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エクステリアとボディサイズ
ランドクルーザーシリーズの最上位モデルに位置付けられるランドクルーザー300は、サイズにてもランドクルーザー250よりやや大きく、フロントグリルも堂々としたデザインとされている。対してライトデューティを謳うランドクルーザー250はより質実剛健なテイストを漂わせるデザインだ。
また、フロントグリルの中央の四角枠や、角形3連ヘッドランプに加え丸型ヘッドランプも用意されており、イエローのボディカラーと合わせて往年のモデルのトリビュートを感じさせるデザインだ。
ランドクルーザー250全高がランドクルーザー300に対して55mmほど低く、サイドビューが明らかに薄くよりシャープな印象だ。一方でフロントウインドウが立っており、ここでも実用性を重視していることを窺わせるだけでなく、2022年9月に生産終(日本では2018年に販売終了)したFJクルーザーのテイストも感じさせる。
ボディサイズは300より若干コンパクトだが、同じGA-Fプラットフォームを採用するため全幅やホイールベースは同じだ。ホイールベースが同じことを考えると未発表の最小回転半径も300とそれほど大きな違いはないと思われる。また、最低以上高も先代の220mmを下回ることはないだろう。
車名 | ランドクルーザー250 | ランドクルーザー300 |
全長 | 4925mm | 4950mm〜4985mm |
全幅 | 1980mm | 1980mm〜1990mm |
全高 | 1870mm(シャークフィンアンテナ除く) | 1925mm |
ホイールベース | 2850mm | 2850mm |
最低地上高 | 未発表 | 225mm |
最小回転半径 | 未発表 | 5.9m |
ホイール・タイヤ | 265/70R18 | 265/55R20 265/65R18 |
車重 | 未発表 | 2360kg〜2560kg |
展示車両のタイヤは265/70R18サイズのトーヨー・オープンカントリーA/Tを装着しており、ランドクルーザー300よりもハイトのある設定とし、ルックスやラグジュアリー性よりもオフロード走破性や実用性を重視しているように思われる。
一方で、車高はランドクルーザー300よりも50mmほど低い。これが単純にルーフの高さだけで済むのか、未発表の最低地上高にも影響するのかはまだ不明だが、オフロード走行性能の一つの基準となるアプローチ、デパーチャー、ランプブレークオーバーの各アングルがランドクルーザー300よりも若干ではあるが小さくなっている。
車名 | ランドクルーザー250 | ランドクルーザー300 |
アプローチアングル | 31度 | 32度 |
デパーチャーアングル | 23度 | 26度 |
ランプブレークオーバーアングル | 23度 | 25度 |
登坂能力 | 未発表 | 45度 |
最大安定傾斜角 | 未発表 | 44度 |
最大渡河性能 | 未発表 | 700mm |
登坂能力や最大安定傾斜角、最大渡河性能も未発表だが、ホイールアーティキュレーションは先代モデル比+10%、SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)装着車はさらに+10%拡大している。
パワートレーンとスペック
パワートレーンは、エンジンが3種類、それにハイブリッドを加えた全5種類が用意され、仕向地ごとに設定されている。エンジンはT24A-FTS型ガソリンターボとそのハイブリッド、1GD-FTV型2.8Lディーゼルターボとその48Vシステム搭載モデル、2TR-FE型ガソリンエンジンだ。
エンジン | 出力 | トランスミッション | 仕向地 |
T24A-FTS型2.4Lガソリンターボハイブリッド | 330ps 64.24kgm(※) | Direct Shift-8AT | 北米・中国 |
T24A-FTS型2.4Lガソリンターボ | 281ps 43.85kgm(※) | Direct Shift-8AT | 中近東・東欧・ほか |
1GD-FTV型2.8Lディーゼルターボ(46Vシステム) | 204ps 50.98kgm(※) | Direct Shift-8AT | 豪州・西欧 |
1GD-FTV型2.8Lディーゼルターボ | 204ps 50.98kgm(※) | Direct Shift-8AT | 西欧・東欧・日本・中近東・ほか |
2TR-FE型ガソリン | 163ps 25.08kgm(※) | 6 Super-ECT | 東欧・日本・ほか |
(※)トルクは編集部換算値
そのうち、日本には1GD-FTV型2.8Lディーゼルターボと2TR-FE型ガソリンエンジンが予定されているが、T24A-FTS型ガソリンターボとそのハイブリッド仕様と1GD-FTV型2.8Lディーゼルターボの48Vシステム搭載車は日本向けとはされていなかった。
車名 | ランドクルーザー250 | ランドクルーザー250 | ランドクルーザー300 | ランドクルーザー300 |
エンジン形式 | 1GD-FTV 直列4気筒DOHC16バルブ インタークーラーターボディーゼル | 2TR-FE 直列4気筒DOHC16バルブ | V35A-FTS V型6気筒DOHC24バルブ インタークーラーツインターボ | F33-FTV V型6気筒DOHC24バルブ インタークーラーツインターボディーゼル |
ボア×ストローク | 92.0mm×103.6mm | 95.0×95.0mm | 85.5mm×100.0mm | 86.0mm×96.0mm |
排気量 | 2754cc | 2693cc | 3444cc | 3345cc |
最高出力 | 204ps | 163ps | 405ps/5200rpm | 309ps/4000rpm |
最大トルク | 50.98kgm(※) | 25.08kgm(※) | 66.3kgm/2000-3600rpm | 71.4kgm/1600-2600rpm |
燃料噴射装置 | 未発表 | 未発表 | EFI | コモンレール |
燃料タンク | 未発表 | 未発表 | 80L | 80L |
燃料 | 軽油 | 未発表 | プレミアムガソリン | 軽油 |
トランスミッション | Direct Shift-8AT | 6 Super-ECT | Direct Shift-10AT | Direct Shift-10AT |
駆動方式 | 4WD | 4WD | 4WD | 4WD |
サスペンション | F:ダブルウィッシュボーン R:トレーリングリンク | F:ダブルウィッシュボーン R:トレーリングリンク | F:ダブルウィッシュボーン R:トレーリングリンク | F:ダブルウィッシュボーン R:トレーリングリンク |
(※)トルクは編集部換算値
ガソリンターボとディーゼルターボを共にV6エンジンで設定するランドクルーザー300に対して、ランドクルーザー250はガソリンもディーゼルも直4エンジンを採用し、実用性と車格の違いを感じさせる設定だ。
フロントがダブルウィッシュボーン、リヤがトレーリングリンクのリジッドという前後のサスペンション構成はランドクルーザー300と同様だが、ランドクルーザー250では専用に新開発されているという。
インテリアとユーティリティ
インテリアは現時点ではランドクルーザー250はブラックに統一されており、メッキやピアノブラックといった加飾は見当たらず、そのレイアウトも含め実用一辺倒に感じられる。
それに対し、シリーズ最上級モデルとしてランドクルーザー300はシルバーの加飾を各所に配し、ラグジュアリーさを演出しているのが大きな違いと言えるだろう。
ナビゲーションシステムも含むセンターコンソール上部の液晶画面もランドクルーザー300の方が主張が強く感じられる。また、エアコンの吹き出し口が横基調に統一されたランドクルーザー300に対し、ランドクルーザー250はダッシュボード両端の吹き出し口を円形としている。
ステアリングの形状は両車よく似ておりスポークはT字状で、左右のスポークに各種スイッチを配置するのは現代のクルマの定番レイアウトだ。
デザインとしては加飾がなく、ホーボタンのマークがエンブレムでなく「TOYOTA」であったり、下側のスポークが太めなランドクルーザー250は、ここでも質実剛健さを感じさせる。
シフトレバーの形状やセンターコンソールの運転席側に配置されたモードセレクトスイッチ群などのレイアウトはよく似ているが、4WDの切り替えがランドクルーザー250がシフトレバー後方にスイッチ式で配置しているのに対し、ランドクルーザー300はシフトレバーの運転席側にトグルレバー式で配置するなど異なっている。
しかし、シフトレバーの助手席側にスマートフォンを置けるトレイがあったり、センターコンソール中央にエアコン操作パネルを物理スイッチで配置している点は共通だ。
メーターはコンサバティブなテイストを残すランドクルーザー300に対し、ランドクルーザー250はカラー液晶でモダンさが際立つ。配置はどちらも左がタコメーター、右がスピードメーター。中央に各種情報を表示するのは同じだが、メーターに針の無いランドクルーザー250はタコメーター内、スピードメーター内も表示エリアになる。
乗車定員は公表されていないが、インテリアの画像から考えるに7名乗車モデルが基本になるようだが、先代に用意されていた5名乗車モデルもラインナップされるだろうか?
両車を比べてみると、ウインドウの角が丸められているランドクルーザー300に対し、ランドクルーザー250ではいずれの窓もかなりスクエアになっているだけでなく、窓の面積も広そうに感じられる。
気になるグレードと価格は?
2024年前半発売予定と発表されたランドクルーザー250のグレードと価格は公表されなかった。先代モデルであるランドクリーザー・プラドが367万円〜554万円だったことを考えると、昨今の自動車価格の値上がりも踏まえて2.7Lガソリンモデルで400万円前後〜、2.8Lディーゼルモデルでも500万円前後〜という価格設定になるのではないだろうか?
グレード | 価格 |
TX(2.7Lガソリン/5名乗車) | 367万6000円 |
TX(2.7Lガソリン/7名乗車) | 383万4000円 |
TX”Lパッケージ”(2.7Lガソリン/5名乗車) | 417万9000円 |
TX”Lパッケージ”(2.7Lガソリン/7名乗車) | 433万7000円 |
TX(2.8Lディーゼル/5名乗車) | 433万円 |
TX(2.8Lディーゼル/7名乗車) | 448万8000円 |
TX”Lパッケージ”(2.8Lディーゼル/5名乗車) | 483万9000円 |
TX”Lパッケージ”(2.8Lディーゼル/7名乗車) | 499万7000円 |
TZ-G(2.8Lディーゼル/7名乗車) | 554万3000円 |
一方でランドクルーザー300は510万円〜800万円。基本的にディーゼルの方が価格設定が高く、グレードも最上級のZXとGR SPORTしか設定されない。そのGR SPORTはガソリンエンジン車が7名乗車になっているのに対し、ディーゼル車が5名乗車となっているのも大きな違い。ガソリンエンジン車の5名乗車はエントリーグレードのGXのみという構成だ。
グレード | 価格 |
GX(3.5Lガソリン/5名乗車) | 510万円 |
AX(3.5Lガソリン/7名乗車) | 550万円 |
VX(3.5Lガソリン/7名乗車) | 630万円 |
ZX(3.5Lガソリン/7名乗車) | 730万円 |
GR SPORT(3.5Lガソリン/7名乗車) | 770万円 |
ZX(3.3Lディーゼル/7名乗車) | 760万円 |
GR SPORT(3.3Lディーゼル/5名乗車) | 800万円 |
ランドクルーザー300の510万円〜800万円価格帯を考えるとランドクルーザー250は400万円〜700万円くらいの設定が予想される。また、昨今はデリバリータイムを短縮するために先行して発売するグレードを絞り、供給体制が安定してからグレードを追加する傾向もある。発売時は乗車定員も含めグレード設定を絞ってくる可能性もあり、そのうちの一つがデビュー時に予定されている「First Edition」になるのだろう。