完全比較 CX-3/CX-30/MX-30/CX-4/CX-5/CX-50/CX-60/CX-8/CX-9

CX-30/CX-5だけじゃない マツダの「CX系」クロスオーバー/SUV全9モデル CX-60登場でどうなる?

マツダのクロスオーバー/SUVのモデル名は「CX-」である。サイズが小さい順にCX-3からCX-9まで存在する。とはいえ、CX-30があったり、CX-50が登場したり、FRベースのCX-60が欧州で発表されるなど、なかなか複雑。現状を整理してみよう。

CX系のスタートは2006年のCX-7

マツダのクロスオーバー系のモデルがCXを名乗ったのは、2006年のCX-7が最初。そのあとCX-9(2007年)が登場している。

2006年デビューのCX-7
2007年デビューのCX-9 北米向けのモデルだった。

その後、2011年に魂動デザインを全面採用した初代CX-5が登場。「SKYACTIVテクノロジー」も全面採用した初代CX-5は世界的な大ヒットとなって、CXシリーズの礎を築いたといえる。

SKYACTIVテクノロジーと魂動デザインをひっさげて登場した初代CX-5。今見てもスタイリッシュだ。
リーマンショック後のマツダを支えたといっても過言ではない初代CX-5

まずは、現行モデルを並べてみよう。サイドビューでどれがどのモデルかおわかりになるだろうか?

現行マツダのクロスオーバー/SUVモデルを表にまとめてみた。

CX-3 MAZDA2ベースのスモールクロスオーバー

CX-3

現行モデルのCX系でもっとも早くデビューしたのがCX-3(2014年11月に世界初公開)。発売は2015年だ。デミオ(MAZDA2)ベースのクロスオーバーで、日本のみならず、欧州、北米、オーストラリア、タイなどでも売られている。国内ではデビュー当初はディーゼルのみ(SKYACTIV-D1.5)の設定だった。現在は、北米での販売が終了するなど、モデル末期らしい動きになっている。

CX-3
デビュー年:2015年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4275mm×1780mm×1550mm
ホイールベース:2570mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G1.5/G2.0/D1.8
駆動方式:FF/AWD

CX-30 スモール・アーキテクチャー採用のグローバルモデル

スモール・アーキテクチャー採用の第二弾がCX-30。

2019年登場のクロスオーバー。マツダの新世代商品群のスモール・アーキテクチャー採用のモデルだ。全世界で展開する重要なモデルである。革新的なエンジン、SKYACTIV-X+24V M-Hybridのパワートレーンも設定している。

CX-30
デビュー年:2019年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1540mm
ホイールベース:2655mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G2.0/X/D1.8
駆動方式:FF/AWD

MX-30 「MX」を名乗る理由がある

MX-30 欧州・北米向けはBEVだ

MX-30は2020年デビュー。CXでなくMXを名乗るのは理由がある。「その時代ごとの自動車の常識に囚われることなく、新しい価値の創造と提供に挑戦したモデルにMXという記号を与えてきた」とマツダは説明している。

MX-30は、CX-30とほぼ同じボディサイズながら、クーペライクなデザイン、観音開きのドア(フリースタイルドア)、そしてBEVも設定するなど、かなり野心的なモデルである。今後、ロータリーエンジンを使ったPHEVモデルなどが追加されるはずだ。

MX-30
デビュー年:2020年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1550mm
ホイールベース:2655mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G2.0/BEV
駆動方式:FF/AWD

CX-4 中国専用のSUVクーペ

中国専用モデルのCX-4 他の人気になりそうだったSUVクーペ調のスタイル。

CX-4は中国専用のクロスオーバーだ。ホイールベースからもわかるように、ベースはCX-5だ。全長を180mm伸ばし、ボンネット高を下げるなどしてスタイリッシュなエクステリアになっている。中国で生産されている。

CX-4
デビュー年:2016年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4633mm×1840mm×1535mm
ホイールベース:2700mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G2.0/G2.5
駆動方式:FF/AWD

CX-5 CX系の主力モデル 世界で最も売れてるマツダ車

CX-5の欧州仕様

大ヒットとなった初代CX-5(2012年デビュー)を引き継いだ2代目モデルが現行CX-5。日米欧中どの市場でも大人気でマツダでもっとも売れているクルマがCX-5だ。エンジンは、市場に合わせて、ディーゼル、ガソリン、ガソリンターボなどを設定する。

CX-5
デビュー年:2016年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4575mm×1845mm×1690mm
ホイールベース:2700mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G2.0/G2.5/G2.5T/D2.2
駆動方式:FF/AWD

CX-50 北米専用の「ラギッド」なSUV

アメリカの新工場で生産されるCX-50

CX-50は北米専用モデル。トヨタとマツダが立ち上げた北米アラバマ州ハンツビルのMTM(マツダ・トヨタ・マニュファクチャリング)で生産される。1920mmという全幅を使ったラギッド(Rugged)なスタイルが魅力。

CX-50
デビュー年:2022年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4720mm×1920mm×1613mm
ホイールベース:2815mm
エンジン横置
エンジン:SKYACTIV-G2.5/G2.5
駆動方式:AWD

CX-60 ついに登場 ラージ・アーキテクチャー第一弾

後輪駆動ベースの「Large Architecture」採用の第一弾モデルが、このCX-60だ。

CX-60は、マツダのエンジン縦置きのラージ・アーキテクチャを採用した第一弾モデルである。欧州で発表された情報を整理すると

・SKYACTIV-G2.5+PHEV
・3.3ℓのSKYACTIV-D(直列6気筒ディーゼル)
・48V MHEVとの組み合わせ
・3.0ℓのSKYACTIV-X(直列6気筒ガソリン)
・トルクコンバーターレスの新開発8速AT
が存在する。エンジン(4気筒G2.5/6気筒X/6気筒D3.3)電動デバイス(48V MHEVとPHEV)駆動方式(FR/AWD)トランスミッション(8AT)を市場に合わせて組み合わせていくのだろう。直6ガソリンについては、当然北米向けにターボエンジンがあると考えるのが自然だ。

CX-60
デビュー年:2022年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4745mm×1890mm×1680mm
ホイールベース:2870mm
エンジン縦置き
エンジン:SKYACTIV-G2.5/G3.0/X3.0/D3.3
駆動方式:FR/AWD

CX-8 3列シートの大型SUV

マツダの国内SUVの現在のフラッグシップがCX-8だ。

マツダが「3列シートでミニバンに替わる選択肢」のために開発した国内CX系の最上位モデル。北米のCX-9と2代目CX-5を組み合わせてホイールベース2930mm、全長4900mmの大型SUVを開発した。

CX-8
デビュー年:2017年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:4900mm×1840mm×1730mm
ホイールベース:2930mm
エンジン横置き
エンジン:SKYACTIV-G2.5/G2.5T
駆動方式:FR/AWD

CX-9 北米の最上位モデル

現在もっとも大型のSUVがCX-9

北米向けに開発された大型SUV。3列シートも設定する。エンジンはSKYACTIV-G2.5T(ターボ)だ。初代モデルは2007年デビュー(2016年まで)で、3.7ℓV6エンジンを搭載していた。G2.5Tは、このエンジンの代替ダウンサイジング過給エンジンという位置づけだ。

CX-9
デビュー年:2016年
ボディサイズ
全長×全幅×全高:5065mm×1970mm×1747mm
ホイールベース:2930mm
エンジン横置き
エンジン:SKYACTIV-G2.5T
駆動方式:FR/AWD

以上9モデルを横並びで見ると、こうなる。サイズはおおよそ合わせてある。

上からCX-3/CX-30/MX-30/CX-4/CX-5/CX-50/CX-60/CX-8/CX-9である。

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