カー用品店で買えるようになったシェルのエンジンオイル『Shell・HELIX ULTRA 』【制作者に直接聞く!傑作カーグッズ輩出の舞台裏 CarGoodsMagazine】

その年を象徴する、カー用品の傑作を讃えるCarGoodsMagazine恒例企画が「カーグッズ・オブ・ザ・イヤー」。先進性に優れ、話題に溢れるその顔ぶれを見ればカーグッズのミライが見える! 製品概要だけではうかがいしれないその意義と意味を、傑作輩出の当事者に直接聞いてみた。

クルマにとっての血液ともいえるエンジンオイル。過酷な状況下でもいかに油膜を保持し、滑らかな潤滑を維持できるかはオイル次第といっても過言ではない。大切に長く乗り続けたい愛車だからこそ、間違いのない銘柄を選びたいものだ。

石油メジャーとして長い歴史を紡いできたシェルが手掛けたオイルなら、信頼性が高く、安心して注入できる。ただし、シェルのオイルはこれまで街のサービスステーションでしか入手できなかった。それゆえ存在を知っていても、試す機会がなかった……というひとも少なくはないはず。
2022年にリリースされた「シェル ヒリックスシリーズ」は、オートバックスやイエローハットで展開されるカー用品店の専売モデルだ。最高峰グレードとなるウルトラを筆頭に、ハイブリッドやフューエルセーブ、シティと多彩なラインアップを揃える。

Shell『HELIX ULTRA(価格:オープン)』
オートバックスとイエローハットで購入可能になった、待望のシェル・トップモデル。不純物の少なさでアドバンテージを持つ天然ガスを基にし、カーボンニュートラルを明記する高い先進性にも注目が集まる。

いずれもカーボンニュートラル認証を取得した環境に優しいオイルでありながら、F1をはじめとするモータースポーツで培ってきた知見を惜しみなく注入。「情熱も、やさしさも。」と銘打ったキャッチコピーに、シェルの思いが凝縮されている。

販路を変えてより明確となる他にはないコンセプトと独自性

長らく昭和シェルのサービスステーションで販売されてきたシェル・ヒリックスは、発売開始から20年以上が経つロングセラー。ただ出光興産との合併により、その形態は変わらざるを得なくなった。
それでも、シェルとしては依然として日本市場を重要視していることに変わりない。国内で研究から製造販売を維持するために新たな会社を設立し、大手カー用品量販店向けでも購入できるようにしたことは業界内でも大きな話題となった。
給油ついでのサービスの一環としてではなく、個別商品として魅力を携えられるよう、そのコンセプトはより明確になっている。パッケージにうたわれるカーボンニュートラル表記はその一例だ。

「全ラインナップでカーボンニュートラル認証取得しているエンジンオイルの導入は、我々が国内で初めてになります。環境意識の高いお客様に対して、このオイルを使っていただくことで貢献度を体感頂けるのではないかと思っています。SDGsに貢献する取り組みの一つですね」
なぜ他にないのか。それは世界的な取り組みを通じてこそ可能になるためだ。
「シェルとしては他にもカーボンニュートラル認証取得している商品がありますので、それらと共に全世界で年間にこれだけの数量をカーボンニュートラル商品として販売しますというのを取りまとめ、発生するであろう二酸化炭素の量を換算して、自然保護プロジェクトを通じたカーボンクレジットによって排出量をオフセットしています」

シェル ルブリカンツ ジャパン株式会社
営業部 営業一課 マーケティングマネージャー
入江美沙 氏

もちろん、純粋な製品要素でも、他にはないアドバンテージがある。
「天然ガスからオイルを生成するというシェル独自の技術があります。もう30年ぐらい前からの技術になりますね。大きな特徴としては、非常に精製度が高くて不純物をほとんど含まないため、劣化しにくいですとか、添加剤の効能が非常に効きやすいといったメリットがあります。寒い所でも固まりにくいですし」
添加剤を加えることで必要な性能を持たせるオイル生成の過程において、ピュアなベースオイルは何よりの高い素養と言える。劣化しづらく、エンジンをキレイに保ちやすい。
「原油から生成する場合でも、グレードの高いものになると精製度を高めることで、より不純物を除去したものが使われますが、それを限りなく不純物なくできてるというところですね。
いわゆる、ガス・トゥー・リキッドの技術であり、オイルに精通している方には”GTL”という呼び方でなじみがあるかと思いますが、この商品ではメイド・フロム・ナチュラルガスという書き方をしています」
 日本市場では手薄とされてきた輸入車に対しても、その信頼感は高い。
「ウルトラシリーズは、BMWやフォルクスワーゲンにメルセデスベンツなど、各社の認証を取っています。ここまでの認証を得ているものは、国内で販売しているエンジンオイルとしては珍しいと思います」。
合わせて輸入車向けの専用品ではないことにも注目したい。国産車にも当然使うことができ、そしてディーゼルにも対応している。高い素養を活かした懐の深さも、他にはない独自のアドバンテージだ。

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