走りのスカG復活!スカイラインNISMOが1000台限定で登場。100台限定のLimitedは匠による「手組みエンジン」だ

日産自動車は、「スカイラインNISMO」とその特別仕様モデル「スカイラインNISMO Lmited」を発表した。スカイラインNISMOは1000台限定で9月上旬に、スカイラインNISMO Limitedは100台限定で2024年夏に発売予定だ。
PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

価格は788万0400円~947万9800円

スカイラインNISMO
ボディ色はブリリアントホワイトパール

走りのスカイラインの復活だ。フロントにハイパワーV6ツインターボを積み、後輪を駆動するFRスポーツセダンのスカイラインに走りを追求したNISMOが加わった。

スカイラインの現行モデルは13代目。2013年の登場だから、すでに10年が経過している。このスカイラインに手を入れて仕立て直し、NISMOモデルを設定したところに、日産がいかにスカイラインを大事にしているかが見てとれる。

とはいえ、現行スカイラインがモデル末期なのは動かしがたい事実。NISMO(限定1000台)とNISMO Limited(限定100台)が純エンジン車のスカイラインの集大成のモデルになるのは間違いない。「スカイラインNISMO Limited」は抽選販売。「スカイライン NISMO」WEBカタログ内の応募ページから応募できる。(応募締切:2023年9月4日15:00)

価格は
スカイラインNISMO:788万0400円
スカイラインNISMO(RECARO製スポーツシート+カーボン製フィニッシャー装着車):847万円
スカイラインNISMO Limited:947万9800円

レギュラーモデルのスカイライン400Rが589万9300円だから、NISMOは198万1100円高、NISMO Limitedは358万0500円高ということになる。

懐かしい赤バッジが付く。
エンジン
形式:V型6気筒DOHC直噴ターボ
型式:VR30DDTT
種類:筒内直接燃料噴射V型6気筒(DOHC)
排気量:2997cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
圧縮比:
最高出力:420ps(309kW)
最大トルク:550Nm

燃料:プレミアム
燃料タンク:80ℓ

400R搭載エンジンよりも15ps/75Nm出力アップしたエンジンを積む。写真は、スカイラインNISMO(Limitedではない)

スカイラインNISMO Limitedのハイライトは、エンジンにある。横浜工場の匠ラインで特別な資格を持つ匠がひとつひとつ手組みで組み上げる高精度なエンジンを搭載する。

つまり、R35GT-Rを同じように組み立てられるのだ。バルブクリアランスは、±20μmまで高精度化。性能のばらつきを極限まで低減したという。ちなみに日本女性の髪の毛の太さ、コピー用紙の厚さが80μmだという。

ノーマルの400Rのエンジンでも充分以上に滑らかに回るのだから、それ以上となれば、まさに「極上」。

NISMOにもNISMO Limitedにも専用シリアルナンバープレートが付く。

レースカーを想起させるデザインに日産初採用となるつや消しガンメタ塗装のホイールを特別装備するとともに、Limitedの証としてエンジン組立担当者を記した匠ラベル、100台限定を刻印した専用シリアルナンバープレート、専用エンブレムを装着した。ボディカラーは、ホワイトパール、NISMOステルスグレー、ダークメタルグレーの3色。

スカイラインNISMOのベースになっているのは、スカイライン400Rだ。

エンジンは、3.0L・V6ツインターボのVR30DDTTをGT500レースエンジン開発に携わった開発者が同じ開発設備を使ってチューニングを施した。最高出力が405ps(298kW)→420ps(309kW)へ15psアップ。最大トルクは475Nm→550Nmへ75Nmアップしている。

専用にチューニングされたVR30DDTT型によって「STANDARD」モードでは、日常域で力強さと気持ち良い加速の伸びを実現した。また「SPORT」「SPORT+」のモードは、NISMO専用のAT変速スケジュールを施した。トランスミッションは、従来通り7速ATだ。

タイヤはダンロップSP SPORT MAXX GT600
サイズはF245/40F19/R265/35R19。前後異サイズだから、前後のローテーションはできない。

最大の変更点は、リヤタイヤの幅を20mm拡大し、400Rの245/40RF19から265/35R19としたことだ。また、「RF」が「R」になっていることからもわかるように、スカイラインNISMOは、ランフラットタイヤでなく通常のタイヤを採用した。

ホイールは
400R:F 19×8.5J +50mm/R19×8.5J +50mm
NISMO:F 19×9J +47mm/R19×9.5J +50mm
とした。ホイールはNISMO専用エンケイ製19インチアルミホイールだ。

ランフラットタイヤからノンランフラットになったことでタイヤは11%軽量になった。

タイヤに合わせてサスペンションとスタビライザーも専用チューニングを施した。ブレーキは、耐フェード製に優れる摩擦材を採用したほか、専用タイヤとブレーキパッドに合わせてABSの制御を見直した。
VDC(ビークルダイナミクスコントロール)も専用チューニングを施した。

スプリングのばねレートを+4%、リヤスタビライザーのばねレートを+44%とした
フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式
リヤサスペンションはマルチリンク式

フロントスプリングのばね定数を+4%、リヤスタビライザーのばね定数を+44%とした。ハードウェアとしてのばね/ダンパーに変更はない。

ブレーキは、限界性能の高さに合わせて耐フェード製の高いパッドを採用。400Rに対して耐フェード温度を約1.5倍向上させた。

400Rに大使、ウインドシールドの接着剤を高剛性のものに変更した。その結果、補剛部品付加による質量増をともなわず、車体剛性を改善。今回NISMOで採用した高剛性接着剤は、単品の特性としては静剛性1.5倍/動剛性9倍だ。GT-R NISMOおよびTrack Editionで使用実績がある。

前後ウインドシールドガラスの接着剤にGR-R NISMOも採用している高剛性接着剤を採用し、車両重量を増やさずにボディ剛性を上げた。車体としての全体捻り合成値は約15%向上したという。

フロントバンパーサイドは400Rと形状が変わり、空気の流れの剥がれが抑制されている。またバンパー開口部から入る空気を効率よく冷却に活用する最適構造になった。
ボディサイドのこの部分は「サーフィンライン」からとったものだという
リヤの形状も400Rと異なる。

空力性能はNISMOのチューニングにより
トータルCL400R:0.10→NISMO:0.04
CD:0.28→0.27

へ向上している。

20kgもの軽量化した専用RECAROシートは、匠ドライバーによる入念なチューニングによりRECAROならではのホールド性、姿勢保持性とGTに相応しい乗り心地をバランスさせている。

スカイラインNISMO用NISMOパーツ

スポーツチタンマフラー 高純度チタン合金の採用による大幅な軽量化と耐久性を持つ。チタン素材ならではの排気音質、全回転域での軽快で心地よいサウンド。エキゾーストフィニッシャー部はDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを採用している。発売は9月予定。
機械式LSD 普段使いでは不快な作動音がしない。左右の回転差が生じたときなど、性能を発揮してほしいときにしっかり働くことを狙って開発している。高速コーナーや雨の高速道路等でも安心のLSDだ。400Rにも装着可。発売は9月予定。
スポーツセッティングTYPE-1 クローズドサーキット走行時を想定してスピードリミッター作動速度を変更した仕様のスポーツセッティングTYPE-1。9月発売予定。
車高調整式サスペンションキット OHLINS(オーリンズ)製をベースにNISMOオリジナルのチューニングを施した全長調整式サスペンション。ラバーマウントを採用しサーキットでのスポーツ走行を楽しめる性能をもちつつ街乗りでの乗り心地を考慮したセッティング。9月発売予定で、これも400Rにも装着可。
アルミロードホイールLM GT4 人気の鍛造軽量ホイールLM GT4のスカイラインNISMO向けチューナーサイズ。カラーはマットガンブラックとブラックの2種類。10月発売予定。受注期間限定。
日産スカイラインNISMO
全長×全幅×全高:4835mm×1820mm×1440mm
ホイールベース:2850mm
車重:1760kg 
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン式 Rマルチリンク式 
駆動方式:後輪駆動
ステアリングギヤ形式:ラック&ピニオン式
ブレーキ:FRベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:F245/40F19/R265/35R19
エンジン形式:V型6気筒DOHC直噴ターボ
型式:VR30DDTT
種類:筒内直接燃料噴射V型6気筒(DOHC)
排気量:2997cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
圧縮比:
最高出力:420ps(309kW)
最大トルク:550Nm
燃料:プレミアム
燃料タンク:80ℓ
トランスミッション:マニュアルモード付8速AT
車両本体価格:788万0400円

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