MAZDA3 e-SKYACTIV-X搭載モデル長期レポート | サービスキャンペーンのお知らせが届いた……

「サービスキャンペーン」のお知らせ。何をサービスしてくれるの? MAZDA3 SKYACTIV-X搭載モデル

マツダから、なにやらお知らせが届いた……
「MAZDA」のロゴが目立つ封書が届いた。表には「至急ご開封の上、記載内容をお確かめください」とある。裏を返すと、「マツダからの重要なお知らせです」と、念押しがあった。さてはワクチン接種券? なわけはなくて、中身を確認するまでもなく、内容は把握していた。封書が届く前に、関東マツダ・高田馬場店の営業担当、飯田雅人さんが電話で知らせてくれていたからだ。
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

「サービスキャンペーン」のお知らせである。なんだかお得なサービスのように感じられるが、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届け出を行なったうえで設計・製造過程で問題があった箇所を回収・修理し、事故・トラブルを未然に防止するサービスである。

これが届いた封書。

国土交通省が定めるリコール制度のひとつで、リコール>改善対策>サービスキャンペーンの順に重要度は高くなる。リコールは道路運送車両の保安基準に適合しないか、適合しなくなる恐れがあり、放置しておけば重大な事故や故障につながる可能性がある状態。改善対策は、道路運送車両の保安基準に抵触はしないが、安全上、または環境上放置しておくのが好ましくない状態を指す。サービスキャンペーンは上記に該当しない軽微な不具合だが、商品性改善のために措置が必要と判断される状態を指す。リコール、改善対策、サービスキャンペーンとも、修理は無償だ。

開始日が令和3年7月9日に設定された「MAZDA3、CX-5、CX-8、CX-30、MX-30」を対象とするサービスキャンペーンの内容は、マツダの公式ホームページでも確認することができる。

封書で届いた「お知らせ」には、「ご愛用車のサービスキャンペーン(無償修理)実施に関するお詫びとお願い」と題し、以下の記述があった。

コネクティッドサービスの車載通信ユニットにおいて、通信制御プログラムが不適切なため、エンジンスイッチをOFFにしてから一定時間経過した際、ドアやリアゲート、ボンネットの開閉、またはドアの施錠や開錠の操作を行うと、電流が流れ続ける場合があり、その状態が続くとバッテリーが上がるおそれがあることが判明しました

バッテリー上がりという困った事態(さて、出かけようと思ったところで、ドアは開錠しないし、エンジンは始動しない)を避けるため、「車載通信機器の通信制御プログラムを対策プログラムに修正」するのが、サービスキャンペーンの内容だ。飯田さんからは7月11日に電話連絡をいただき、22日に伺う旨の予約をした。

以前のレポートでも触れているが、MAZDA3は「アドバンストキーレスエントリー」が機能する。キーに備わったボタンを押す必要はなく(押しても開錠/施錠はできる)、キーを身につけていれば(手持ちのカバンの中に入っていれば)、ドアハンドルのタッチセンサーに触れるだけで、運転席、または助手席側のドアを開錠/施錠することができる。施錠する際はドアハンドルに触れる必要はなく、ドアを閉じて3mほど離れると自動的に施錠される。

外出先で駐車場に駐めた我がMAZDA3

すべてのドアが施錠された状態でもキーを身につけていれば、リヤゲートの電磁式オープナー(Mエンブレムの下側にある)を操作するだけで、他のドアは施錠した状態のまま、リヤゲートだけ開錠することができる。車載通信機側のドアの開け閉めにまつわる制御プログラムが適切ではなく、ある条件のときに省電力モードに移行せずに電流が流れ続け、最悪の場合はバッテリーが上がってしまうということだ。

飯田さんに、「トラブル出た人いるんですか?」と尋ねてみたところ、「ええ。バッテリーが上がってしまったお客様がいらして、助けに行きました」との答えが返ってきた。そういうトラブルの報告が集まって「何かおかしいぞ」となり、よくよく確かめてみたら通信制御プログラムに不適切な箇所があることが判明。サービスキャンペーンの実施に至ったというわけだ。

封書で受け取った「お知らせ」には、無償修理によってプログラムを修正するまでの間、バッテリー上がりを回避するための注意事項が書いてあった。

・エンジンスイッチをOFFにした後、2分以内にドアの施錠操作を行ってください。

・エンジンスイッチをOFFにした後、2分以降にドア・リアゲート・ボンネットの開閉/ドアの施錠や開錠の操作をされた場合(荷物の積み下ろしや洗車など)、お手数ですが、エンジンスイッチをON→OFFにした後、2分以内にドアの施錠操作を行ってください。

クルマを駐車スペースに駐め、エンジンを切ったら、車内でもたもたせずにクルマから降り、さっさと施錠しろということである。で、もしエンジンを切ってから2分以上経過したら、面倒だけれどもエンジンのON→OFF動作を行ない、2分以内に施錠しろということだ。案内を受け取ってからの10日間ほどはバッテリー上がりの恐怖が頭から離れず(それまで何も意識せずに付き合っていたくせに)、なかなか緊張感があった。

相変わらずボディカラーもデザインも気に入っている。

MAZDA3との付き合いはそんなに長くはないのに慣れとは恐ろしいもので、あるとき、外出先で駐車場に止めた我がMAZDA3のラゲッジルームに置き忘れた荷物を取りにリヤゲートだけ開錠し、荷物を取って数百メートル離れた建物に戻った。戻ったところで「あっ!」と気づいた。注意事項の2番目に該当する行為を行なったことになるからだ。そこで、炎天下を慌ててクルマまで戻り、運転席ドアを開錠してエンジンのON→OFFを行ない、即座に施錠してクルマを離れた。汗だくである。

作業を待つ間、居心地のいいショールームでお仕事をさせていただいた。

サービスキャンペーンの作業は約1時間で終了。作業終了を待つ間、居心地のいい(そして、眺めのいい)ショールームで待たせていただいた。せっかくなので、水洗い洗車(手洗い)をお願いした。本来なら550円の費用が発生するが、「こちらからご迷惑をお掛けして来店していただいているので」と、サービスしてくれた。

その数日後、車載通信ユニットがさっそく仕事をして(?)、スマートフォンアプリの「MyMAZDA」に気になるメッセージが……

著者プロフィール

世良耕太 近影

世良耕太

1967年東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。編集者・ライターとして自動車、技術、F1をはじめと…