2022年イギリス新車販売の16.6%がBEV! ガソリン車に次ぐ2番人気。でも中身を分析していくと別の姿が……

DATA & FIGURE:SMMT
2022年の英国の自動車市場は、サプライチェーン不足により、新車販売台数は161万台に縮小、パンデミックに見舞われた2021年比で2.0%減だった。それでも英国は欧州第2位の市場に返り咲くことができた。注目したいのは、BEVのマーケットシェアである。
FIGURE:SMMT

2022年英国新車市場は161万台 BEVは26.7万台

英国自動車製造・販売業者協会(SMMT)の最新統計によると、英国の新車市場は12月に5ヵ月連続の成長を記録し、18.3%増の12万8,462台の新規登録台数を達成した。しかし、この下半期業績は、2022年上半期に記録した減少を相殺するには十分ではなかった。年間全体の登録台数は2.0%減の161万台となり、コロナ禍前の水準(2019年が231万1140台だった)を約70万台下回った。

イギリス新車販売台数の推移(sauce:SMMT)

SMMTのデータによる。コロナ禍の影響が3年にわたっていることがわかる。

英国 パワートレーンシェア 

供給不足の中、多くのメーカーが最新のゼロエミッション対応車の納入を優先させた。12月はバッテリー式電気自動車(BEV)の月間シェアが32.9%と過去最大となり、2022年全体では16.6%と、初めてディーゼルを抜いてガソリン車に次ぐ人気パワートレーンとなった。前年からの伸びは40.1%にもなる。一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)の年間シェアは6.3%に低下(2020年10.7%、2021年18.6%だった)し、2022年の新車登録台数に占めるプラグイン車(BEV+PHEV)の比率は22.9%なった。

新車の平均 CO₂排出量は 6.9%減の 111.4g/km となり、再び過去最低を記録した。

2022年 イギリス新車販売 パワートレーン比率 sauce:SMMT

SMMTのデータによる Petrol=ガソリンエンジン MHEV=マイルドハイブリッド搭載車

確かにパワートレーン別のシェアでいくと、BEVはPetrol(ガソリン車)の次になる。別の見方をしてみよう。

ガソリン+MHEV(ガソリン):55.9%
ディーゼル+MHEV(ディーゼル):9.6%
HEV:11.6%
PHEV:6.3%

ここまでで83.4%。つまり2022年では全体の83.4%がなんらかのICE(内燃機関)を搭載しているわけだ。
BEV:16.6%

ちなみに同じように計算すると
2021年
ICE搭載車:88.4%
BEV :11.6%

BEVのシェアの伸びは確かに大きいが、まだまだICE搭載車が多い。

今度は「なんらかの電動化」をしているクルマの割合を見てみよう。

2022年
MHEVディーゼル+MHEVガソリン+PHEV+HEV+BEV=52.6%
純ICE車47.4%

2021年
MHEVディーゼル+MHEVガソリン+PHEV+HEV+BEV=45.5%
純ICE車54.5%

となる。

SMMTのデータによる

このBEVを購入しているのは、主にフリートやビジネスバイヤーだ。

2022年の英国の自動車購入者は
個人:50.7%
フリート:46.5%
ビジネス:2.8%

個人購入者が全登録台数の半分以上を占める一方で、フリートやビジネスバイヤーがバッテリー電気自動車の大部分を占め、全BEV登録台数の3分の2(66.7%)と2022年の台数増加の74.7%を占めている。つまり、いまのところBEVを買っているのは(リースも含めて)企業や法人ということである。

2022年イギリスで売れたBEVランキング

DATA:SMMT

上の表は2022年にイギリスで販売されたBEVのランキングだ。TOP1-2がテスラ、3位がKIA、4位にVW ID.3となっている。日本車では5位に日産リーフが食い込んだ。

2022年イギリス新車販売モデル別ランキング

DATA:SMMT

上の表は2022年にイギリスで新車販売されたクルマのモデル別ランキングだ。左が2022年12月の月間、右が2022年年間のデータだ。ご覧のとおり、トップは日産キャシュカイだった。

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