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走る歓びが増した新エンジン 先進機能追加など常に進化中
現行型が登場したのは2014年なので、だいぶ時間が経過していることには違いないが、マツダ2は進化し続けている。19年年7月の改良時には、シートやGVC、先進運転支援機能などを最新の仕様に変更するとともに、モデルライフ途中で車名変更するという異例の措置に驚かされたものだ。
エクステリア
その約2年後の21年6月には新しいエンジンを用意するという、さらに驚くべき出来事があった。新しいエンジンを投入した理由をマツダでは電動化技術の開発と合わてて内燃機関を磨き上げながら、CO2排出量削減と走る歓びの進化を追求し続けているためとしている。熱効率を高めることで燃費と環境性能を向上させることを主な目的とし、スカイアクティブG -1.5をベースに、レギュラーガソリン仕様のまま、圧縮比を従来の12.0から14.0へと高めたのが最大の特徴だ。
乗降性
ノッキング対策には、e-スカイアクティブXの開発で培ったノウハウが生きている。具体的には、外部EGRの導入による異常燃焼の抑制、「ダイアグナル・ボーテックス・コンバスチョン(斜め渦燃焼技術)」による燃焼安定性すなわちエンジン筒内の流動改善、4-2-1排気マニホールドの採用による筒内の残留ガスを減らす掃気改善というざっくり三つの新技術を用いている。
既存の標準仕様のスカイアクティブ-G1.5に対し、燃費は最大で6.8%も向上したという。スペック的には最高出力は変わらず、最大トルクが1Nm向上するとともに発生回転数が500rpm低くなるなど若干の変化があったのだが、実際にドライブすると違いは明らかだ。
インストルメントパネル
高圧縮比が効いてかアクセル操作に対する応答性とコントロール性が向上している。特に低速域のレスポンスが良く、踏むと即座にトルクが立ち上がり、過給機が付いているのかと錯覚するほどの力強さを感じシーンもしばしばあったほどだ。もともと3000rpm以上を多用する設定のところ、スポーツモードを選択するとより高回転域まで積極的に引っ張り、力強さを体感できる特性となる。同改良時には、新外板色が追加されるとともに、装備面でもワイヤレス充電やApple CarPlayワイヤレス接続が選べるようになったほか、AWD車にはワイパーデアイサーが標準装備された。
居住性
マツダ2に興味をもち購入を検討するユーザーにとって、競合車に対して引け目を感じることのないよう細かな部分でも装備がアップデートされたのは歓迎すべきことだ。さらに、このとき設定された特別仕様車「サンリット シトラス」は、燦々と輝く太陽の光をイメージし、グレージュのスエード調人工皮革のグランリュクスをシートやインテリアの各部に用いてシトラスを挿し色に加えたという、これまでにない雰囲気の室内空間が特徴だ。
うれしい装備
月間登録台数 2271台(21年11月〜22年4月平均値) 現行型発表 19年7月(一部改良 21年6月) WLTCモード燃費 25.2km/l※XD」系のFF/6速MT
ラゲッジルーム
現行型がモデルライフ終盤にさしかかっていることには違いなく、次期型の情報もちらほら聞かれるようになってきたが、これからマツダ2を買おうという人のため、手を緩めることなく良いものができたらどんどん導入していく姿勢には、いつもながら感心させられる。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.142「2022-2023 コンパクトカーのすべて」の再構成です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/142/