2019年に定年となった後はロードスターアンバサダーを務めてきたが、それも今年の2月で退職となり、今はフリーとなる山本氏。
初代NAロードスターを送り出すに当たっては、作り手の思いと共に、伝え手の思いも込められていたと語る。それを表していたのが当時のカタログで、普通は写真を使うところ、あえてのイラストを採用。当初は反対だった上役も、カタログ制作スタッフの思いを聞いてGOサインを出したのだとか。
自身が開発主査を務めたNDロードスターについては、NAロードスターのお客様に買ってもらえるように、という思いが強くあったそうで、そのためには何より軽さが大事だと。その上で元々のロードスターのパッケージの哲学である、FR、オープン、50:50の重量配分、小さいイナーシャに加え、アフォータブル。求めやすい価格にすることを心掛けたとのこと。その結果、NDロードスターはデビュー当時の2015年よりも、それから7年が経過した2022年の販売台数が多いという息の長い人気車種となったのだ。
また、NAロードスターのレストアプロジェクトについても触れ、ビジネスモデルとして立ち上げるのに5年掛かったという。今後はFD RX-7への展開も試みられているが、それもひとえに長くマツダ車に乗ってもらうため。ロードスターはもちろん、マツダに対する深い愛情が窺えるトークショーとなっていた。