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立体的な大画面を実現するフローティング構造に、有機ELによる高精細ディスプレイなど、最新カーナビゆえのスペシャリティは複数に渡る。そのいずれもを備えるのが本モデル。シリーズ初代の登場以降も、年次のモデルチェンジごとにひとつひとつ特別さを追加して今に至る。
最新モデルでは、エンタメ能力にも一層の磨きがかけられた。自宅のレコーダーに録りだめた番組や現在放送中の番組のリモート視聴も可能となる「レコーダーリンク」機能を搭載している。
また、ナビ機能も充実一途だ。有機ELの優位性を引き出すべく高精細で美しい「HD美次元マップ」が採用され、特に3D地図の美しさには目を見張る。夕景や夜景もリアルで美麗。また前年モデルにて果たされたプラットフォームの刷新により、操作レスポンスの一層の高速化も果たされている。起動の速さも自慢だ。
高精細ディスプレイによる独自の持ち味を
さらに活かす他方面からのチューンナップ
イヤーモデルごとに、新たな機能を追加することでお馴染みとなったストラーダF1X。2022年モデルにおける最大の見どころは、自宅にあるレコーダーとナビ本体がつながるレコーダーリンク機能だ。
「実は2年ぐらい前から構想がありました。ナビの中でレコーダーの映像を見ることができないかといろいろ試行錯誤してた時に、これは実用できるよねというような技術が見つかりまして(山鹿氏)」
超えるべき壁は技術的な面のみならず、それ以外にもあった。
「懸念したのは、お客様のパケット通信を使ってのストリーミング再生になる点です。お客様によっては容量的に余裕のない方もおられます。そのため、パケットを節約されたい方には画質を選択できるような機能を入れたり、どれぐらいパケットを使っているかも表示できるようにしました(山鹿氏)」
パケット使用量を控えめにしつつ、画質を維持できる工夫もあった。
「パケットを間引くと解像度は落ちますが、パケット節約モードでも、画質的には全然悪くないなと思ってるんです。大事なのは、その設定ポイントですね。 パケットを抑えつつ、見映えのする画質を維持する調整が肝心です(山鹿氏)」
高精細の有機ELディスプレイを使うだけに、映像そのものの見栄えが悪くなるのは許されない。その観点による改善は、新機能であるレコーダーリンク以外にもあった。
「これまでのモデルで、ワンセグかフルセグかちょうど切り替わるシチュエーションにおいても、安定した地デジ視聴が可能となります。受信環境によっては、不完全な状態でデータを受信してしまう場合がありますが、それを訂正する機能が向上しています(中川原氏)」
車内はノイズとの闘いでもある。その点で言うと、宅内での家電より環境としては過酷だ。
「クルマ自体のノイズもかなり増えている状況です。特に最近では電子化も進んでますので、よりノイズには苦労してます(中川原氏)」
映像面での向上はもちろんのこと、前モデルに引き続き、音の面でもチューンアップが行われている点にも注目したい。
「一昨年のモデルで、音質面の見直しをおこないました。今モデルでもそれは継続しています。画質面がよく注目されますが、音質面でも高い評価を頂いているんです(中川原氏)」
地デジ受信性能が上がり、音質が向上したことに加え、レコーダーリンク機能は新たな視聴シーンも可能にしている。
「ご自宅から遠いところに行かれた時、受信可能な放送局が変わるため、地デジチューナーだけではいつもの番組を観られない場合があります。その点レコーダーリンクなら、録画番組だけでなく、どこに行ってもローカル局の放送が観られるというメリットもあるのです(山鹿氏)」