環境に対応しながら、新しいドライビングプレジャーを追求する新型プジョー408のプラグインハイブリッドシステムとは?

新型プジョー408のメカニズム / プジョー流のプラグインハイブリッドシステムとは? 【新型プジョー408メカニズム探訪】

新型プジョー408(本国仕様)
環境に対応しながら、新しいドライビングプレジャーを追求する。
それを実現するための、プジョーの回答のひとつのがプラグインハイブリッドシステムだ。
ここでは新型プジョー408の『408 GT HYBRID』にも搭載される、プジョーのプラグインハイブリッドシステムの概要を解説しよう。

TEXT:世良耕太 (Kota Sera)
プラグインハイブリッドシステムの構成部品は、基本性能や室内空間を損なうことなく軽量高剛性のモジュラープラットフォームEMP2に最適なレイアウトで搭載される。エンジンルームは右前輪側からエンジン〜湿式多板クラッチ〜モーター〜8速ATの順。(図版は308のもの)。

今回発表された新型プジョー408に設定されている『408 GT HYBRID』は、外部電源からの充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。408は308の派生ともいえるモデルなので、横置きに搭載するパワートレーンも共用である。ハイブリッドシステムは、1.6ℓ直列4気筒ターボエンジンと1モーターの組み合わせ。ハイブリッドトランスアクスルはアイシン製で、1モーターに8速ATを組み合わせる。発進デバイスは湿式多板クラッチだ。

エンジンルームには、右前輪側からエンジン〜湿式多板クラッチ〜モーター〜8速ATの順に並ぶ。いわゆる、1モーターのパラレルハイブリッドである。インバーターはハイブリッドトランスアクスルの上面に搭載されている。1モーター式なので、2モーター式のように発電専用のモーター(ジェネレーター)は持たず、1基のモーターで力行(アシスト)と回生(動力吸収による発電)を行なう。2モーター式のように力行しながら発電を同時に行なうことはできない。

エンジンにはBMWとの協業で仕立てられたベテランユニット、1.6ℓのEP6型、通称“Pure Tech 1.6”が用いられる。

ガソリンエンジンは308や508が搭載しているのと同じEP6型で、2000年代にBMWと共同開発したユニットだ。BMW側ではMINI用の横置きエンジンとして活躍したが、現行モデルはBMW製エンジンに置き換わっており、EP6を積むのはプジョーを含む旧PSAだけになっている。排気量は1598cc。ボア×ストロークは77.0×85.8mmでストローク/ボア比は1.1。燃料噴射は直噴。ターボチャージャーは、排気干渉を防ぐ目的で1番と4番、2番と3番シリンダーの排気を別のスクロールにわけてタービンホイールに導くツインスクロール式。圧縮比は10.5である。

“Pure Tech”ガソリンターボエンジンと組み合わされる高効率電動モーターを、走行状況に応じて最適に組み合わせて駆動するのがプジョーのプラグインハイブリッドシステム。システム最大トルクは360Nmと発表されている。

エンジンの最高出力は132kW(180ps)/6000rpm、最大トルクは250Nm/1750rpm。ハイブリッドトランスアクスルが内蔵する交流同期モーターの最高出力は81kW(110ps)/2500rpm、最大トルクは320Nm/500-2500rpmである。エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は165kW(225ps)、システム最大トルクは360Nmと発表されている。

リヤアクスルの後方に搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は12.4kWhで、総電圧は305V。EV走行可能距離はWLTCモードで66kmである。充電は200V・3kWと200V・6kWの普通充電のみに対応。急速充電には対応していない。満充電までの充電時間は3kWで約5時間、6kWで約2.5時間となっている。

プラグインハイブリッドシステムのエネルギーフローのイメージ。プジョーのプラグインハイブリッドシステムは出力などスペックの違いで2種類があるが、『408 GT HYBRID』はスペックから見て「HYBRID 225」と呼ぶもののようだ。(図版は308のもの)。

PHEVは、バッテリー残量が充分残っているときはモーターのみで走るEV走行をするのが基本。このとき、湿式多板クラッチは切り離された状態だ。バッテリー残量が低下すると湿式多板クラッチをスムーズにつなぎ、エンジンとハイブリッドトランスアクスルをつないだエンジン/モーター併用走行となる。モーターのアシストを行なわない状態では、8速ATのエンジン車と同様の走りとなる。

エンジン走行時にモーターを連れ回せば発電することができるが、トヨタのハイブリッドシステムに代表される2モーター・シリーズパラレルハイブリッドのように、モーター(ジェネレーター)にとって効率のいい回転に制御することは、構造上できない。主に減速時に回生して蓄えたエネルギーと、エンジン走行時にモーター(ジェネレーター)を連れ回して発電したエネルギーを使い、ドライバーが強い加速を求めたときにアシストする際の原資にする。

TEXT:世良耕太 (Kota Sera)

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著者プロフィール

世良耕太 近影

世良耕太

1967年東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。編集者・ライターとして自動車、技術、F1をはじめと…