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オートサロンでカーボンニュートラルに触れる車両展示
東京オートサロン2023の併催イベントとして、カーボンニュートラルをテーマにした「オートサロンテック 2023」がオートサロンの会場内、国際会議場2Fコンベンションホールで開催されている。今回のオートサロンテックは、次世代モビリティの姿のひとつである“MaaS(Mobility as a Service)”をテーマにした2020年以来、2回目の開催となる。
カスタムカー愛好家のイメージが強いオートサロンの来場者に対して、カーボンニュートラルとは少しかけ離れたイベントと思われるが、一般の人よりも「クルマをカスタムして愉しむ」層、つまりクルマと接触する機会が多い人たちが集まるイベントだからこそ、少しでもカーボンニュートラルに関する知識を持ってもらおうというのが狙いだという。
“カーボンニュートラル challenge!”未来の動力源を搭載する車両
オートサロンテック2023では、“カーボンニュートラル challenge!”と題して、水素やバイオ燃料エンジン、電池といった未来の動力源を搭載する車両が展示されている。
三菱自動車は高い人気を誇る「アウトランダーPHEV」と、2022-2023日本カーオブザイヤーに輝いた「eKクロス EV」を展示。PHEVとEVという現時点での実用面で困ることのないパワートレインなので、カーボンニュートラルの第一歩をこのクルマから始めてみてはいかがでしょうか?
トヨタは「水素カローラクロス」と「グランエースをベース車にしたFCEV移動式オフィス」を展示。水素カローラクロスは、ガゾリンエンジンから変更箇所を最小限にとどめ、エンジン本体はS耐で鍛えた直列3気筒ターボをそのまま使用している。床下(ラゲッジ下、後席床下)に水素タンクを2本搭載し、5人乗車&荷室スペースを確保している。
グランエースをベース車にしたFCEV移動式オフィスは、水素から電気を作り出すことができるので、長時間の駐車で電気を使用していても周囲を気にすることなく過ごすことができる。グランエースのもつ広い社内空間を活かしてモバイルオフィスなどに最適な高い居住性を提案している。
マツダの「CX-60 バイオフューエルビークル」は次世代バイオディーゼル燃料の「サステオ」を使用してる。サステオは、ユーグレナ社が製造しているバイオ燃料で、従来型のバイオディーゼル燃料とは異なり、分子構造が化石由来の軽油と同じであることから、従来車にそのまま使えるのがメリット。サステオの原料はユーグレナ(和名:ミドリムシ)から抽出したユーグレナ油脂と使用済みの食用油。ユーグレナは食料と競合せずに培養可能で使用済みの食用油も使用済みの廃棄物の再利用だ。
バッテリーの交換・持ち運びができるモバイルパワーパックを展示
ホンダのブースでは「モバイルパワーパックで拡がる移動と暮らし」をテーマに、電動モビリティとエネルギーサービスを繋ぐ「e:TECHNOLOGY」技術を紹介。交換・持ち運びができるモバイルパワーパックの特性を活かした用途を電動カートや電動バイクを展示している。
モバイルパッチワークは、利用者はICカードを充電ステーションにかざすと認証が行われ、充電するバッテリーを、ステーションが指定する場所に挿入し、かわりに満充電されてバッテリーを受け取るという仕組み。バッテリーの重さは約10kgぐらいで、3〜4時間で充電が完了する。写真の電動バイクの場合は2個のバッテリーを使用し航続距離は約70km〜80kmだという。近所を移動するには十分なスペックだといえる。
実際にインドでは数箇所で運用されていて、バッテリーの盗難や故障など大きなトラブルは起こっていないそうだ。インドではバッテリーを4個搭載する電動の3輪バイクもラインナップされていている。現在、国内では東京都庁に設置されているのみだが、今後広い地域に展開されることを期待したい。
TOM’Sブースでは、カーボンニュートラルを実現しながら楽しめる“電動モータースポーツ”の可能性提案し、都心部でも開催できるEVカートを展示。音や振動、さらには環境問題を軽減しながら実現できる電動モータースポーツの可能性を、エンターテイメント性を取り入れながら、子供から大人まで楽しめる4タイプのEVカートが展示されている。
また、自動車ジャーナリストの山本シンヤさん/竹岡圭さん(日曜のみ)が、カーボンニュートラルをわかりやすく解説するトークショーも予定されている。東京オートサロン2023の入場券をお持ちの方は無料で入場できるので、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。