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キャブコンを越えたセンス抜群のバンコン|ホワイトハウス・エスコート
おそらく多くのキャンパーは、愛車選択時に“キャブコンするか? それともバンコンにするか?”で悩むと思う。キャブコンの居住空間の広さは魅力だが、バンコンの日常性や機動力は捨てがたいからだ。
キャブコンの場合は、高速道路で100km/h以内が安全域。最高速度120km/h路線が拡大している現状では、やはりもどかしい部分がなくはない。まあ、のんびり楽しむのがキャピングカーの旅ではあるが。
さらに言えば、駐車場のこともある。立体駐車場にキャブコンで入ることは、まず無理だ。日本でバンコン人気が高いのは、そういった種々の問題があるわけだが、最後に残るのはどうしても居住空間ということになる。もちろん、快適な空間を実現しているモデルも多いが、ホワイトハウスの「エスコート」はまさに痒い所に手が届いたモデルだ。
バンコンはトヨタ・ハイエースや日産NV350キャラバンがベースになっていることがスタンダードだが、ワイド・ロング・ハイルーフでも車内でダイネットとベッドをいかに両立させるかが課題となる。それは、停車中には運転席回りがデッドスペースになってしまうからである。
欧州車では、運転席や助手席を回転対座させることで、それを解決している。しかし、大型のフロントシップエンジンの車両ならいざ知らず、キャブオーバーのワンボックス車でそれを実現するのは結構難しい。しかし、エスコートはそれをやってしまった。
オリジナルの回転シートを運転席・助手席に採用することで、ダイネットのスペースがグッと広くなり、大人4人でも足を伸ばしてくつろぐことができるようになったのである。
しかもベッドは後部に常設するタイプ。最大値1870×1200mmの就寝スペースは、大人2名がゆったりと寝られる。なにより、ダイネットのシートをいちいちベッドにしなくても済むので、食事やお酒の後にすぐに寝られる寝食分離スタイルなのがうれしい。もちろん、セカンドシートはフラットにして2名用のベッドにすることができるので、4人での旅も可能だ。
車内には、大型で実用的なキッチン、マルチルームも備わっており、それを含めても広々した印象を受ける。フィアット・デュカトベースとまではいかないまでも、カムロードベースのキャブコンよりも広いと思う。
さらにこのモデルがいいのは、インテリアのセンス。これもまたヨーロピアンモダンなカラーやトリムの素材でまとめられており、実に高級感に溢れている。頭上の収納や照明、スイッチに至るまで、デザインにまったく隙がない。
装備も充実しており、40L冷蔵庫に電子レンジ、100Ahサブバッテリー2個、走行充電システム、スマートシェードなど、キャンピングカーとして欲しいものはほぼ揃っている。しかもFFヒーターまで標準装備だから、あとはTVと大型クーラーでもオプションで入れればいいくらいだ。
車両価格は649万円から729万3000円で、ほぼキャブコンと同じくらいの価格帯。装備を考えれば、決して高いプライスではないと思う。このセンス、この快適性は、絶対に見逃せない。
ホワイトハウス・エスコート
■車両本体価格:685万3000円/展示車価格:781万4400円
■ベース車両:トヨタ・ハイエース スーパーロング
■乗車定員/就寝定員:4人/4人
■展示車のオプション装備:LEDヘッドランプ 6万6000円/アルミホイール 6万6000円/フロント回転シート 19万8000円/クールスター 42万9000円/バッテリー増設セット 16万5000円/自動防眩ミラー 3万7400円