2023年1月13日(金)〜15日(日)に千葉県の幕張メッセで開催中の国内最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2023」には、国内外の自動車メーカーも出展している。
三菱ブースでは話題の新型車「デリカミニ」を中心に、同社らしいアウトドアテイスト溢れるカスタムカーが多数公開されたが、その中でも異彩を放つ1台があった。
それがアジアクロスカントリーラリー2022で優勝を飾ったトライトンラリー(T1仕様=改造クロスカントリー車両)だ。
アジアクロスカントリーラリー2022は2022年11月21日〜26日の6日間で1500km余りを走破し、105号車のチャヤポン・ヨーター選手(ドライバー)//ピーラポン・ソムバットウォン選手(ナビゲーター)ペアがトップでチェッカーをくぐり、三菱ラリーアートのモータースポーツ復帰を勝利で飾っている。
チームを率いた三菱のレジェンドドライバー・増岡浩監督は参戦時に「まだ復活したばかり。上位入賞を狙いたい」と言っていたが、有言実行どころか復帰即優勝という殊勲で三菱モータースポーツに新たな伝説を刻んだと言えるだろう。
トライトンラリーの展示は三菱のラリーカーらしく傾斜した舞台に上げられ、躍動感のある展示になっていた。
そして、車高の高いクロスカントリーラリーカーだけに普段はなかなか見ることができない、車体の裏側を見ることができた。
これもラリーカーらしく、基幹部であるエンジンルームはアンダーガードが装着されており見ることはできなかったが、縦置きのトランスミッション、と前後に駆動を分割するトランスファー、後輪へ駆動力を導くプロペラシャフトを見ることができた。
また、トライトンがラダーフレームを採用したタフな構造のピックアップトラックであることもよくわかる。
リヤアクスルはさらに見やすく、リジッドのホーシングはもちろん、ラダーフレームに固定されたリーフスプリングとショックアブソーバーを組み合わせたサスペンションがよく見える。
リヤまわりにはガード類が装着されていないのが意外に感じたが、元々未舗装路の多い東南アジアを中心とした市場で活躍するトライトンだけに、ラリーカーであってもデフガードなどが必要ないくらい頑丈ということだろうか。
トライトンラリーのそばには自動車総合優勝と自動車T1Dクラス(改造クロスカントリー・ディーゼル車両)優勝のトロフィーも飾られれていた。開催地らしいタイ陶器「ベンジャロン焼き」なのが面白い。
増岡浩監督は三菱ラリーアート復活にあたって「小さく産んで大きく育てる」と語っていたが、産まれて間もないにも関わらず早速アジアクロスカントリーラリーで優勝するほどに育ってしまったわけだから、ラリーアートがさらに大きく育ち、次はどのような舞台に姿を見せるのか今から楽しみで仕方がない。
■トライトンラリー・アジアクロスカントリーラリー2022優勝車(レプリカモデル) ・ボディ サイズ:全長5300mm×全幅1815mm ホイールベース:3000mm トレッド(前/後):1520mm/1515mm ・エンジン 型式:4N15型直列4気筒MIVECターボディーゼル 排気量:2442cc 燃料噴射装置:高圧コモンレール 最高出力:133kW(180.83ps)※ 最大トルク:430Nm(43.84kgm)※ ・駆動方式 トランスミッション:6速MT 4WDシステム:スーパーセレクト4WD-II デフ(前/後):CUSCO製差動制限装置付き ・サスペンション フロント:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング・独立懸架 リヤ:リーフスプリング・リジッド ショックアブソーバー:CUSCO製減衰力調整式ダンパー ・ステアリング ステアリング型式:ラック&ピニオン(パワーステアリング) ・ブレーキ ブレーキ型式:ENDLESS製4ポッドキャリパー+ベンチレーテッドディスク ・ホイール ホイール:WORK製CRAG T-GRABIC II ホイールサイズ:17インチ×8J ・タイヤ タイヤ:横浜ゴム製GEOLANDAR M/T G003 タイヤサイズ:265/70R17 ・エクステリア カーボン製フード&前後ドアパネル ※編集部換算値