トヨタミニバンのトップモデルはアルファード・ヴェルファイアか? それともグランエースか? サイズやパワートレーン、インテリアを比較してみる

ラグジュアリーミニバンのトップモデルとして君臨するトヨタ・アルファードがフルモデルチェンジを果たした。さらに、先代で不振を極めたヴェルファイアはターボエンジンと専用セッティングの足回りでドライバーズカーへと転身。トヨタとしてはこのカテゴリーで盤石の体制を築いているが、ライバルは内にあり! アジア圏の富裕層を中心に人気を集めるラグジュアリーMPVとして存在感を示すグランエースがそれだ。2019年12月に日本市場にも投入され、その巨体が圧倒的に存在感を示している。サイズこそグランエースが大きく上回るのは承知だが、あえてトヨタの最上級ミニバンとして比較の俎上にあげてみよう。

現在、アジア圏の富裕層が求める高級車はかつてのラグジュアリーセダンからラグジュアリーMPV(=ラグジュアリーミニバン)にシフトしている。もちろん、アルファード・ヴェルファイアもその市場をターゲットのひとつとしているが、レクサスブランドではLMをアルファード・ヴェルファイアの兄弟車から差別化を図った。

進化したアルファード・ヴェルファイアにライバルはいない? 2023年日本発売予定のレクサスLMとはどう違うのか!? サイズやエンジンの設定は?

2023年6月21日に発売された新型アルファードおよびヴェルファイア。ラグジュアリーミニバンとして支持を集める両者だが、もはや市場にこの二車に真っ向から対抗できる車種は皆無に近い。実際のところライバルとなりうるのは、レクサスが2023年4月18日(火)~4月27日(木)に開催された上海モーターショーで発表した新型「LM」だけではないだろうか? こちらは2023年秋に日本市場に投入されるということだが、先代LMがアルファード/ヴェルファイアとの兄弟車だったことを考えると、新型となったこれらはどのような違いがあるのだろうか? 比較してみよう。

その一方でアジア圏や新興国でのハイエースの信頼感は群を抜くものがあり、この信頼とラグジュアリーMPV需要が結びついたグランエースが登場したのが2019年2月のこと。ベースとなった300系ハイエースこそ日本市場には投入されていないが、逆にグランエースは2019年12月に国内販売を開始した。

トヨタ・グランエース

もちろん、ボディサイズはグランエースが大きく上回るが、あえてトヨタの最上級ミニバンとしてグランエースとアルファード・ヴェルファイアを比べてみよう。はたしてトヨタ最高のショーファードリブンはどちらなのか?

豪華内装を極めた“ショーファードリブン”ミニバン「トヨタ・グランエース」【最新ミニバン車種別解説】

アルファード/ヴェルファイアとはまったく違う視点から作られたラグジュアリーミニバン「グランエース」。走りの静粛性や圧倒的な存在感の外観、豪華なインテリアは、他と一線を画す。法人ユースをターゲットにしたゆえ、その快適性は群を抜いている。独自の魅力を持つ「グランエース」の詳細をレポートする。 REPORT:石井昌道[本文] 小林秀雄[写真解説] PHOTO:神村 聖 MODEL:河辺ほのか

エクステリアとボディサイズ……グランエースはひと回り以上大きい

逆台形の大きなフロントグリルこそ共通だが、やはりアルファード・ヴェルファイアの方が新しいこともありスマートでスタイリッシュな造形をしている。グランエースは海外向けハイエース(300系)の上位モデルということもあり、そのフォルムに商用車的なテイストを残している。そのあたりはメルセデベンツのVクラスに近いと言えるだろう。

上からアルファード、ヴェルファイア、グランエース。

一方でウェストラインが低く室内の開放感の高さを予感させる。さらに、アルファード・ヴェルファイアでは新意匠に生まれ変わった“アルヴェルピラー”が、グランエースでは逆に角度を立たせた形で残っているのが面白い。

トヨタ・アルファード&ヴェルファイアがフルモデルチェンジ! 独特の“アルヴェルピラー”が消えた!? ヴェルファイアはターボエンジンでドライバーズカーに変身!

2023年6月21日、ついにトヨタのラグジュアリーミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」がフルモデルチェンジし、その姿を表した。販売比率の低迷から一時は廃止も噂されたヴェルファイアも、アルファードとは外観だけでなくキャラクターも中身から変えることで独自の個性を高めて存続する。

全長4995mm×全幅1850mm×全高1945mm(19インチタイヤ)というアルファード・ヴェルファイアに対し、グランエースは全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mmと明らかに1クラス上の大きさだ。ホイールベースも前者が3000mmであるのに対し、後者は3210mmと、約30cmの全長差のうち20cmがホイールベースの長さになっている。さらに+12cmの全幅を考えれば、室内空間もグランエースがかなり広いことが予想される。
このボディサイズはアルファード・ヴェルファイアより大きいレクサスLMをさらに上回る。

進化したアルファード・ヴェルファイアにライバルはいない? 2023年日本発売予定のレクサスLMとはどう違うのか!? サイズやエンジンの設定は?

2023年6月21日に発売された新型アルファードおよびヴェルファイア。ラグジュアリーミニバンとして支持を集める両者だが、もはや市場にこの二車に真っ向から対抗できる車種は皆無に近い。実際のところライバルとなりうるのは、レクサスが2023年4月18日(火)~4月27日(木)に開催された上海モーターショーで発表した新型「LM」だけではないだろうか? こちらは2023年秋に日本市場に投入されるということだが、先代LMがアルファード/ヴェルファイアとの兄弟車だったことを考えると、新型となったこれらはどのような違いがあるのだろうか? 比較してみよう。

もちろん、このボディサイズの大きさは取り回しに影響を及ぼしている……かと思いきや、最小回転半径はアルファード・ヴェルファイアの5.9mに対しグランエースは5.6mと小回りが効く。やはりラダーフレームのFRであることが有利に働いているようだ。

上からアルファード、ヴェルファイア、グランエース。

一方で、最低地上高はアルファード・ヴェルファイアは150mmのところグランエースは175mmとやや高くなっている。フロア高もグランエースがやや高いように感じられ、乗降性ではステップボード(ユニバーサルステップ)が用意されるアルファード・ヴェルファイアの方が高そうだ。

アルファード・ヴェルファイアに設定されるユニバーサルステップ(オプション)。また、フロアの段差もグランエースより低い。

ただし、スライドドア開口幅はアルファード・ヴェルファイアが820mmのところ、グランエースは1000mmを確保している。これは全長とホイールベースの長さが功を奏している。

グランエースのスライドドア開口部。室内のフロアはアルファード・ヴェルファイアより高いようだ。ステップからの段差も大きい。

また、ホイールサイズはアルファードは17インチ、18インチ、19インチの3種類、ヴェルファイアが17インチと19インチの2種類用意しているのに対し、グランエースは17インチのワンサイズ設定。
アルファード・ヴェルファイアのハブ/ホイールは新しくPCD120(5穴)になった点が話題になった。グランエースはPCD130の6穴で、実は同じ6穴でも200系ハイエースの139mmとは異なっている。

アルファードヴェルファイアグランエース
全長4995mm4995mm5300mm
全幅1850mm1850mm1970mm
全高1935mm(17インチタイヤ)
1945mm(19インチタイヤ)
1935mm(17インチタイヤ)
1945mm(19インチタイヤ)
1990mm
ホイールベース3000mm3000mm3210mm
最低地上高150mm(17インチタイヤ)
160mm(19インチタイヤ)
150mm(17インチタイヤ)
160mm(19インチタイヤ)
175mm
最小回転半径5.9m5.9m5.6m
タイヤサイズ225/55R19
225/60R18
225/65R17
225/55R19
225/65R17
235/60R17
車重2060kg〜2290kg2180kg〜2310kg2740kg〜2770kg

パワートレーン……ディーゼルならグランエース

アルファード・ヴェルファイアは何度も取り上げられているようにA25A-FXS型2.5Lエンジンに電気式無段変速機を組み合わせたハイブリッドを用意し、前者には2AR-FE型2.5LエンジンとSuper CVT-i、後者にはT24A-TFS型2.4LターボエンジンにDirect Shift-8ATが設定されている。

A25A-FXS型2.5Lエンジン
2AR-FE型2.5Lエンジン
T24A-TFS型2.4Lターボエンジン

一方で、グランエースに用意されているのは1GD-FTV型2.8L直列4気筒インタークーラーターボディーゼルに6Super ECT(6速AT)の組み合わせのみ。アルファード・ヴェルファイアより約500kg前後思いグランエースにはターボディーゼルの極太トルクとそれを支えるトルコンATが必要というわけだ。

1GD-FTV型2.8L直列4気筒インタークーラーターボディーゼルエンジン
車名パワートレーントランスミッション最大出力最大トルク
アルファード2AR-FE型2.5L直列4気筒エンジンSuper CVT-i
(CVT)
182ps/6000rpm24.0kgm/4100rpm
アルファードA25A-FXS型2.5L直列4気筒エンジン
シリーズパラレルハイブリッド
電気式無段変速機190ps/6000rpm
+182ps(モーター)
+54ps(E-Four)
24.1kgm/4300~4500rpm+27.5kgm(モーター)+12.3(E-Four)
ヴェルファイアT24A-TFS型2.4L直列4気筒
ターボエンジン
Direct Shift-8AT
(8速AT)
279ps/6000rpm43.8kgm/1700~3600rpm
ヴェルファイアA25A-FXS型2.5L直列4気筒エンジン
シリーズパラレルハイブリッド
電気式無段変速機190ps/6000rpm
+182ps(モーター)
+54ps(E-Four)
24.1kgm/4300~4500rpm+27.5kgm(モーター)+12.3(E-Four)
グランエース1GD-FTV型2.8L直列4気筒
インタークーラーターボディーゼル
6Super ECT
(6速AT)
177ps/4400rpm45.9kgm/1600~2400rpm

アルファード・ヴェルファイアはハイブリット、ガソリンエンジン車ともに4WDモデル(ハイブリッドはE-Four)を用意しているが、グランエースはFRの2WDのみとなっている。

アルファード・ヴェルファイアのフロントサスペンション
アルファード・ヴェルファイアのフロントサスペンション

アルファード・ヴェルファイアのサスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがダブルウィッシュボーンという組み合わせで、ヴェルファイアには専用セッティングが施されているのは何度も述べられている。
グランエースはフロントは同じくマクファーソンストラットで、リヤはトレーリングリンクリジッド(車軸式)を採用している。

グランエースのフロントサスペンション
グランエースのリヤサスペンション

加えて、アルファード・ヴェルファイアがボディ剛性を大幅に高めたモノコックシャシーであるのに対し、グランエースはストレートラダー構造のラダーフレームである点が大きく異なっている。

新型アルファード/ヴェルファイアのボディ
グランエースのストレートラダーフレーム

インテリア……グランエースには8名乗車モデルも

ヴェルファイア(上)とグランエース(下)のインテリア。

モデルとして4年も差があること、またグランエースが商用車ベースであることを考えるとアルファード・ヴェルファイアの現代的スマートさと乗用車的スタイリッシュさが際立つ。グランエースもウッド調パネルを多用するなど高級感を演出しているものの、ダッシュボードのデザインやインパネのレイアウトなどはひと世代古く感じられてしまう。
とはえい、グランエースもスマートフォン連携ディスプレイオーディオなどのユーティリティや、安全装備は充実している。

上からアルファード、ヴェルファイア、グランエースのインテリア。

アルファード・ヴェルファイアは3列目シートを3名乗車とした7名乗車だが、グランエースの3列目シートは2名乗車で定員は6名(「Premium」グレード)。2列目はもちろん、3列目までロングスライド機構やパワー リクライニング機構、パワーオットマン、快適温熱シート、格納式テーブルなどを装備した専用のエクゼクティブパワーシートとなっている。

グランエースのエグゼクティブパワーシート。

流石に最新のアルファード・ヴェルファイアのような脱着式マルチオペレーションパネルやオーバーヘッドコンソールこそ無いが、シートの豪華さは引けを取らない。
一方で、グランエースには2名乗車×4列とした8名乗車モデルも設定されている。ただし、8名乗車は3列目はリラックスキャプテンシート、4列目は6 : 4分割チップアップシートとなる。

上からアルファード・ヴェルファイア、グランエース(6名乗車)、グランエース(8名乗車)。

ボディサイズにかなり差があるため、前後左右の室内空間の広さはグランエースが大きく上回る。エクゼクティブパワーシートがあっても2列目3列目のウォークスルーが可能になっている。
一方でラダーフレームのFRのためフロアが高いので、室内高はアルファード・ヴェルファイアの方が高い。ただし、やはりサイドウインドウ面積はグランエースの方が大きく、開放感という意味ではアルファード・ヴェルファイアを上回りそうだ。

アルファード・ヴェルファイアグランエース(6名乗車)グランエース(8名乗車)
室内長3005mm3290mm3365mm
室内幅1660mm1735mm1735mm
室内高1360mm1290mm1290mm
トヨタ社内計測値

グレードと価格……グランエースが意外に安い?

アルファード・ヴェルファイアは先代モデルからの大幅な進化と、明らかな上級移行で540万円〜と最上級ミニバンとして相応の価格設定となっている。特に「Executive Lounge」は共に800万円後半という高級車だ。
グランエースはグレードを6名乗車の「Premium」と8名乗車の「G」に絞り、前者が650万円、後者が620万円という設定。どちらのグレードでもアルファードの中間くらい価格帯だが、サイズを考えるとお得感があるようにも思われる。
そういう意味ではヴェルファイアはがソリエンジン車はターボ仕様でありアルファードのガソリンエンジン車より100万円以上高く、専用の足回りを備えるだけに共通するハイブリッドでも70万円も高くなっている。

グレード価格
Z(ガソリン/2WD )540万円
Z(ガソリン/4WD )559万8000円
Z(ハイブリッド/2WD)620万円
Z(ハイブリッド/E-Four)642万円
Executive Lounge(ハイブリッド/2WD)850万円
Executive Lounge(ハイブリッド/E-Four)872万円
アルファード
グレード価格
Z Premier(ガソリン/2WD )655万円
Z Premier(ガソリン/4WD )674万8000円
Z Premier(ハイブリッド/2WD)690万円
Z Premier(ハイブリッド/E-Four)712万円
Executive Lounge(ハイブリッド/2WD)870万円
Executive Lounge(ハイブリッド/E-Four)892万円
ヴェルファイア
グレード価格
G(ディーゼル/2WD )620万円
Premium(ディーゼル/2WD )650万円
グランエース

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