「ドライバー異常時対応システム」を搭載するCX-60を展示し、人間中心の安全思想やその構成技術を紹介
ESV国際会議は、世界規模で開かれる自動車安全に関する国際会議で、通常2年ごとに米国、日本、欧州諸国等で開催される。今回は「次の50年に向けたすべての人のための先進的で公平な車両安全」をテーマに、子どもや高齢者といった交通弱者保護の安全技術や自動運転や人工知能の先進技術等について発表や議論が行われる予定で、各国の政府機関、研究機関、産業界等から多数の参加が見込まれている。
今回マツダは、先進安全技術「ドライバー異常時対応システム（DEA＝Driver Emergency Assist）」を搭載するクロスオーバーSUV「CX-60」を展示し、人間中心の安全思想やその構成技術を紹介する。
マツダは2040年を目途に、自社の新車を原因とする死亡事故をゼロ（※）にすることを目指し、ドライバーが安全運転できる状態を最大限確保し、事故リスクの発生自体を抑制する安全思想「マツダ・プロアクティブ・セーフティ（MAZDA PROACTIVE SAFETY）」に沿って段階的な技術開発を進めている。その一環として、人を深く研究し、人体や脳のメカニズムを理解・モデル化することで、ドライバーの眠気や疾患などの状態リスク低減に寄与する高度運転支援技術のコンセプト「マツダ・コパイロット・コンセプト（MAZDA CO-PILOT CONCEPT）」を採用している。
※自動車技術で対策可能なものについて
「DEA」はこのコンセプトに基づく先進安全技術で、心臓、脳の血管、てんかんなど脳神経や低血糖等の疾患による意識喪失によってドライバーの運転が継続できないと判断した場合に、周囲に知らせながらクルマを速やかに減速停止し、緊急通報まで繋げる。昨年発売した国内向け「CX-60」（※1）に搭載され、ドライバー異常時対応システムに関する最新（2023年3月時点）の国連協定規則に日本で初めて対応している（※2）。マツダは今後、2025年以後も見据えた開発ロードマップに沿って、同コンセプトに基づく技術やその搭載車種を順次拡大していく予定だ。
※1：e-SKYACTIV D 、SKYACTIV-D 3.3 、e-SKYACTIV PHEV 、SKYACTIV-G 2.5 搭載モデル
※2：国連協定規則第79号第4改訂を踏まえた日本国内の道路運送車両法の改正保安基準に適合