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新型シエンタのラインナップは18通りだがシンプルだ
トヨタのスモールミニバン「シエンタ」が3代目へとフルモデルチェンジを果たした。そのプライスリストをみると18グレードもあるため、一見すると複雑なラインナップになっているようにも思えるが、じつは非常にシンプルな構成となっている。
パワートレインでいえば、1.5Lガソリン+CVTのFF・1.5LハイブリッドのFF・1.5Lハイブリッドの4WDという3パターンで、それぞれにZ・G・Xという仕様違いが用意される。さらに、全グレードにおいて5人乗り2列シート仕様と7人乗り3列シート仕様が用意されている。
結果として、3×3×2=18パターンとなっているといった具合だ。
そして、2列シート仕様と3列シート仕様の価格差は、全グレードで一律4万円となっているのもわかりやすいポイント。
この程度の価格差であれば「大は小を兼ねる」とばかりに、3列シート仕様を選ぶほうが賢い選択と思いがちだが、じつはそう単純な話ではないのだ。
5人乗りと7人乗りの荷室はスペックでも明らかに違う
たしかにインテリアの写真を見ると、3列目の有無だけが違いのように思えるが、じつは2列シート仕様と3列シート仕様では2列目シートの構造が違うものになっている。その影響で、ラゲッジのスペックも異なっているのだ。
具体的にいえば、3列シート仕様においては、3列目が5:5分割のダイブイン機構タイプで、格納時にはフラットなラゲッジを生むようになっている。そして注目の2列目は5:5分割のタンブルタイプ。シートを最前にスライドさせた状態で前に回転させて格納するタイプとなっている。
では、2列シート仕様の2列目シートはどうなっているのかといえば、6:4分割のチルトダウンタイプ。ワンタッチでラゲッジとほぼ同じ高さに格納することができる。
そして、シート格納時の高さの違いに合わせて、ラゲッジフロア高についても3列シート仕様では505mm、2列シート仕様では565mmと微妙に仕様が異なっている。
車中泊をするなら2列シート仕様を選ぶべし
こうしたシート構造の違いによりラゲッジスペースのスペックも2列シート仕様と3列シート仕様では大きく異なっている。
もっとも違うのは2列目シートまで格納した状態での最大荷室長で、3列シート仕様が1525mmなのに対して、2列シート仕様では2045mmとなっている。
いずれも自転車を積み込めると聞けば、実用上は大差がないように感じるかもしれないが、約1.5mと2.0mというのは車中泊を考えると大きな違いだ。
一般的な大人の体型を考えると、ラゲッジスペース最大時に足を伸ばして横になるためにはシエンタでは2列シート仕様を選ぶ必要があるといえるからだ。
もちろん車中泊でしっかり休もうと思ったら、フロア部分にマットを敷くなりの工夫は必要だろうが、横になれる物理的なスペースを確保できるのは2列シート仕様だけなのは事実。
冒頭で「4万円の価格差であれば、大は小を兼ねるとばかりに3列シート仕様を選びたくなる」といった旨を記したが、じつは車中泊を楽しむための愛車選びであれば、新型シエンタにおいては2列シート仕様一択といえる。
なお、いずれのシート仕様でもフロントシートフラットモード(1列目のヘッドレストを外して最大にリクライニングさせることで2列目とつなげるシートアレンジ)には対応しているので、シートアレンジによって休憩しようというニーズには応えられるようになっていることもお伝えしておこう。