次世代アルティウム(Ultium)バッテリーを搭載
発表によれば、GMとホンダは、技術力・設計力、ソーシング戦略を活用して世界トップクラスの品質と高い生産性に加えて「さらなる価格受容性を実現する」ために、両社で設備の共通化などを目指し、2027年以降、数百万台規模でのEV生産を可能にするという。新たなEVシリーズのマーケットは1300万台を超え、ここには現在グローバルで最大の自動車セグメントであるコンパクトSUVが含まれる。
ホンダとGMは、電動化コストのさらなる低減、EVの性能やサステナビリティの向上を目指し、将来のEV向けバッテリー技術の領域における協業についても検討をする。
そのキーテクノロジーのひとつとなるのが、「全固体電池」だ
GMは、すでにリチウム金属電池やシリコン電池、全固体電池などの新技術やそれらを早期導入可能にする生産方法などの研究開発を加速している。ホンダも、独自の全固体電池の研究開発を進展させていて、すでに日本国内の実証設備で生産技術の検証などを行なうほか、量産化に向けた取り組みを進めている。
ホンダは、2024年にGMのアルティウム・バッテリーを採用した共同開発モデル、プロローグ(Prologue)とアキュラブランドのSUVを発売するとしていた。これは、GMのアルティウム・プラットフォームを採用したモデルであり、車型も大型であることが予想される。
もともとホンダは2020年代後半ににホンダが開発を主導する新EVプラットフォーム「e:Architecture」を採用したモデルを投入予定と発表していた。今回の発表にあるGMとの共同開発する量産EVは、バッテリーが「アルティウム・バッテリー」でプラットフォームは、ホンダが主導する「e:Architecture」になるのか、「e:Architecture」が新しい「グローバル・アーキテクチャー」となるのか、現時点では不明だが、数百万台規模のEV生産のための共同開発だ。今後に注目したい。
GM (メアリー・バーラ会長兼CEO)のコメント
「GMとHondaは、両社のもつベストなテクノロジーやデザイン、生産戦略を共有することで、価格受容性が高く、お客様にとって魅力的な性能のEVを、北米、南米、さらに中国を含むグローバルな規模でお届けしていきます。GMは2035年までに大型トラックを除く車両のテールパイプエミッションをなくし、2040年までに企業活動を含めカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、この協業もそのコミットメントに向けての重要なステップとなります。両社が協業することで、それぞれが単独で取り組むよりもスピーディに世界中のお客様にEVに乗っていただくことが可能になります」
ホンダ 三部敏宏社長のコメント
「Hondaは、2050年までにグローバルでカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げており、そのためにはEVのコストを下げ、より多くのお客様にEVを所有していただくことを可能にしなくてはなりません。HondaとGMは、グローバルでEVの販売台数を飛躍的に拡大すべく、これまでの技術領域における協業をさらにに強固なものにしていきます」
ホンダ 青山真二専務のコメント
「2018年に発表したEV向けバッテリー開発での協業と、それに続くHonda Prologueを含むEV 2機種の共同開発での成果は、両社の関係がお客様のために新たな価値を創造することを可能にするwin-winな関係であることを証明しています。コンパクトクラスの高品質なモデルの開発・ 生産領域におけるHondaの強みを活かした新たなEVシリーズは、両社の関係をさらに強固なも のにします」
GM グローバル商品開発・購買・サプライチェーン担当ダグ・パークス エグゼクティブ・バイスプレジデントのコメント
「Hondaとの協業と、継続的なUltium技術の深化がこの新しいプロジェクトの礎です。両社のグローバルスケールを活用することで、世界の多くのお客様に向けて、新しいEVシリーズのコスト基盤を下げることが可能になります。この協業を通してGMは、まもなく発表するシボレーエクイノックスEVよりも低い価格帯で、新しい電動商品を提供する計画で、2025年末までに複数の生産拠点合計で200万台のEV生産能力を構築する計画です」