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第3話『⼀世の孫、跡⽬を競う』が配信開始!
12月16日からDMM TVで独占配信を開始した『LUPIN ZERO』(毎週金曜日配信)が、配信開始とともに大きな話題を集めている。そんな注目作の最新エピソード・第3話『一世の孫、跡目を競う』が12月23日より配信開始となった。
■STORY ルパンの前に、突如現れた黒服たち。彼らは、ルパンが"ジジイ"と呼ぶ「ルパン一世」―アルセーヌ・ルパンの使いだった。黒服に連れられて一世の屋敷へとやってきたルパンは、老い先の短い彼が提案するゲームに参加させられることに。 それは、勝った者に一世の遺産がすべて与えられるという「遺産争奪ゲーム」だった……そこには、一世に盗術を叩きこまれたある少年も参加していた。
ルパン一世がついに登場! 登場人物による駆け引きと激しいアクション!
第3話の見どころは、何と言ってもルパン三世の祖父・大怪盗ルパン一世(アルセーヌ・ルパン。声・安原義人さん)の登場にある。これまでルパン一世は、回想シーンやゲストキャラによる口伝、あるいは彼の残した盗術書が登場するのみで、『ルパン三世Part1』の物語が始まる時点ですでに故人だったことから物語に直接絡むことはなかった。
これまで回想シーンなどで描かれたルパン一世は、立派なヒゲを貯え、モノクル(片眼鏡)を愛用し、服装はシルクマットを被り、黒マントとステッキを着用する姿で描かれる事が多かった。が、今回の一世は病を患っており、パジャマ姿でベッドに横たわっている。ただし、その眼光の鋭さは現役時代からいささかの曇がなく、同時に女性に対しても衰えがないようで、裸の娘を3人も侍らせていた。
そんなルパン一世が、自身の死後に残す莫大な遺産を賞品として、少年ルパン、ロビン・フッドの16代目を名乗るアリオン(声・奈良徹さん)、アラビアの女盗賊プーラン(声・甲斐田裕子さん)、一世から泥棒術を仕込まれた少年アルベール(声・小林ゆうさん)とともに、遺産争奪戦を繰り広げることなった。だが、ルパン一世の狙いは遺産の継承とは別のところにあるようで……。
4人の身体能力と技を生かしたアクションと知略を尽くした駆け引きは見所満点だ。また、ラストは予想外の展開となるので、まだ未見の人はぜひDMM TVプレミアムで結末を自身の目で確かめてほしい。
戦前デビューのフォード・モデルAが昭和の東京を走る
ルパン3世シリーズと言えばガジェットやカーアクションも魅力のひとつ。Moter-Fan.jpとしては劇中に登場するクルマやバイクを取り上げないわけには行かない。
ただ、今回は奇巌城内でのアクションが物語の中心となるためクルマの登場シーンは少ない。劇中冒頭でルパン一世の手下が少年ルパンを迎えに行ったクラシックカーと、終盤でルパン二世(声・古川登志夫さん)を乗せたしのぶ(声・行成とあさん)が運転するジャガーEタイプ・シリーズ1が登場するのみ。
クラシックカーは正面が遠景で1シーン、あとは斜め上から走り去るように俯瞰したシーンと屋敷前に到着する後ろ姿を描いたシーンがあるのみ。
車種を正確に特定することはなできなかったが、特徴的な中央に谷があるフロントグリルと、後席ドアがスーサイドドア、サイドウインドウが6ライトになっていることから、おそらくはフォード・モデルA・4ドアセダン・スタンダードかと思われる。
モデルA(A型フォード)はモデルT(T型フォード)の後継として1927~31年にかけて生産されたフォードの大衆車だ。前任のモデルTは、1914年の登場とともにモータリゼーションの起爆剤となった世界初の大衆向け量産車であったが、20年代に入るとライバル社が新型車を相次いで市場に投入したことで性能が陳腐化。次第にフォード社の売り上げは低迷して行った。
だが、老いたヘンリー・フォードは周囲の助言にも耳を貸さず、モデルTの生産に固執。その結果、20年代中頃になると同社のシェアが大幅に落ち込みを見せたことから、息子のエドセルは極秘に後継となる新型車を開発し、粘り強く父親を説得した。その新型車こそがモデルAなのであった。
エドセル肝入りのスタイリッシュなボディに、世界初となる安全ガラスなどの近代的装備の採用、豊富なバリエーション、安価な価格設定が受けてモデルAは登場とともに大ヒット。1932年にV8エンジンを搭載したモデルBが登場するまで販売好調を維持した。
ルパン一世が大衆車を愛用するとは思えないので、劇中に登場するモデルAはおそらくは黒服の所有者か、あるいは組織の所有する車だと思われる。物語の舞台となる昭和30年代にはすでに街中では見かける機会は少なくなっていたが、戦前に輸入、もしくはフォード横浜工場でノックダウン生産され、大戦を生き残った車両が、数は少なくなったがまだ存在していたようだ。
ルパン二世の愛車はジャガー・Eタイプロードスター
劇中終盤で登場するジャガー・Eタイプは、XKに代わってジャガーが生産した4座のスポーツカーだ。
Eタイプは1961~75年にかけて生産されたが、劇中に登場するのはシリーズ1と呼ばれる初期モデル。シリーズ1に搭載されるエンジンは、当初はMk.IIと同じ3.8L直6DOHCが搭載されていたが、1964年10月のマイナーチェンジで排気量を4.2Lに拡大している。また、それに合わせて変速機をモス社製から自社製へと変更した。
シリーズ1の前期・後期はパワートレイン以外に差がないため、『LUPIN ZERO』に登場するシリーズ1がどちらのモデルかはわからない。だが、当時の輸入状況などから判断して、おそらくは3.8Lエンジンを搭載した前期型と推測される。左ハンドルで運転席側のみドアミラーを備えた仕様だったということは、個人輸入が難しい時代だったことを考えると、在日米軍の軍人が日本国内に持ち込んだ車両を入手した、もしくは非合法で手に入れたものと考えるのが自然かもしれない。
なお、ジャガーEタイプは『ルパン三世Part1』第4話「脱獄のチャンスは1度」で、刑務所(本来は拘置所になるはずだが)で死刑を待つルパン三世に教誨へとやってきた和尚が乗っていた。こちらも同じくシリーズ1のロードスターだが、右ハンドルのフェンダーミラー仕様になっているのが違いだ。おそらく、この車両は当時正規ディーラーだった新東洋企業が輸入した車両なのだろう。
池袋で行われたプレミアム上映会に潜入!
『LUPIN ZERO』の配信が開始された23日夜、東京のグランドシネマサンシャイン池袋にて「『LUPIN ZERO』プレミアム上映会」が行われたので、そちらのリポートもお送りしよう。
平日にも関わらず満席の会場の中、第1話『少年ルパン、狼に出会う』、第2話『列⾞で秘宝に⾷らいつけ』、第3話『⼀世の孫、跡⽬を競う』の上映後に、声優の畠中祐さん(ルパン役)、武内駿輔さん(次元役)、⾏成とあさん(しのぶ役)によるトークショーが開かれた。
大勢のファンを目にして喜⾊満⾯の畠中さんは「ルパンを PART1 から⾒ている世代もいる中で、そんな⽅々から『ルパンだ!』と⾔ってもらえたのは嬉しかった」と配信後の⾼評価にひと安⼼。これから配信が控える第4話については「監督がルパンを愛し過ぎている変態なのでアドリブ合戦です ! 台本もアドリブセリフを書き込んで真っ⿊になりました」と⾯⽩さを保証していた。
武内さんは周囲の反響について「ルパン好きの⽅々から反応を得られたのは嬉しいというか、ひと安⼼」と報告。プライベートでも熱狂的なルパン三世ファンという⾏成さんは、「兄から『好きを通り越してお前は出ているのか!?』とLINEが来ました。がんばって良かったねと、おめでとうと⾔ってくれた」と喜んでいた。
出演者の”ルパン愛”は海より深い!
畠中さんはアフレコ収録の初⽇について「ルパンとしてのひと⾔⽬はスタジオもすごい空気で、この第⼀声で⾃分がルパンになれるかなれない かが決まるという緊張があった」と振り返りつつ「テストの段階では60点くらいのルパンしか出なくてヘコんだ」と反省を口にする。それに対して武内さんは「祐の声を聴いたときに『これはいけるかも……』と思った」と⼤絶賛。⾏成さんからも「第⼀声を聴いて『ルパンだ……』と思った」と太⿎判を押されると、畠中さんは「ありがてえ~! 収録中にもそう⾔ってもらえて、ちょっと泣きそうな⾃分がいた」と感激しきりの様子。
また、⾏成さん演じるしのぶの印象について畠中さんは「ボクの中では⼤⼈の⼥。⼥性ではなく⼥とあえて⾔いたい。ルパン家を⽀える能⼒の⾼い⼈だけれど、ちょっとドキドキする。いや、中学男⼦だったら絶対にドキドキするはず︕」とヒートアップ。あまりの熱弁ぶりに武内さんから「今⽇⼀熱いね!」と突っ込まれていた。そんな武内さんは畠中扮するルパンについて「ルパンは⼦供のように無邪気な存在。⾃分のやりたいことをやり続ける。その理由は楽しいから。ルパンにはそんな印象がある」と分析する。
『ルパン三世』の次元が初恋の⼈という⾏成さんは、次元の印象を聞かれると即答で「次元 カッコいい! かわいい! 好き!」と次元愛を爆発させ、クリスマスを⼀緒に過ごしたい⼈についても「次元!」と⾼速返答で場内爆笑となった。
演者である声優からも深い愛を感じたトークショーもあっという間に終わりの時間がやってきた。
最後に⾏成さんは「今⽇は我らのルパン愛と仲の良さが伝わったはず。 最後まで作品をご覧いただき、ルパンを愛し続けてください︕」と祈願。武内さんは「シチュエーションを問わず、⽇常に寄り添ってくれるのがルパンの魅⼒。今回もそんな⽇常を彩ることの出来る作品になりました」と⾃負。畠中さんは「ボクはこの作品で改めてルパンと出会えた気がします。やはりルパンは魅⼒的! ポテンシャルの⾼い作品になりました。ルパンを知らない世代にもどんどん広めてほしいです」と感極まっていた。
LUPIN ZERO 原作:モンキー・パンチ 監督:酒向⼤輔 シリーズ構成:⼤河内⼀楼 設定考証:⽩⼟晴⼀ キャラクターデザイン:⽥⼝⿇美 美術監督:清⽔哲弘/⼩崎弘貴 ⾊彩設計:岡亮⼦ 撮影監督:千葉洋之 編集:柳⽥美和 ⾳響監督:丹下雄⼆ ⾳響効果:倉橋裕宗 ⾳楽:⼤友良英 メインテーマ「AFRO"LUPIN'68"」 作曲:⼭下毅雄 編曲:⼤友良英 エンディングテーマ「ルパン三世主題歌Ⅱ」 歌:七尾旅⼈ 作曲:⼭下毅雄 編曲:⼤友良英 劇中歌「かわいい男の⼦」 歌:SARM 作詞・作曲:荒波健三 アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム 製作:トムス・エンタテインメント 声の出演 ルパン:畠中祐 しのぶ:⾏成とあ 次元:武内駿輔 洋⼦:早⾒沙織 ルパン⼀世:安原義⼈ ルパン⼆世:古川登志夫 原作:モンキー・パンチ ©TMS