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2023年後半には「EタイプZPコレクション」にインスピレーションを得た限定モデル「FタイプZPエディション」が発表される予定
「EタイプZPコレクション」は、優勝したオリジナルのレース車両からインスピレーションを得たカラーリングを採用。ドロップヘッドクーペとフィックスドヘッドクーペの2台1組で構成されており、英国コベントリーのジャガー・クラシック・ワークスのエキスパートたちが包括的なレストア作業を行う。
インスピレーションの源となった2台のレースカーは、それぞれ「ECD 400」と「BUY 1」という登録番号で、1960年代にグラハム・ヒルとロイ・サルバドーリがドライバーを務めた。「ZPコレクション」の特徴は、「Eタイプ」のレースの伝統を記念する専用ディテールの数々と、現代的なクルマとしての使いやすさを備えている点にある。
「ZPコレクション」は、1961年から1964年にかけて生産され、3.8ℓエンジンを搭載したシリーズ1の仕様がベース。265bhp(約269ps)を発生するこのエンジンには、日常的な扱いやすさを考慮して、電動クーリングファンや電子イグニッションを備えたアロイラジエーター、光沢仕上げのステンレススチール製エキゾーストシステムを装着している。
5速MTはすべてのギヤにシンクロメッシュ機構を備え、ヘリカルカットギヤと強化鋳造アルミニウムケーシングを採用することで信頼性と耐久性が向上し、クロスレシオのギヤによりスムーズな変速を可能にしている。このトランスミッションを搭載するために、ボディシェルやその他のコンポーネントの変更はしていない。オリジナル車両の完全性を維持することは、ジャガー・クラシックのチームにとってもっとも重要なポイントであり、ジャガー・クラシック・ワークスが開発したギヤボックスを搭載することにより、ボディのオリジナリティを維持したうえで顧客の利便性をも向上させる。
また、各車両には、Bluetooth接続、ナビゲーション機能を備えたジャガー・クラシック・インフォテインメント・システムが搭載されている。
すべての車両は、ジャガー・クラシックのエキスパートが約2000時間をかけて作業し、高度なクラフトマンシップと丹念が込められており、その完成度はもはや芸術作品の域に達している。「EタイプZPコレクション」両ボディの特色は以下のとおりだ。
ドロップヘッドクーペ
●ボディはグラハム・ヒルがドライブしたインディゴブルーの「ECD 400」から着想を得たオールトンブルーにペイント
●ボンネットとドアにあるラウンデル(ゼッケンを表示するための丸いエリア)はホワイトで仕上げ、フロントエアインテークの内側には、同色のリップスティックを装着。オリジナル車両を忠実に再現するため、グリル全体のモチーフバーとフロントオーバーライダーは削除
●ジャガー・クラシックのエンジニアはノーズを再加工し、さらに40時間以上かけて手作業で仕上げ完璧な美しさを追求
●クローム仕上げのバンパー(フロント/リヤ)
●ワイヤーホイールおよびジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップ
●1961年当時の仕様を正確に再現するために、ブナ材のステアリングホイール、溶接されたボンネットルーバー、ロック可能なキー付きの外部ボンネットラッチ(「ZP」ロゴ付き)と革製ボンネットストラップを採用
●リヤエンドには「ZP」および「JAGUAR」ロゴを、燃料フィラーキャップ、車両カバー、ルーフカバーにも「ZP」ロゴをレイアウト
●フロントフェンダー後方のシルバーのシールドの中にはユニオンジャックと「E-TYPE」のシルエット、「Project ZP」のレタリングを配置
●インテリアは、ブリッジ・オブ・ウィアー社のレッドレザーを採用し当時と同じくハードデュラトリム仕上げ
●ゴールドのグラウラー・ホーンボタンに加え、アルマイトアルミニウムのセンターコンソールには、英国の彫刻アーティストであるジョニー“キング・ナード”ダウェル(Johnny “King Nerd” Dowell)が手掛けたビスポークのパネルを追加。オールトンパークのサーキットレイアウト、ヒルの名言「In a race my car becomes part of me, and I become part of it(レースで車は私の一部となり、私は車の一部となった)」、そして栄光の勝利を象徴する月桂樹の冠(ペアのもう1台と組み合わせるために半分)が描かれている
フィックスドヘッドクーペ
●ロイ・サルバドーリが勝利を収めた「BUY 1」からインスピレーションを得て製作
●オリジナル車両のパールグレーに着想を得たクリスタルグレーのエクステリアカラーを採用。クリスタルという名称は、サルバドーリが「E-TYPE」で初めて勝利を収めたクリスタルパレスから由来
●ドロップヘッドと同様、ホワイトのラウンデル、クローム仕上げのバンパー、溶接されたボンネットルーバー、専用のサイドグラフィックディテールを装備。さらに英国バーミンガムのジュエリークォーターに拠点を置くスペシャリスト、ヴォートンズ(Vaughtons)と協力し製作したエクステリア・エンブレムも装着
●ダークネイビーのブリッジ・オブ・ウィアー社のレザーインテリアと、それにマッチするハードデュラトリム、ブナ材のステアリングホイールを採用
●アルマイトアルミニウムのセンターコンソールのパネルには、月桂樹の冠(残りの半分)、クリスタルパレスのサーキットレイアウト、車両のシルエットに加え、ロイ・サルバドーリのニックネームであった「King of the Airfields(飛行場の王)」の文字を彫刻
なお、各車両には、当時ドライバーのヒルとサルバドーリが着用していたものを再現したヘルメットを付属。これらは、1950年代からヘルメットを製造してきた英国の専門メーカー、エバーオークのビル・ヴェロ(Bill Vero)が製造したものだ。そして、インテリアと同じレザーを使い、ジャガー・クラシックのトリムエキスパートが製作した、テーラード・レザーのヘルメット収納用バッグ、車両ハンドブック用のレザーポーチも提供される。さらに「ZP」ロゴ入りの専用車両カバーと、トランクフロアの下に収納できる特注のジャッキ(専用の収納バッグ付き)も付属する。
2023年後半には、ジャガーのSV BESPOKEパーソナライゼーションチームは、「EタイプZPコレクション」にインスピレーションを得た限定モデルとして「FタイプZPエディション」が発表される予定。このモデルは、5.0ℓV型8気筒スーパーチャージドエンジンを搭載した最後のジャガーのスポーツカーとなる。この限定モデルのうち14台は、「EタイプZPコレクション」を購入したカスタマーのために割り当てられる。これにより、今後二度と再現されることのないカルテッドが誕生する。ジャガーは、2025年からモダンラグジュアリーな電気自動車(EV)専門ブランドへと変革を遂げることを掲げており、これにより、1935年にウィリアム・ライオンズ卿が設立したジャガー・ブランドのエキサイティングな新しい扉が開かれることになる。