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次世代燃料電池システム搭載車を2024年に北米と日本で発売
ホンダは2023年2月2日に東京・青山で水素事業に関する説明会を実施し、米ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発している次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」のコンセプトモデルを公開するとともに、2020年代半ばに次世代燃料電池システムモジュールの他社への外販を開始すると発表した。
2040年にすべての新車のEVとFCV化を掲げているホンダは、現在、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発している次世代燃料電池システム「e:FUEL CELL」のコンセプトモデルを日本で初公開した。2021年9月まで発売されていたクラリティフューエルセルと比較して、コストは1/3、耐久性は2倍に向上させるとともに、耐低温性も大幅に向上しているという。
さらに、燃料電池の本格普及が見込まれる2030年頃に向けて、さらに2024年の段階からコストの半減と2倍の耐久性を目標値として設定し、トータルで現在の約1/6のコストとなることで、従来のディーゼルエンジンと同等の使い勝手やトータルコストの実現を目指して研究を進めていていく。
また、昨年北米で発売した新型CR-Vをベースとして「e:FUEL CELL」搭載の新型FCEVを2024年に北米と日本で発売する予定と発表した。新型モデルは水素充填による走行に加え、プラグイン機能を装備して家庭充電によるEV走行も可能であることが大きな強みだ。生産は米国オハイオ州メアリズビルのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で、2024年から開始される予定となっている。
2020年代半ばに燃料電池システムの外販を開始。産業分野でのシエア拡大を目指す。
さらにホンダは、コア技術である燃料電池技術を自社のFCEVだけに活用するのではなく、2020年代半ばに次世代燃料電池システムのモジュールを他社へ販売すると発表した。販売当初は年間2,000基レベルを想定し、段階的に拡大することで、2030年に年間6万基、2030年代後半に年間数十万基レベルの販売を目指す。
水素はバッテリーに比べ、エネルギーを高密度で貯蔵・運搬することができ、短時間で充填可能という特長を持っている。その特徴を活かし、バッテリーでは対応が難しい、商用の大型トラックや重機、バスなとの大型モビリティや、複数基の燃料電池システムを並列接続することで高出力化が可能となることから、大型施設のインフラ電源などでも特に高い有用性が見込まれている。こうしたことから、参入初期は自社のFCEVに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つを主な適用領域として設定し、BtoBの運輸、産業分野に向けた事業開発も進めていく計画だ。
商用大型トラックについては、日本国内では、いすゞと共同で公道での実証実験を2023年度中に開始予定だ。中国では、東風汽車と共同で次世代燃料電池システムを搭載した商用トラックの走行実証実験を2023年1月より湖北省で開始している。