現、ゼロ・エミッション社会の先にある美しい自然環境の保全、クリーンで住みやすい持続可能なまちづくりに向けて共創していく。
3者連携協定の締結に向けて、日産の社長兼CEOの内田誠社長兼CEOはこのように述べた。
「日産は『人々の生活を豊かに、イノベーションをドライブし続ける』というコーポレートパーパスのもと、移動と社会の可能性を広げることを目指しています。今回の連携協定を通じて、日産は長年培ってきた電動化・知能化技術に加え、カーボンニュートラルやモビリティに関する諸課題に対して、これまで様々なパートナーや産官学で取り組んできた経験・知見を最大限活かし解決していきます。そして、同志社大学とは互いの強みを生かし、ともに学び合い、力を合わせながら、京田辺市が目指す電気自動車を活用したカーボンゼロシティとモビリティサービスの推進に貢献していきたいと考えています」
同志社大学の小原克博学長は、「同志社大学は先端的な教育・研究の成果を地域社会に還元することによって、地域社会の活性化のための中核的な役割を果たしたいと考えています。また本学は、地球環境の持続的な発展に寄与する先駆的なサステナブル・キャンパスを創ることを目標としています。今回の3者連携協定は、本学がこれまで取り組んできたモビリティとエネルギーマネージメントに関係する研究を、日産自動車と提携することによりさらに発展させ、その成果を本学の京田辺キャンパスが位置する京田辺市において社会実装することを目指すものとなります」と述べた。
そして京田辺市の上村崇市長は、「京田辺キャンパス開校以来、様々な分野で連携を深めてきた同志社大学と本市に、新たに日本が世界に誇る自動車業界を牽引するグローバル企業、日産自動車株式会社が加わり、モビリティおよびエネルギーマネージメントに関する3者協定を締結できたことは、本市の未来にとって大きな可能性を秘めていると確信しています」と述べた。