シートポジションのメモリーもしたし、スマホをBluetooth接続できるよう設定したし、スマートフォン専用アプリ「MyMazda」の初期設定も済ませた。納車の手続きも終盤だろうと思った頃、関東マツダ・高田馬場店の営業担当、飯田雅人さんが黒い箱を抱えてやって来た。誕生日はまだ先だ。焦点の定まらない眼を向けてポカンとしていると、「ボディコーティングのメンテナンスキットです」と説明してくれた。
そうだ、マツダ純正ボディコーティング「MG-PREMIUM」(8万8880円)を頼んでいたのだった。小傷がつきにくい硬い被膜と高い撥水性を長時間に渡って維持するのがMG-PREMIUMの特徴である(詳しくはhttps://www.mazda.co.jp/purchase/carlife-care/coating/body/)。リヤウインドウの右下隅にステッカーが貼ってあり、施工済みであることを示している。
「お手入れ方法」の裏には、「メンテナンスシャンプーの使用方法」や「メンテナンスコート剤の使用方法」、「シミ取り剤の使用方法」が写真入りで解説してある。やけにリアル(丁寧な説明の裏返しである)で、そのせいで「あぁ、面倒臭そう」と思ってしまう。
「これ1回も開けることないかもなぁ」と心の中でつぶやいたつもりだったのだが、全部口から出ていたらしく(よくあるんだ、そういうことが)、「そういうお客様もいらっしゃいますよ」と、飯田さんは筆者を気遣ってくれた。「こちらでメンテナンスするときに初めてフタを開けるケースも実際にあります」
施工証明書を見ると、12ヵ月ごとに「専用メンテナンス剤を用いた洗車作業を行ない、コーティング面の状態を点検する」とある。そのときに、付属のメンテナンスキットを使うらしい。なるほど。しかしまさか、12ヵ月間洗車しないで済ませるわけにはいかない。汚れが気になってくれば、「きれいにしたい」とは、いかに無精な筆者でも思う。で、
「洗車機に入れても大丈夫ですか?」
と聞いてみた。すると飯田さんは「洗車機のブラシ程度なら大丈夫ですよ」と、心強い返答をしてくれたのだった。まさか、納車から1週間もしないうちに洗車機のお世話になるとは思ってもいなかったが。ある日、どうしたわけかボディの表面が背脂の浮いたラーメンスープみたいなまだら模様になっていたのである。心苦しいが仕方ない。洗車機に入れてきれいさっぱり、を早速体験した。洗車後の水弾き、確かにいい。
注意報や警報レベルの雨を何度か経験し(そもそも梅雨時である)、納車から3週間ほど経過したある雨の日の撥水具合はこんな感じである。雨の日に、水滴が集まって筋になって流れ、を繰り返す様を眺めるのは気持ちのいいものだ。
納車時に飯田さんが有益な情報を耳打ちしてくれた。「当店でも手洗い洗車しているんですよ」と。料金を聞いてみれば、驚くような価格設定である(もちろん、低いほうで)。これは頼まない手はないと思ったものの、思いついてフラリと立ち寄るのはNGで、2〜3週間余裕をもって予約するのが基本だそう。機会があったらお願いしてみよう。
それはそうと、ラゲッジルームのマットをめくったら、メンテナンスキットを収めるのにちょうどいいくぼみがあったのだが、専用の収納スペースってこと? 違う?(つづく)