世界最大のレゴブリックF1カーの製作は、初開催を迎えるサウジアラビアGPを盛り上げる催しの一環で、チャリティを兼ねていた。サウジアラビアの市民はサウジアラビアGPの公式ホームページに設けられた「参加&寄付」のボタン押して手続きを踏むことで、見返りにレゴブリックを手にすることができる。実際にブリックが手元に届くわけではなく、会場に届けられ、レゴが認定したプロによってF1カーの製作に用いられる。寄付はすべて、サウジアラビアの社会、教育、医療、救援、環境、経済、技術などの救済と支援に充てられるという。
レゴブリックF1カーの製作は、F1開催地となるジェッダのショッピングモール(Red Sea Mall)で9月15日にスタート。サウジアラビアの91回目の建国記念日にあたる9月23日に、SAMFのチェアマンを務めるハリド・ビン・スルタン・アル・アブドラ・アル・ファイサル王子が最後の1個を積み上げて完成した。レゴブリックF1カーのこれまでの記録は2019年にフェラーリが使用した35万個だったが、今回の記録挑戦では50万個以上を使用したという。
「同じ年にひとつではなくふたつの世界記録達成に関わることができて、言葉で言い表せない気持ちです」と、記録達成にあたり王子はコメントした。ふたつの世界記録のうちはレゴブリックで作ってF1カーの大きさだが、もうひとつは、“最長かつ最速のストリートサーキット”が誕生することだ。
第21戦での開催が予定されているサウジアラビアGPは、同国西部の紅海に面したジェッダに新設されるジェッダ・コーニッシュ・サーキットで行なわれる。全長は6.175kmで、F1カレンダーに組み込まれたサーキットのなかでは、7.004kmのスパ・フランコルシャンに次いで長い。ストリートサーキットとしては最長だ。
コースの長さを生かし、追い越しを創出するDRSゾーンは3ヵ所設けられる予定(1ヵ所か2ヵ所が主流)。コーナーは27ヵ所設けられるが高速コーナーが多いため、平均車速は252km/hを見込む。ストリートサーキットとしては最速となる予定だ(常設サーキットを含めても最速の部類)。
サウジアラビアGPは、同じくストリートコースで開催されるシンガポールGP(コロナ禍の影響で20年、21年はキャンセル)と同様、ナイトレースとして行なわれる。F1の新たな名物開催地となるだろうか。12月の初開催を楽しみに待つことにしよう。