人気のミニバン機能性比較!ノア/ヴォクシーvsステップワゴン【乗降性&居住性編】

人気のミニバン機能性比較!ノア/ヴォクシーvsステップワゴン【乗降性&居住性編】ファミリーが快適に過ごせるのはどっち!?

2022年前半の国産車の主役は、トヨタ・ノア/ヴォクシー、ホンダ・ステップワゴンという、かつて5ナンバー枠(現在は3ナンバー枠)を基本とした箱型ミニバンの新型といっていいだろう。前者は2モデル合わせて発売後、数週間で3万台という驚異的な先行受注を獲得。後者も発売後約1か月で2万7000台という先行受注を集めている。好敵手2台の乗降性、居住性、装備の差を探ってみた。

TEXT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)

ノア/ヴォクシー とステップワゴンを比較。両車の乗降性の違いは?

いまやミニバンは低床設計が当たり前になっている中、身長171cmの筆者にとっては、両車の乗り降りのしやすさに大差は感じられない。よって、このあたりの基本的な部分では不便を感じるユーザーも少ないだろう。

ノア/ヴォクシー、ステップワゴンともに底床設計&広いスライドドア開口部をもつため、乗り降りのしやすさに不便は感じられない。写真はノア/ヴォクシー。

それでは、乗降に関する両車のオリジナルの装備を比較していこう。
まず、ノア/ヴォクシーは、助手席側の「ワンタッチスイッチ付パワースライドドア」を「X“V Package”」を除き全車に標準装備する。運転席も含めたデュアルは、スマートエントリーシステムもしくは、ワイヤレスドアロックリモートコントールとのセットオプション設定となる。

一方のステップワゴンは、世界初となる静電タッチセンサー式の「両側パワースライドドア(イージーオープンドアハンドル/挟み込み防止機構付/スライドドア・イージークローザー付)」を全車に標準装備している。
この静電タッチセンサー式は、指先で軽く触れただけでドアの開閉が可能。もちろん、予期せず開閉しないように誤作動を防ぐ禁止電極エリアが上下に配置されているので安心だ。静電式の場合、センサーの感度(操作)は、個人によって好みがありそうだ。従来どおりドアハンドルを握っても開閉することができる。

ステップワゴンは、世界初となる静電タッチセンサー式のスライドドアを採用。指先で触れるだけでドア開閉操作が可能。見た目のデザインもスッキリしている。

ステップワゴンの2列目に座って意外に便利に感じたのが、センターピラー内側に設けられたスライドドアの開閉スイッチ。こうしたスイッチは、インパネ右下(運転席側)に集中配置されていて、今までのミニバンにありそうでなかった装備だ。2列目のシート位置を問わず、ワンタッチでラクな姿勢でドア開閉操作ができるのはうれしい。また、純正アクセサリーでは、「ハンズフリースライドドア」「ロングアシストグリップ」を設定している。

ステップワゴンは従来のドアノブによる開閉操作に加えて、ピラーに設置されたスイッチでもドア開閉操作ができるので意外と便利。2列目シートがどの位置にあっても、ドアノブかスイッチで無理なく開閉操作ができる。

また、ノア/ヴォクシーの販売店オプション「ユニバーサルステップ」も便利だ。ドアの開閉に連動し、しかも作動に機械式の「からくり」を使うことで、税込み3万3000円とコストを抑えている。同ステップの有りor無しで乗降性を比べると、やはり有った方が便利で、スライドドアだけでなく、フロントドアにもステップが欲しくなったほどだ。小さな子どもやお年寄りがいる場合は、センターピラーに装着される「ロングアシストグリップ」とセットで欲しいところ。
同様のアイテムをステップワゴンも有していて、左側スライドドアの開閉に連動して作動する、電動式「オートサイドステップ」を純正アクセサリーで設定していてる。

ノア/ヴォクシーの「ユニバーサルステップ」の価格はなんと3万3000円とお買い得!ぜひ検討したいアイテムだ。
ステップワゴンの「オートサイドステップ」は電動式のため価格は20万6800円。ノア/ヴォクシーとの価格差は大きい。

続いて、後席の居住性の違いは?

ノア/ヴォクシーの7人乗りは、先代のように、横スライドしなくても2列目シートをそのまま745mmもロングスライドできるようになったのが大きなポイントだ。
2列目シートの骨格の見直し(リクライニング機構を骨格内側に配置)と、3列目シート跳ね上げ時の薄型化(クッションの受け構造をバネからネットに変更し、マイナス30mmを実現)が寄与している。

ノア/ヴォクシーは3列目シートを薄型化し、跳ね上げ状態でも邪魔にならなくなったため、2列目シートの内側スライドなしで745mmのロングスライドが可能となった、内側スライドのひと手間が減ったのは大きなポイントだ。

そのかわり、ノア/ヴォクシーの3列目シートは、座った感覚でも座面も背もたれも薄く感じられる。
3列目シートのヒール段差も抑えているため、座り心地の良さでは、より厚みを抱かせる3列目シートを備えるステップワゴンに軍配が上がる。ただし、走行時の3列目シートのフラットライド感では、ノア/ヴォクシーの方が上回っている印象だ。
一方で、前方視界は、3列目シートをより高く設定したステップワゴンの方が上回り、開放感に富んでいる。

ステップワゴンは、3列目シートに向かうにつれて、座面の位置を高くし、抜けのよい爽快な視界を確保。視界が開けることで「乗り物酔い」の低減にも寄与しているとのこと。

2列目シート(キャプテンシートの場合)の仕様は、ノア/ヴォクシーが「超ロングスライド+リクライニング+横スライド+両側アームレスト付」となる。
ステップワゴンも両側アームレストはもちろん、「AIR」を除きオットマンが備わるようになった。
着座感では、ステップワゴンの方が、若干厚みがあり心地良く感じられるが、大差とまではいえない。なお、ステップワゴンの2列目シートは、シートベルトがシート一体式になり、身体を大きくひねらなくても装着できるようになっている。

ステップワゴンも両側アームレストと、スパーダ系にオットマンが備わるようになった。シートベルトがシート一体式となる。

先述したように、ノア/ヴォクシーは、横スライドしなくても2列目シートのロングスライドが可能になっている。一方で、ステップワゴンは、横スライドが加わり、内に寄せると865mmのロングスライド、外寄せ時だと610mm。左側シートの横スライドは、最大115mm、右側シートの横スライドは75mmとなっている。ステップワゴンは、一旦内側に寄せる必要があるが、ロングスライドでは、足元空間を120mm広くできる。

ステップワゴンは2列目シートを内側に寄せると最大で865mmのロングスライドが可能。2列目シートの足元空間を120mmも広げることができる。


なお、ノア/ヴォクシーは、2列目シートの前後スライド・横スライド・リクライニングのレバー3本が似た形状で、やや慣れが必要かもしれない。対して、ステップワゴンは形状が異なり、レバーにイラストが配置されている。

ステップワゴンのシートスライドの操作レバーにはイラストが描いてあり、ユーザにとって親切な設計だ。

まとめ。「ステップワゴンの方が若干上回っている印象」

クルマが主役ではなく、家族みんなが主人公。開発テーマの「素敵な暮らし」を表現するため、「安心」と「自由」に注目し、ユーザーのライフスタイルを研究したステップワゴンが【乗降性&居住性編】では一歩リードという結果になった。

上記の結果を総合すると、今回のノア/ヴォクシーvsステップワゴン機能性比較【乗降性&居住性編】は、トータルでは「ステップワゴンの方が若干上回っている印象を受ける」という結果になりました。

次回、ノア/ヴォクシーvsステップワゴン機能性比較【走行性&積載性編】をお届けいたしますので、お楽しみに!

キーワードで検索する

著者プロフィール

塚田 勝弘 近影

塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー…