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ロッキーオートが提案する2通りの旧車アプローチ
2年待ちのバックオーダーを抱えるロッキー3000GT
もはやRBエンジンを旧車にスワップする老舗というより、トヨタ2000GTを精密に再現したロッキー3000GTを生み出すショップとして有名なロッキーオート。本物のトヨタ2000GTを買うより安価とはいえ、3000GTの価格は2000万円前後になっているので高額な買い物であることは確か。それでも現在オーダーしても2年待ちというバックオーダーを抱えるほどの人気ぶりだという。
バックオーダーを抱える人気を支えているのは、トヨタ2000GTのラインを忠実に再現したボディだけでなく、ホイールやインテリアなどもしっかり本物の雰囲気を伝えてくれるところだ。また本物を乗るには気構えが必要だし日頃のメンテナンスも欠かせない。ところがロッキー3000GTは最近のクルマに乗る間隔で扱うことが可能だし、本物には期待できない真夏の渋滞時でも抜群の効き具合を発揮するエアコンや軽い操作系などまで実現されている。気兼ねなく、いつでも乗れることが特徴だ。
R32スカイラインGT-RでケンメリGT-Rを再現
もう1台展示されていたのは4代目スカイライン「ケンメリ」を再現した32ケンメリ。以前はケンメリにRBエンジンを載せることが得意だったロッキーオートだが、従来の手法を逆転させてR32にケンメリのボディを被せてしまったのだ。こちらも価格はL型エンジンのケンメリをレストアするのと同程度になっていて、天井知らずに価格を高騰させるケンメリGT-Rを買うことを考えたらリーズナブル(?)と言えるかもしれない。
32ケンメリも3000GT同様にバックオーダーを抱えている状況。R32にボディを被せるだけといっても、その工程は容易ではない。これだけスタイルを変えてもボディ剛性を保つには加工や補強が不可欠。とんでもない苦労があると思われるが、実際に乗ると安楽なうえに快速。オートエアコンやパワーステアリングはR32のままだし、RBエンジンは今でも楽しいと思わされる名機。それなのに見た目はケンメリそのものというギャップがまた楽しめる。維持管理を気にしつつ、重いクラッチやステアリングと格闘せず気楽に乗り出せる旧車のような存在。これが人気の秘訣のようだ。